さて、最終日。
思うような成果が上ってないし、だいぶ疲れがたまってますが、泣いても笑っても今夜が最後です。
この夜も最高の夜でした。
雲一つなく、夜露は降りず、空気は澄み、風がなく、そして、白金カイロがいらないほど寒さが緩かった。
今夜こそ、アンドロメダ銀河を完成させねばなりません。
ところが、星がなかなか円に写らない。
若干楕円形に写ります。
最初はガイドの精度の問題かと思いました。
ところが、PHD guidingの調整で改善しません。
試しにISO 12800で、シャッター速度を4倍にして撮影してみました。
星が、同じように楕円形に写ります。
つまり、星が楕円形に写るのは、ガイドの問題ではなく、望遠鏡の問題だということです。
光軸調整を行ったところ、星像が改善しました。
しかし、完璧と言うところまでは行きません。
人工衛星の軌跡が直線であることから、ガイド精度もそんなに悪くない。
今回の遠征で思い知らされたことの一つは、25cmの主鏡がとてもデリケートなモノだということです。
主鏡の裏の3つの調整ネジで主鏡の向きを調整したあと、3つの固定ネジで固定するのですが、この固定ネジは、ほんの軽く止めるだけにするのがよいようです。
主鏡をしっかり固定しようと、少しでもねじ込むと、主鏡が歪んで、星像が歪んでしまうようです。
得ることの多い遠征です。
アンドロメダ銀河の撮影が順調に進み始めましたので、その間にEOS kiss X3を三脚に乗せて、オリオン座を撮影してみました。
レンズはEF 50mm F1.8、絞り値1.8、ISO 6400、シャッター速度1.6秒。
それを8枚コンポジットしたのがこれ。
ベテルギウスやリゲルが周辺に向かって扇状にコマを引いているのが気になります。
小さい星々も、画面上側でコマを引いているのに対し、画面下側の星々は点に写っています。
また、三ツ星が青ハロを帯びています。
こんなモノなのでしょうか?
絞りを絞り込めば、もしかしたら星像が改善したりするのでしょうか?
まあ、キレイな写真を撮っている人たちがいるという事実から、なんとかなるものなのでしょう。
今後、少しずつ撮影方法を工夫して行きたいです。
さて、アンドロメダ銀河の撮影自体は軌道に乗りました。
しかし、計算すると、1カットにつき、8枚撮影していたのでは時間が足りないことがわかりました。
今夜が最後の夜なので、なんとしても全カット撮り終わらねばなりません。
カットをズラすたびに、ガイドがうまく行かなくなったりするため、思った以上に手こずり、航海薄明どころか、市民薄明にかなり近い時刻までずれ込むこととなりました。
最後の方は、写していて、これは写してももう無駄かもしれないと思うくらい、背景が明るくなってしまいました。
が、ほかにどうすることもできませんでした。
撮影を終了して、機材を撤収して、自動車のエンジンをかけたころ、新潟県側から大きな四駆が駆け上がってきました。
あともう少し早く来られていたら、機材が邪魔になって通せんぼをしていたところでした。
帰途についてまもなく、この四駆が見晴らしのよいところに止まっていました。
日の出の方向にカメラを構えています。
朝日を撮りにきていたみたいです。
僕も車を止めて、三脚とカメラを構えます。
気持ちのよい光景でした。
が、ここで日の出を撮り続けている人に言わせると、今回の日の出はそんなに満足のいくものではなかったようです。
さてさて、帰路につきます。
すっかり朝日が上がってしまいました。
紅葉が見事です。
紅葉もこれで見納めなので、ところどころで車を止めて、撮ってきました。
エアちゃんもおつかれさん。
ひどい山道を毎日毎日。
しかも、電源まで供給してもらっちゃって。
朝日の写真からわかるように、里に下りるには、途中で雲海を突っ切ることになります。
雲海の下。
雲海の上とは全然違う世界です。
こちらもなかなか素敵です。
標高が下がるに連れて、明るくなってきました。
山に別れを告げ、昼過ぎまで宿で眠り、埼玉までひとっ走りして帰ったのでした。
旅から帰ってから、容赦のない現実世界に戻り、少し時間がかかりましたが、アンドロメダ銀河の写真が完成しました。
合計で100枚近くを合成したものです。
1カットにつき、コンポジットは4~8枚。
全15カットくらいをつなぎ合わせました。
思ったよりもよいできで、ホッとしました。
僕の記念すべきアンドロメダ銀河の一枚となりました。
同好会のホームページでも拝見させて頂きましたが、15カットものモザイク合成と250mmの解像度が重なりとても高精細な画像に仕上がってますよね。
モザイクの繋ぎ目も判らないし、素晴らしいです。
これも、おっちゃんさんにPhotomergeを教えてもらったおかげです。
一枚撮りが基本なんでしょうけど、このモザイク、しばらくハマりそうです(^^;)