柳原の路地で、工事用のシートに覆われた建物に遭遇しました。作業員が忙しそうに動いています。
あれ?此処って?!
建物の横を覗きます。間違いありません。奥の景色に見覚えがあります。ボイラーと燃料の廃材置き場です。ここは、「松の湯」です!それが解体中です。
シートの中を覗きます。ここはコインランドリーでした。もうすっかり取り壊されています。
煙突周辺をパワーショベルが壊しています。作業員に聞きました。集合住宅に成るそうです。
銭湯は早い物勝ちでおめでたい名前を付けます。屋号の「松」は「松竹梅」の筆頭です。老舗の証です。それが、解体されます。
廃材を積み込んでいるトラックの向こうに、身動き一つせず作業を見詰めている老人が居ます。作業員に「あの方は、松の湯の経営者ですか?」と確認したら、そうとの事。やっぱり!声を掛ける勇気は有りません。
煙突が倒れるのを見届けるつもりだと思います。その心境や如何ばかりか?居た堪れません。そそくさと退散します。
数ヶ月前に、北千住駅北側の「大黒湯」が解体されました。そしてここ「松の湯」です。ロシアのウクライナ侵攻で燃料費が上がりました。内湯を持つ家が殆どになりました。時代の流れとはいえ、残念です。そして切ないです。
在りし日の「松の湯」を記録に残します。