東京にまだ産婆さんがいるんですね。鳥越神社の裏手の路地です。ちょっと驚きました。
昔の農家はみんな自宅出産で、私や妹たちも同じ産婆さんに取り上げて貰いました。第一子で難産だった私を無事に産ませて貰った事に母は随分感謝して、節季の挨拶を欠かしませんでした。そんなこともあって、産婆さんも私の事をよく覚えてくれていて、私を見ると元気かと尋ねてくれました。小中学校の通学路の途中に産婆さんの家があったのでよく出会ったのです。
ただ、同級生の女子のお婆さんなので、その女子に対しても恩があるような妙な気持ちになったものです。
そういえば、いつ頃か産婆さんを見掛けなくなりました。突然当たり前の事に気づいたのですが、あの頃あのお婆さんは亡くなったのですね。そんなことを思いながら見上げています。
今日、誕生日なんです。