写真1 アコウ。2本の幹に気根。お化けのよう。樹齢約1,000年。鹿児島市指定保存樹
写真2 枝葉を伸ばすアコウ。海辺の崖上に約1,000年。左方は錦江湾。右に、樹齢約1,000年の保存樹と記すT字型標識
写真3 西に傾く陽を遮るアコウ。小さな社と避難小屋が見える
写真4 火山灰をかぶるアコウの果実。イチジクの果実に似る
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1.よくぞ千年、火の島に
1955年頃、小学校入学前後の東桜島町、私の記憶にある木はタブノキ(椨)、アコウ、楠
枝張りや樹高、幹周りの姿に魅かれた
我々はタブノキをタッノッと呼んでいた
それから約60年後の2013年、記憶にある木々は現存
その一つが写真1~写真4のアコウ
なんと、樹齢千年
このアコウは東桜島特定郵便局(当時)近くにある
局に勤める叔父や叔母を訪ねるとき見た
また局隣りの友だちと根っこ・幹周りで遊んだ
2.アコウコバチと共生
植物は花粉を昆虫や風、水など様々な媒体で運び種子をつける
ところが、アコウは唯一、アコウコバチだけに運んでもらう
アコウコバチはアコウの果実の中で成長し、交尾
雌だけが花粉をまとい外へ出て、新しい果実を見つけて中へ入り、卵を雌花に産みつける
雌花は花粉をつけられ種子となる
アコウコバチの雄は外へ出ず、交尾を終えると死ぬ
学名:Ficus superba var. japonica クワ科イチジク属
引用・参考文献等:大谷達也著「締め殺し木アコウの生活史」(『九州の森と林業』No.78・1-3頁・(独)森林総合研究所九州支所・2006年12月)
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:2013年02月11日 撮影地:鹿児島市東桜島町