疲れていました。
家庭に持ち帰った仕事がありました。
子どもと久しくプールに行ってませんでした。
でも、すべて押しのけました。
前回、天体撮影目的で遠征したのは2013/05/04です。
行きたいッ!
その一心でした。
僕の遠征先は標高1278mの高原です。
もう十二月です。
雪が降ってるかもしれない。
路面が凍結するかもしれない。
うちの車は2WDで、スタッドレスタイヤを履いているわけでもない。
(スタッドレスタイヤは置く場所がないので所有できないし)
せめて4WDにすればよかったなぁ。
(2WDを選択したのにはそれなりの理由があるのですが)
星雲や銀河の撮影は、夜空が晴れていればいいわけではなく、風が強くてもダメだし、月が明るくてもダメ、家庭の行事があってもダメ、体力が残っていなくてもダメ。
目的地まで2時間かかるし、望遠鏡+赤道儀合わせて総重量50kg近いし、非常に精度の細かい作業をするので、仕事を終えてからのスタートは体力的に厳しい。
徹夜になるので次の日が休みでなくてはならない。
週末が2連休で、晴れていて、月が暗く、風が強くなく、家庭の行事がなく、体力が疲弊していないというのは、意外なほどハードルが高いんです。
5月以来、一度もチャンスがありませんでした。
(敢えて言うなら、夏休みの沖縄行きを中止すれば、チャンスはあったのですが、それは僕的にあり得ないということで。。。)
19時半頃現場到着。。。するかと思いきや、なんと観測スポットに続く道が閉鎖されてました。
ショック!
看板を見ると、毎年11月下旬に閉鎖されるようです。
今から新たな観測スポットを開拓しなければならないのか?!
絶望的。。。
と、こんなこともあろうかと、周囲の地図はチェックしてあったんです。
次の候補地に向かいます。
初めて訪れた場所でしたが、標高1200mでもあり、夜中に通行する自動車も今のところ無く、観測できそうです。
ラッキー!
早速EQ6proにGINJI-250FNを乗っけてセットアップにかかります。
ところが極軸が合わない。
アライメントをしようにもアイピースの視界内に目標天体がまったく入らないので、アライメントができない。
僕の極軸合わせの方法は、極軸望遠鏡を使って、大まかに極軸を合わせたあとに、北極星と、もう一つの星を使った反復アライメント法を使って、極軸の精度を追い込みます。
アライメントをするための天体をアイピースの視野内に捕らえることが出来ないと、次に進めません。
普通は、倍率の低いファインダースコープでアイピースの視野内に導入するんでしょうけど、GINJI-250FNにカメラその他を取り付けるとEQ6proの搭載重量ギリギリになってしまうので、ファインダースコープを外してあるんです(ファインダースコープは家においてきました)。
アライメントの目標天体をアイピースの視界内に導入できないなんて、初めての経験でした。
ただでさえ出発が遅れたため、早く撮影を開始したいのに、手も足も出ない。
動揺しまくりました。
焦りまくりました。
結局そのままでは極軸を合わせることが出来ず、とうとうGINJIをEQ6proから降ろし、スコープテックのSD-80AL(ファインダー付き)に乗せ替えて、やっと極軸合わせをすることが出来た次第でした。
EQ6proを使い始めてまだ10回にもならないので、このようなトラブルは今後もあり得るでしょう。
極軸合わせが終わったときにはすでに日を越して、1時頃だったと思います。
到着したときは天頂付近にあったアンドロメダ銀河がずいぶんと傾いてしまいました。
逆にオリオン大星雲は高々と上がっていました。
そこで、オリオン大星雲を導入してみました。
果たして、天の川が見えるこの暗い夜空で、どのような写りをするでしょうか。
オリオン大星雲。
星の生産工場。

試し撮りをして、絶句しました。。。。
なんッッッつー写り方をするんだ!!!
ネット上にオリオン大星雲の写真はたくさん落ちてます。
でも、心のどこかで「撮って出しでここまで写らないっしょ。」「かなりフォトレタッチしてるんじゃないの?」と思っていたんです。
この画像、中心部の飛んでいる部分を、露出アンダーの画像を重ね合わせて補正してあるし、コンポジット合成でノイズを軽減しているものの、撮って出しの画像と大幅には異なりません。
カメラの背面モニタをみて、度肝を抜かれた気分でした。
続いて、アンドロメダ銀河。
だいぶ地平線上にきてしまっていたので、あまり写りに期待できないだろうな、と思いながらの撮影。

とりあえず写った。
写ったのは中心部だけですが、充分見応えがあります。
今回撮った写真(アンドロメダに限らず、ほぼすべての写真)の大半はISO 6400、露出時間60秒前後で撮影しています。
コンポジット枚数もせいぜい10枚前後です。
赤道儀にお任せの、ガイド無し撮影なので、これ以上露出時間を稼ぐと、星が流れてしまう。
淡い部分を写すには、やはりガイド撮影にするしかないか。
でも、すでに搭載重量ギリギリ。
今回、新たな試みをする予定でした。
PENTAX Q + EF-S 55-250mm IS F4-5.6の組み合わせをGINJIに小型自由雲台(Velbon 自由雲台QHD-33Q)経由で取り付けて、手動ガイドを試みようと思っていたんです。
これなら軽いので、EQ6proの搭載重量内に収まります。
ところが、ガイド星をPENTAX Qの視野内に導入できませんでした。
北極星程度の明るさがある星であれば、PENTAX Qのモニタに映ることは自宅で実証済みです。
ところがなぜかモニタ内にガイド星を捕らえることが出来ない。
焦っていたのでしょうか?
寒さで凍えていて、細かい操作ができなかったのかもしれません。
それか、極軸合わせで疲れ切っていて、集中力が落ちていたのかもしれません。
そのすべてが正解なのかもしれません。
次の機会に再び挑戦してみるつもりです。
燃える木。
おそるおそる写してみました。
自宅近くのポイントで、撮影を試みたことがあります。
そのときは、カスほども写りませんでした。
この暗い夜空でなら写るのではないか。
写りました。
画面右下の水色の光芒はなんでしょう?
斜鏡のようにもみえますが。。。
よくわかりません。
複数あるのはコンポジット合成をしているからです。
ガイダーなしなので、視界の中でどんどん位置が変わるので。。。

馬頭星雲。
感動でした。
馬頭星雲の画像を初めて見たのは中学生時代ではなかったでしょうか。
中学の理科の図表か何かで見たような気がします。
その馬頭星雲を自分が撮影できる日が来るなんて、想像もしてませんでした。

M81 渦巻き銀河。
1200万光年かなたの銀河。
1200万年前の光。

月が上がってきました。
本日は、自宅周辺でマラソン大会が開催されるため、8:30までに家に着かないと、交通規制のため午後まで家にたどり着けないことになってます。
月を撮影したら、帰り支度をせねば。。。
月齢27.6の月。
ずいぶん細い月ですが、それでも上がってきたら、空の状況が一変しました。
やはり月は明るすぎますね。

地球照。
この写真、このように撮影したわけではなく、自宅のパソコンで現像していて、遊び心で露出を上げたら、こんな画像が出てきた次第です。
「これはおもしろい!」と思いました。
地球照がこんなにおもしろい画像になるとは。。。
今後の楽しみが増えました。

現地を出発したのが6時ちょうどくらい。
家に着いたのが8時ちょうどくらい。
むっちゃ飛ばしました。
帰って、オリオン大星雲だけ画像処理して、爆睡したのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます