猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2024/12/28 山梨 二日目 星が丸く写らない夜 (フラットナーのスケアリングが難しい 巨大ニュートンの主鏡がまた動いた)

2025-01-19 18:34:07 | 天体観測
天体観測二日目。
朝起きたら八ヶ岳が綺麗でした。


友人は朝食を済ませて帰路に。
いろいろあって、午前中は土地の境界に柵を立てました。

ひと汗かいてから美味しい蕎麦を食べに行きました。
最近、外食がめっきり減りました。
一時期、近所のいろいろなお店を巡るのを楽しんでましたが、小屋に来るとやることが多くて、時間が惜しいんです。
美味しいものを食べるのは気分転換にいいのですが、ここまで来ているので、やりたいことを一つでも多くこなしていきたい。
なので、最近の食事は基本、小屋でインスタントカレーやレンチン野菜、コンビニ弁当にしてます。
以前は、近所の温泉にほぼほぼ毎回行ってましたが、それも激減。

しかし今回は、当初の予定では僕も今日帰るはずだったのが、いきなりの連泊になったので久々に時間がある。
着替えもありませんが、とりあえず風呂に入ってきました。
ちょっと離れてますが、知人に教えてもらった韮崎旭温泉。
蛍光色の湯。


富士山が綺麗でした。

八ヶ岳も綺麗でした。


二日目って、楽ですね。
昨夜セットアップしたONSTEP GPを基本、そのまま使える。
極軸は再度Pole Masterで合わせるにしても、すでにだいたい合っている。
いそいそと忙しなくセットアップする必要がないので気が楽です。

GPV予報はというと、なんと昨夜よりも条件が悪いではないか。
でも、完全にダメなわけではない。
希望は捨てずに残ることにしました。


最初にPole Masterでの極軸合わせ。
昨夜の撤収時、EOS Raとガイドカメラは回収したものの、ONSTEP GPとBLANCA-80EDT自体はいじってないのです。
それでも極軸が僅かにズレてました。
Pole Masterも完璧ではないですし、何よりGPの三脚が華奢だからかな?
あと、GPの仰角ってネジ一つで操作してて、仰角を固定する仕組みがありませんよね。

18:00頃にはONSTEP GPのセットアップが終了。
さて、まずはPHD2でガイドアシスタントでも起動しようかと思った矢先、赤経軸が回らなくなりました。
原因を探ると赤経モーターのタイミングベルト緩んでプーリーが滑って空転している。
Oh, my GOD !
なぜタイミングベルトが緩んだ?
この状況でどう修正する?
いろいろ考えた挙句、赤経モーターの位置を調節するスペーサーにビニテを2枚貼り付けて厚みを微調整して、タイミングベルトの張りをいい具合に調整しました。

スペーサーは、
で登場した水色のPPシートです。


この作業に手間取り、終わったらもうすでに20時をすぎてました。

最初の被写体は西の空にあったアンドロメダ銀河にしました。
東に町があり、夜が浅いうちは東の空が街明かりで条件が良くない。
西には南アルプスがあり、夜が浅いうちから空が比較的暗い。
この場所は西の空からスタートと相場が決まっているのです。

ガイドカメラはStarlightXpressのLodeStar、ガイド鏡は無銘のf=200mm, F4。
最初のキャリブレーション。
赤経と赤緯でステップ数が異なるのはなぜ??
赤経も赤緯もモーターは同じ。
モーターに対するパルス数も同じ。
PHD2は赤経も赤緯も12ステップになるようにパルスを送っているはず。
いずれ、その謎を解きたい。

最初のオートガイド
赤経軸の修正動作が安定して北方向ということは極軸が完璧ではないという証かと。
でも、f=480mmのBLANCA-80EDTで撮影する分には十分なオートガイド精度です。

カメラはEOS Ra
ISO 6400, 180sec
撮って出しはこんな感じ。
うっすらとガスっていて、天の川が見えないくらいなので、こんなもんでしょう。

コンポジット合成する気力が起きない画質なので、1枚処理。

ガスっていても、一瞬、ガスが晴れることを期待して、しつこくM31を連射し続けます。

23:10まで粘りましたが、結局ガスが晴れることはなく、ずっと同じようなM31を量産し続けました。
23:10時点のオートガイド

その時の写真。
これも1枚撮り
あまり変化なし。
しかし、困ったことに気づきました。


上の写真の四隅の画像。
昨日と同じ機材、つまりBLANCA-80EDTにマルチフラットナーを60mmの目盛りに合わせて使っているのですが、昨日とは似ても似つかない写り。
なぜ?
スケアリングが悪い?
接眼部へ光学機器を差し込んで固定するのって、本当にデリケートですね。

さらに意味不明なことに、アンドロメダ銀河の右側の星々が楕円になっている。
アンドロメダ銀河の中心付近の星々は丸い。
なんでこんなことが起こるかな?
正直、わけわからんです。
望遠鏡と撮影機器の接続は慎重を期しているつもりなのですが、この有様です。

接眼部にフラットナーやTリングの2インチマウントアダプターを挿入すると、結構ガタつきがあります。
自宅に帰宅後、そのガタつきを少しでも軽減するために、アダプターにビニテを貼り付けてみました。
次回、少しは写りが安定するでしょうか?


アンドロメダ銀河で粘ってもこれ以上にいい写真は撮れそうにない空模様。
アンドロメダ銀河がだいぶ西の空に傾いたので、気分を変えてすばるM45にBLANCA-80EDTを向けました。

このONSTEP GP 2号機、バックラッシュが大きいので、DECは実質的に一方向ガイドです。
なのでオートガイドを開始してしばらくは大暴れ。
しばらくすると収束してきます。

M45 すばる
ISO 6400, 180sec
1枚撮り加工


すばる、f=480mmでは少し小さすぎますね。
久しぶりにBLANCA-130EDTで撮りたくなります。
しかし、もうしばらくはONSTEP GPの1号機、2号機、3号機の動作チェックかな。

この夜最後にONSTEP GP 2号機+BLANCA-80EDTでお初となるクラゲ星雲 IC443を狙ってみました。

IC443を捉えてからのキャリブレーション。
特にいうことなし。

オートガイドのスタートは相変わらずこんな感じ。
そのうちDECの一方向ガイド(この場合は北方向ガイド)が安定して、グラフが収束してきます。


最終的にはこんな感じ。

IC443
EOS Ra
ISO 6400
180sec
RAW撮影

JPEG画像の方が処理しやすそうだったので、JPEG画像を処理したのがこれ
クラゲ星雲、f=480mmにはちと厳しいですね。
せめて600mmか800mmか
BLANCA -80EDTで撮影するならフルサイズではなくAPS-Cが良さそう




この夜、久しぶりに巨大ニュートンに振り回されました。
星が丸く写らない
東の空のカニ星雲からスタートしました。
カニ星雲を視野にとらえてから行ったキャリブレーションはほぼ理想値で調子は悪くなさそう。


なのに、この通り、RAが暴れる。
ターゲット表示でもガイド星の位置が横(赤経方向)に広がっている
赤経方向の修正動作は西方向と東方向が交互に周期的に入れ替わっている
RA agressivenessを200%にしてありますが、これも徐々に増やした結果です。



撮影カメラは、EOS 70D改造です。(EOS RaはBLANCA-80EDTに使ってるので)
ISO 3200, 240sec

こんな感じに東西方向(この写真の上下方向)に星が伸びます。
若干斜めに伸びているので、赤経方向のオートガイド以外の要素も少しありそうではあるが。


カニ星雲が子午線をこえて、西の空へ移ってからも同様の傾向。
だいたい90秒周期で西方向(上方向)への突発的なガイド星の動きが認められる
赤経方向の修正動作のアルゴリズムはヒステレシスに設定してましたが、実質的に修正動作が追いついていない(ターゲット表示で横に広がる)。
ガイド星の動きに周期性が認められる
ということは、、、

ガイド星の周期性のある動きにPeriodic errorが絡んでいる可能性を考え、赤経方向の修正動作アルゴリズムをPPEC (predictive periodic error correction)に切り替えてみました。
したら、オートガイドが一発で改善しました (^_^)



とーこーろーが、、、星が丸くならない。。。
なんでやねん!ってことで、30秒露出で撮影してみました。
30秒露出で撮影しても星が丸くならないということは、、、光軸の問題ピントがズレてる


念の為に撮影した3秒露出
やはり星が丸くならない。
星の上と下に伸びる光条がズレると違和感を感じます。

オートガイドは絶好調。

オートガイド、問題なし
ピント、問題なし

光軸がズレているのでしょう
ガチガチに固定してある斜鏡は第一には疑いません。
過去の経験から、主鏡が動いたと判断しました。
主鏡が横方向に動くので、2024/06/14に主鏡周囲にゴムシートを挿入してあまり動かないようにしました。
しかし、まだ固定が甘い状態なんです。


ガラスの主鏡単体で10kgを軽く越す重量なので、完全に固定することは難しい。
しかし、あともう少ししっかり固定したい。
2024/06/14に主鏡周囲にゴムシートを挿入して主鏡の動きを少なくする工夫をしました。
しかし、ゴムシートだけでは足りず、まだゆるゆるの状態でした。
そのときはゴムシートに加えて挿入するものが手元に見当たらず、やむをえずその状態で妥協しました。

もう一度主鏡を外して主鏡周囲に、ゴムシートと主鏡の間にクリアファイルの切れ端やアルミ箔を挿入して、可能な限り動かないように固定したいです。


この夜はその場で対応策を思いつきませんでした。
真夜中で光がないので、OCAL electronic collimatorの出る幕はありません。

今落ち着いて考えると、レーザーコリメーターで主鏡のみ光軸を修正しても良かったのではないかと思います。
ガチガチに固定してある斜鏡がズレたとは思えない(という現時点での判断な)ので、動かす必要があるのが主鏡のみというのであれば、レーザーコリメーターで良いはずです。

例えそれを思いつけたとしても、この時はONSTEP GP+BLANCA-80EDTと掛け持ちだったので、そこまでやる気力が湧かなかったでしょう。
並列作業をする場合は、やはり望遠鏡の動作が安定してないとダメですね。


この夜は惰性で21:32から00:02までカニ星雲を撮り続けました。
そしたら、最後に1枚だけ奇跡的に星がほぼ丸く写りました。
その一枚を画像処理したのがこれ。
EOS 70D改造
ISO 3200, 240sec

M1 カニ星雲としては、おそらく僕が過去に撮影したものの中で最も細部が写っている写真になるかと思います。
感動ものなので、中央をトリミングしてみました。
いかにも星が爆発した跡って感じがしますね。

結局、一晩中ガスがどかず、天の川が時々見えたり見えなかったりな夜でした。
にもかかわらず、カニ星雲の細部が過去最高に写ったのはなぜでしょう?
少々ガスっていても、シンチレーションが安定していたということでいいのでしょうか。

撮影終了時には巨大ニュートンが凍り付いていたのでした。

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