回向院の史蹟エリアのお墓にお参りして帰ろうとしたら、玄関脇に「吉展地蔵」という名のお地蔵さまがありました。
記憶に引っかかるものがあったので、丁度近くに居たお寺の人に訊きました。

「この吉展地蔵はどういう謂れのお地蔵さんですか?」
「吉展ちゃん事件の犠牲者です」
「やっぱり・・・、近くに住んでいたんですか?」
「ウチが菩提寺です。入谷で連れ去られて、三ノ輪のお寺で発見されました」
昭和38年に痛ましい誘拐殺人事件があった事を覚えています。
身代金目的誘拐の走りだったと思います。
それまでの誘拐は、自分の子供にしたり、サーカス等どこかへ売り飛ばすのが目的でした。
誘拐されて2年後、白骨化した姿で発見されました。

同年代の子を持っている母達が動揺して、自由遊びを制限され、見知らぬ人に猜疑と恐怖を抱かされた、心細く不安で心身の活動を抑圧された記憶があります。
忘れる事ができない事件を時々思い出しながら、何も知らないで毎日近くを電車で通っていたのです。
万感の思いで、お地蔵さまに向かって佇む真夏日の午後です。
・・・いや、その時の記憶が蘇ってしまうのが辛くて、正視できていません。
記憶に引っかかるものがあったので、丁度近くに居たお寺の人に訊きました。

「この吉展地蔵はどういう謂れのお地蔵さんですか?」
「吉展ちゃん事件の犠牲者です」
「やっぱり・・・、近くに住んでいたんですか?」
「ウチが菩提寺です。入谷で連れ去られて、三ノ輪のお寺で発見されました」
昭和38年に痛ましい誘拐殺人事件があった事を覚えています。
身代金目的誘拐の走りだったと思います。
それまでの誘拐は、自分の子供にしたり、サーカス等どこかへ売り飛ばすのが目的でした。
誘拐されて2年後、白骨化した姿で発見されました。

同年代の子を持っている母達が動揺して、自由遊びを制限され、見知らぬ人に猜疑と恐怖を抱かされた、心細く不安で心身の活動を抑圧された記憶があります。
忘れる事ができない事件を時々思い出しながら、何も知らないで毎日近くを電車で通っていたのです。
万感の思いで、お地蔵さまに向かって佇む真夏日の午後です。
・・・いや、その時の記憶が蘇ってしまうのが辛くて、正視できていません。