友人の友人が野辺山宇宙電波観測所の近くに天体観測小屋を入手したという。
友だちの友だちはお友だち、ということで行ってきました。
野辺山は標高1340m前後。
ぶっちゃけ、僕が過去に天体観測した地点で、麦草峠と那須岳の峠の茶屋駐車場を除く全てを凌駕する標高です。
僕の天体観測小屋に至っては標高600mなので比較になりません。
空の青さが違う。
野辺山宇宙電波観測所の45mパラボナアンテナが八ヶ岳を背景に見えます。
野辺山宇宙電波観測所、僕が高校生の地学部の時に見にきたのが初めてのことでした。
まさかこんな形で再び縁ができようとは。
JAXA 臼田宇宙空間観測所に第一線は譲ったのかもしれませんが、見るたびにパラボナアンテナの向きが変わっており、まだまだ現役のようです。
友人の友人の観測小屋はスライディングルーフ小屋と、宿泊小屋の組み合わせ。
素敵です。
入手したばかりで、宿泊小屋とスライディングルーフ小屋の間をLANケーブルで結んだり、邪魔な木を切り倒したりと本格稼働の準備がどんどん整ってきているところでした。
標高が高いのはいいことなのですが、厳しい環境でもあります。
16:33の気温が氷点下3度でした。
真夜中には氷点下10度を下回ることを覚悟しないといけない。
今回はフル装備で臨みました。
5年ぶりくらいに白金カイロも持ってゆきました。
案の定、寒い!
夜になると車が凍りつきました。
この夜は氷点下10度には至りませんでしたが、氷点下8度まで下がりました。
幸にしてこの夜の天体撮影の大半は、休憩小屋の中からできました。
15年前まで借家アパートで使っていた古いWi-Fiルーターを持ってきてリモートデスクトップで撮影したためです。
ただし、外においたノートパソコンに霜が降りて、画面の動作が少しおかしくなりました。
ノートパソコンに死なれると痛すぎる。
この経験、次回に生かす予定です。
今回僕が持ち込んだ機材はonstep化したGP赤道儀と中古で入手したEVOSTAR72EDⅡ。
GP赤道儀を中古で入手して、1年半前にOnstep化したにも関わらず、ほとんど使えてませんでした。
唯一使ったのが西村彗星の時でしょうか。
作ったからには使い込んであげないと。
僕としてはかなり珍しいことに明るいうちにセットアップできたので、月を撮影してみました。
EVOSTAR72EDⅡの焦点距離は420mm(F5.8)
それに0.85倍レデューサーをつけて357mm(F4.9)。
カメラがEOS 60Daなので1.6倍して、571mm相当の画角になります。
月がずいぶん小さいです。
こんなに焦点距離が短い望遠鏡は初めてなので、新鮮です。
風が強かったこともあり、シャープさに欠けます。
暗くなって最初に狙ったのがスバル M45
EOS 60Da
ISO 3200、300秒、8枚コンポジット
うっかりしてて、JPEG撮影
画面右の星が若干楕円形になってます。
スケアリングの問題かと。
トリミングしたのがこれ。
EOS 60Da、やはりノイズが多いですね。
M45のオートガイド
東の空です。
うーむ、ひどい。
縦軸2秒ではグラフが場外へはみ出してしまいます。
しかし、こんなもんで星がしっかり丸く映るんですね。
短い焦点の望遠鏡って、そんなものなのでしょうか。
今まで超・長焦点でのオートガイドで散々苦労してきた身には驚きでした。
適当に撮っても、割とまともに写ることが確認できましたが、やはりここは焦らず基本に立ち返って、PHD2のガイドアシスタントでGP赤道儀の動作解析を行うことにしました。
その結果がこれ。
なに・・・バックラッシュ測定、頓挫?
ガイド鏡の焦点合わせ、最善を尽くしたつもりなのですが。。。
なんてこったい。
赤緯軸のオートガイドは実質的に一方向ガイドですな。
南北どちらの方向に一方向ガイドすればいいのか、PHD2が表示してくれない。
こんなんで星がよく丸く写るもんです。
なぜだろう?
お次に撮影したのはM42
ISO 3200、180秒、8枚コンポジット
これもうっかりJPEG撮影。
画面右の星が流れているのはスケアリングの問題なので、ご容赦。
スケアリング、多分、カメラ回転装置の問題です。
M4ネジを手で回して固定するだけですし、そのネジが細くてあまり力をこめて回せない。
この夜の結果を受けて、カメラ回転装置は今後、使わない方針となったのでした。
この写野は新鮮です。
オリオン大星雲の周囲に広くガスが広がっているのがうっすらと確認できます。
次回はもう少し露出して、周囲のガスを炙り出したいです。
お次は馬頭星雲と燃える木
ISO 3200、300秒、8枚コンポジット
RAW撮影
これまたこの画角は新鮮です。
60Da、やはりノイズが目立つので、次回はRaで撮影してみたいです。
画面左上の星の青い滲みはなんだろう?
お次はバラ星雲
ISO 3200、360秒、8枚コンポジット
RAW撮影。
星の密度がすごいですね。
この夜は写したい対象が東の空に多かったのですが、GPの動作チェックを西の空でもやりたい。
西の空、子午線付近、天の赤道付近でガイドアシスタントを起動しました。
うーむ、バックラッシュ測定、またしても失敗。
これで、東の空でも西の空でもバックラッシュが大きすぎるとの結果になりました。
このパターンは初めてのことです。
今まで僕が経験してきたのは、「東の空はバックラッシュ測定がうまく行くのに、西の空でバックラッシュが大きい」というものでした。
これは、、、どうしたらいいのでしょう?
