忘れ得ぬ霞桜さんを訪ねて

　早いもので、四月も今日まで。
そこで今朝は、里山界隈の花の月の締めくくりのお話。
やはり、このお花さんがふさわしいでしょう。

霞桜さんも、お先に咲いた山桜さん同様、実生で自生ですから、形質には個体差があります。
こちらの三姉妹さんも、花色はいろいろ。



久しぶりに晴れて、霞も晴れた里山界隈。
見とれていたいこところですが、晴天でしたので二枚にとどめ、急ぎ仕事場へ。



　詳しい解説は、前々日の、雨と霞の中のこちらの皆さんにお願い致します。
霞の中で、つつましく咲くというのが、この花の真髄。



山桜の一種という風に、簡単に片付けられることが多いです。
遅く咲く山桜、などとも言われます。
しかしながら、葉も幹も、花の時期も、山桜さんとは、相当に異なります。



花も、控えめで、どこかはかなげな印象。
霞桜系の、薄墨という園芸品種もあります。
岐阜に生きている、有名な薄墨桜さんもそうかなと思いましたら、こちらはエドヒガン系らしいです。



　近くのお堂でも、控えめに咲いています。



　鎮守の森でも、山桜さんが葉になった隣にて、控えめに。
横綱さんの露払い。
今に見ていろ、私だって。

　そうです、露払いさんも、いつかはきっと巨木になれます。
カスミザクラ・巨木で検索すると、いろいろ出てきます。
全国的に、人々に賞賛されている霞桜さんも多数。



そうは言っても、この花には、静けさが似合います。
陰翳を礼賛された、文豪さんを思い出します。
花が、静かに咲いているのです。

　と、ここで、沈黙の春さんになってしまっては危ないのですね。
そこに、カエルさんやウグイスさんの響きがあるから、また、有難いのです。
陰翳も陽光も、ありがたやありがたやの茨城笠間の里でございます。



と、ここで終わらないところが、霞桜さんへの思い入れの強さ、深さの青葉です。
振り向けば、ほのかな赤みのある霞さんもはかなげで。
これより先は、追伸の部です。



左に見えますのは、先週ご紹介した葉桜姿の山桜さんです。
こちらの奥にも、霞桜さんが。
仲良く、どこでも並んで生きています。



二人の桜のコラボかな。
山桜さんの葉の舞台、霞の花さん舞うわいな。



よく見れば、二つの色の花があり。



よくよく見れば、霞の色もいろいろでした。
花も人の十人十色の里の春。
霞さんとともに、大地が湖になった霞桜さんの便りでした。
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