今場所は一人しか有りません。でも頑張っています。兄弟2人の分まで、なんて言ったらお涙頂戴物語になってしまいます。
夏場所前にこんな記事が出ていました。長男「若隆元」を取り巻く仲良し兄弟の話です。最初に頭角を表したのは3男「若隆景」でした。早口言葉が言い辛いなんて事も話題になりました。今場所は怪我で休場していますが、優勝経験者であって、私の大関候補です。次に頭角を表したのは、2男「若元春」です。若隆景より一回り体があって、案外やります。新たな大関候補です。
さて、戦国時代の毛利三兄弟の長男がこの3兄弟の長男に似ているらしいのです。家族思いで、気遣いができて、人望が厚かったらしいです。半面、自分に自信がなかったのでしょうか。できの良い2人の弟、「元春」と「隆景」に劣等感を抱いていたらしいです。そんな兄弟の話です。
そもそも誰がこの四股名を付けたのでしょうか?前親方の元小結大豊だそうです。母方の祖父が元小結で、父は幕下という素材に対して、毛利三兄弟を当て嵌めたのでしょうね。
3兄弟が所属する「荒汐部屋」は、隅田川以東に多い相撲部屋と違って、隅田川を渡った日本橋に在ります。
現親方は中国出身の元前頭二枚目「蒼国来」です。かつて角界を震撼させた八百長事件で彼も引退勧告を受けました。しかし彼は国技館界隈に立って、無実を訴えるビラを配りました。私も貰ったことがあります。そしてとうとう裁判によって無罪を勝ち取ったのです。そんな彼を、前親方は自分の後継者に指名したのです。若隆景・若元春を関取に育てて、かつ大関候補にまで育てたのは蒼国来です。3兄弟の絆だけでなく、親方2人の絆が成し得た出世物語です。
現親方はアイデアマンでもあります。引継いだ部屋を改造して、稽古場をガラス張りにしました。こうすることでいつも一般人に見られている稽古を行っています。常に本割を意識した体制です。私の知る限り、こんなガラス張りの土俵で稽古しているのは、ここ荒汐部屋だけです。
一方、部屋の飾り付けは前親方時代のまんまです。義理堅い人です。
さて、今場所の長男「隆元」の成績や如何?弟2人の大関取りと合わせて、角界初の「3兄弟同時関取」の誕生成るか?
優しいお兄ちゃんにプレッシャーを与えないように見守ります。