というか、GPも分解整備しないとダメ?
面倒くさいなぁ。
何はともあれ、この状態で果たして西の空で星は丸く映るのだろうか?
それが問題だ。
というわけで、西の空に入ってきたM78にEVOSTAR72EDⅡを向けてみました。
オートガイドのグラフがこれ。
完全なる一方向(南方向)ガイドですな。
M78
ISO 3200、360秒
一応、星が丸く写ってます。
オートガイドができているということです。
GP赤道儀、バックラッシュがとても大きな個体を掴んだようです。
星は丸く写るよう。
でもこれ、今回、極軸がよく合っていたことが良いことをしてくれていたことは間違いないでしょう。
ガイドアシスタントの解析結果で東の空では>2.1分角、西の空では>0.8分角
これもまた悩ましい測定結果で、東西の空で極軸のズレが変わってくることをどう解釈すれば良いのか。
PHD2のガイドアシスタントの限界?
それとも望遠鏡を大きく振ると極軸がズレる?
いずれにせよ、GP赤道儀を実践投入できて、しかも、オートガイドが使えるレベルであることが確認できた記念すべき夜となりました。
今回がPoleMasterの初陣でした。
中古で入手したものです。
使いやすいです。
が、またしても予期せぬドタバタ劇が待ってました。
それは記事を改めて書こうかと思います。
野辺山、風が強いです。
吹きっさらしな感じです。
夜、布団の中にいて、台風かと思うような風の音でした。
あと、スキー場の明かりが邪魔をしてくれます。
野辺山は雪があまり降らないので、夜通し人工雪を撒いて整備しているようです。
小屋の前はだだっ広い畑なのですが、1kmとか先のLED街灯が意外なほど眩しい。
望遠鏡にフードをつけた方がいいかもしれません。
この夜は空が良くなかった。
M78の写真は撮って出しなのでわかりやすいかと思います。
それでも、野辺山に観測地点ができてくれてうれしい限りです。
氷点下の環境で電気が使いたい放題、暖かい小屋があって、ストーブとこたつに当たりながら天体撮影ができるのは最高です。
しかも、24時間営業のコンビニやホームセンターが車で10分以内にある標高1350mなんて、全国探しても他にないんじゃないかな?
これであとは温泉があれば最高ですが、そこは求めすぎということで。
今後が楽しみです。
残す処本日で最後となった2023年、来年は良い年でありますように。。
ここは最初、野辺山太陽電波観測所と言っていて完成した時に早速
行きました。(^0^;
雨に降られましたが、最初の小型のパラボラアンテナの
下にテントを張って宿泊しました。(^0^!
ここもほどなくして廃止されるとかですが、主力が海外に
なったので、仕方ありません。(∼ ∼;
それと45mパラボラが完成した時も行き、森本御大に
案内して頂きました。(パラボラの下の部屋にも入った!)
天文同好会でも一度行っており、核融合とかの研究機関の
展示が増えておりました。(^0^;
何かと思い出深い場所ですが、まだまだ使える設備とかでつ。
それと、ベルトドライブEQ6PROは活躍しているようで、
誠に結構であります。(^0^8
最近はこんな改造も多くなりましたが、簡単に撮れる
オールインワンとかあって、期待しております。予算がなぁ。。
新しい年になりましたね。
今年もよろしくお願いします。
野辺山の45mパラボナアンテナでの宇宙の研究については、海部宣男さんのマンガで知りました。
正直、内容はあまり理解できてなかったですが、海部さんのワクワクが伝わってきて、宇宙の研究に興味を持ちました。
そこから一歩踏み込んでたくさん宇宙の本を読んでいれば僕は研究者になっていたのでしょうけれど、漫画しか読まなかったのが後悔されます。
今からでも読めるはずなのですが、未だその時間を作れずにいます。
いつまで言い訳を続けるのか、、、と自分を見守っております。
EQ6proに続いてベルトドライブ化したGP赤道儀も、やはり僕の手によって分解整備されてしまう運命のようです。
今年中にはやりそうです。
ことの顛末はここでご報告することになると思います。
See star、評判がいいですね。
お手軽で観望会で子どもたちに見せるのにいいと思います。
僕はまだしばらくは旧来の方法でもがきます。
野辺山に観測所とは関東近辺で星撮りをしている身としては羨ましいかぎりです。
その分、厳しい寒さだとは思いますが部屋で暖を取れるのは良いですね。
馬頭近辺の輝星の青ハロ?は望遠鏡の色収差かも。
私のFC60CBは赤ハロが出ます。
私も良く馬頭を撮りますがこの時は光害カットフィルターの影響で派手なゴーストが発生してしまいます。
望遠鏡の色収差が気になるようでしたら反射鏡がお勧めです。
野辺山に縁ができて嬉しい限りです。
類友というやつかと思います。
この趣味、長く続けるためにも寒さの克服と腰の強化はしておきたいと思っています(^_^)
どこまで楽ができるようになるか、試行錯誤してます。
色収差ですか。
この星だけ派手に出てしまいました。
スケアリングがうまく行ってなかったようなので、次回、どこまで改善するかどうか。
光学的なことをあまり理解してませんが、EVOSTAR72EDⅡが2枚玉であって、3枚玉ではないことも関係しているのでしょうか?
なんにせよ、縁あって手元にきた望遠鏡なので、これから使い込んでみるつもりです。