根津・谷中は路地が多い古い街です。空は秋です。
根津の路地からやって来ました。目前の左右の道路が根津と谷中の境です。文京区と台東区の境でもあります。正面の陽が当たっているお寺の塀の日蔭部分に石仏があります。
小さな石仏ですが、いつも供花があるので昔からよく目立ちます。
この街に訪問し始めた頃この光景に遭遇して、事故死した人の家族の供花だろうか? 想いを繋いでいるのだろうか? 等と想像していました。ペン画の杉山八郎先生がこの景色を作品にしていました。先生と知り合った頃、まだご存命の頃「どなたかご供養されている方がいらっしゃるのですか?」と質問したことがあります。もう10年以上前のことです。
先生の回答です。「あの塀に立ちションされて閉口していた和尚があの石仏を置いたら立ちションが無くなったのです」 そんな会話を思い出した秋の初めです。