写真1 土盛り土堤アゼ 稲の生長とともにアゼには草が生える 2013/04/13 加須市柏戸
写真2 写真3 写真4
写真2 大谷石のアゼ 2009/06/20 下野市
写真3 土盛り土堤アゼをジャノヒゲで被覆 2008/07/06 下野市
写真4 土盛り土堤アゼをビニールシートで被覆 2009/06/20 下野市
写真5 写真6 写真7
写真5 土堤アゼをビニールシートで被覆 2014/03/23 久喜市
写真6 土盛り土堤アゼを波状塩化ビニールで被覆 2014/04/27 久喜市
写真7 小型コンクリートブロックの境界アゼ 2014/03/16 幸手市
写真8 写真9
写真8 コンクリートブロックの境界アゼ 2008/04/26 下野市
写真9 土堤をビニールシートで被覆 2013/05/05 久喜市
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2015年01月11日、アゼ・畦畔の際を整える男性を見聞撮(弊ブログ2015年01月19日。アゼをクロと呼ぶ地域もある。)
その場を離れて頭に浮かんだのはアゼの造り方、少々地域性がある
そもそもアゼとは何か、先達は次のように定義(文献等1・注1)
アゼとは①区画境界の明示、②耕土・肥料の流出防止、③肥培管理の小道、④田の湛水などの機能を発揮して
「耕地の生産力を維持し、耕地を保護し、その管理労働を便利にするための人工的な設備」
なるほど、4つの機能を十分に果たすのが生産力の高いアゼ
たとえば、10aあたり550kgと600kgの収量差要因の一つにアゼがあるとも考えられる
今日、田の多くは改良され、整然と長方形に区画されている
いわゆる土地改良・圃場整備がなされ、4つの機能を完遂できるアゼが備わった
なかには、土堤アゼから水漏れの田があるけれども(弊ブログ2011年07月06日)
さて、アゼの造り方
筆者の里みち歩き定路の一つは、一部に平坦水田部、大谷石産地が数拾km先
土盛り土堤が多いなか、大谷石を並べるアゼがある(写真2)
グランドカバープランツのジャノヒゲに覆われた土盛り土堤アゼがある(写真3)
他に、ビニールシートの土盛りアゼや土堤アゼ、コンクリートブロックの境界アゼ
アゼの造り方は様々
文献等1
畦畔の機能には次の4つがある<児島俊弘「田・畦畔の定義-農業センサスにおける田の定義の歴史的変化-」『農業総合研究』12巻1号(1958年)184頁。原典:藤井俊治「畦畔について」『国のいしずえ』第60号・第61号>
①田畑区画の境界を明らかにする
②田畑の耕土や肥料分の流出を防止する
③田畑の肥培管理の場合、小道路として利用される
④田では、一定の深さの水を湛えるという重要な役割をもつ
この4つの機能を児島氏は次のように要約(184頁)
畦畔は「耕地の生産力を維持し、さらに場合によってはそれを高めるための労働を支える作用をになう設備」
「畦畔が耕地の生産力維持の機能を果たす」ので「畦畔は耕地の構成要素である」
如上から「畦畔は、耕地の生産力を維持し、耕地を保護し、その管理労働を便利にするための人工的な設備」
注1 田とアゼには次の課題がある。ここでは採り上げない。
ア.田とは何か、田の本質規定には利用主義と形態主義がある(前掲書179-182頁)。
利用主義:灌漑(水路)と湛水(畦畔)の人工設備を、現実に栽培されている作物が必要としているか否か。
必要とすれば、その耕地は田
形態主義:灌漑(水路)と湛水(畦畔)の人工設備を、現実に栽培されている作物が必要としているか否かを問わない。
必要としない梨が栽培されていても、その人工設備を備えていれば田
イ.アゼ面積を田畑面積に算入するか否か、算入の場合、どの程度算入するか
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日・撮影地: 写真に記す