愛労連榑松事務局長のブログです。
ベトナム人研修生問題についてのご報告
5月に受け入れ企業の不正によって、研修・実習が中断されていたベトナム人研修生たち
(約100人)の受け入れ先が全て確保されたという連絡を協同組合から受けました。5月に
は「9月10日までに新たな研修先が見つからなければ帰国させられる」と言われていまし
たが、これで全員が日本に残ることができます。ビザの更新手続きにはまだ若干時間がか
かるようですが「9月10日までに申請すればよい」とのことで全員をすませたとのことで
した。
まずは支援いただいたみなさんに感謝いたします。
緊急支援アピール、記者会見、お米支援、JITCO本部要請など、さまざまなみなさん
に協力いただきました。このことが研修生達を一人も失踪させることなく、解決までつな
ぐことができたと思います。中には愛知県を離れることになった研修生もいます。協同組
合、JITCO、関係機関、そしてマスコミの皆さまにもたくさんのお願い(要求)をさ
せていただき、骨を折ってもらいました。これも感謝です。愛労連は5月の連休明けに1
名の研修生からの連絡をうけ、その後これが全体では200名にもおよぶ問題だということ
がわかってきました。国内での研修生の実態だけでなく、ベトナム国内の事情、送り出し
機関の実態など単純に解決できない問題を知ってきました。さまざまな問題はありました
が、「日本で仕事を続けたい」という研修生達の要望を第一に優先してきました。当面の
生活のために農家からカンパいただいたお米を配ったり、JITCO本部の協力も得て全員の
受け入れ先を確保することを最後まで続けてきました。
言葉の問題や日本での手続きがわからない研修生達からは不安の声や疑問がしょっちゅう
届きましたが、話し合いを重ねる中で大きな混乱がなく今日を迎えることができました。
研修生達もずいぶん我慢を強いられたと思います。
報告をかねて「激励のつどい」を開催します。ぜひご参加ください。
「ベトナム人研修生激励のつどい」
9月30日(日)午後2時から 労働会館東館2Fホール
簡単な菓子、飲み物用意します。(カンパ歓迎)
この事件への関わりをきっかけにしてその後も別の研修生から相談が来るようになりまし
た。茨城からは「9人が失踪した」「研修生なのに派遣で名古屋で働いたことがある」と
いう相談があり、茨城労連に連絡して解決させました。県内では豊田、春日井、小牧の研
修生から最賃違反、セクハラなどの相談がありました。
この制度自体に欠陥があることは誰もが認めています。「研修制度」の見直しも言われて
います。しかし、一年目から労働基準法を適用したとしても、「不法行為」を告発した場
合に保護する仕組みがなければ不法はやり放題です。「受け入れ停止」処分だけでは「帰
国させるぞ」との脅しが続く限り「奴隷状態」はなくなりません。
また研修生たちはベトナム国内でも年収の数倍の借金をして、合法・不法な保証金・仲介
料を払ってきています。研修生達は日本で不正を告発したり、労働組合に相談したことを
もって帰国後に保証金の全額返還を拒否されることを心配しています。今回の事件でもベ
トナムの家族には日本企業の不正があったことは説明されず、「失踪が多い」という説明
がされました。逆に「脅し」と思われることがありました。
そんななかベトナム国内に事実を知らせるためブログの記事をベトナム語に訳して掲載し
てくれる方もあらわれました。送り出し機関が不当な行為を行った場合には「入管だけで
なく外務省に通報することも重要」という助言もいただきました。
「日本一元気な愛知」でもこのような問題が続く背景にはトヨタなど大企業のめちゃく
ちゃな下請け単価削減があります。従業員10人程度の小企業でも最高9人までの研修生・
実習生を働かせることができます。時給300円とか600円で残業させて、やっと会社をまわ
している企業もあります。最賃違反や人権を無視する不法行為は許せませんが、油まみれ
になって働く中小企業労働者の実態をみると「そんな(不正をはたらく)会社はつぶして
しまえ」とは言えません。そこで働く労働者と家族のくらしがあるからです。中小下請け
企業が最低賃金を払えるような下請け単価の引き上げが必要です。
またこの間には長勢法相が事業組合からカネをもらっていたことも明らかになりました。
外国人研修生を食いものにする団体から入管の責任者がカネを受け取るなど許されること
ではありません。-
愛労連はこれからも外国人研修生の支援を続けます。
参照 ブログ「ベトナム人研修生支援」
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/
ベトナム人研修生問題についてのご報告
5月に受け入れ企業の不正によって、研修・実習が中断されていたベトナム人研修生たち
(約100人)の受け入れ先が全て確保されたという連絡を協同組合から受けました。5月に
は「9月10日までに新たな研修先が見つからなければ帰国させられる」と言われていまし
たが、これで全員が日本に残ることができます。ビザの更新手続きにはまだ若干時間がか
かるようですが「9月10日までに申請すればよい」とのことで全員をすませたとのことで
した。
まずは支援いただいたみなさんに感謝いたします。
緊急支援アピール、記者会見、お米支援、JITCO本部要請など、さまざまなみなさん
に協力いただきました。このことが研修生達を一人も失踪させることなく、解決までつな
ぐことができたと思います。中には愛知県を離れることになった研修生もいます。協同組
合、JITCO、関係機関、そしてマスコミの皆さまにもたくさんのお願い(要求)をさ
せていただき、骨を折ってもらいました。これも感謝です。愛労連は5月の連休明けに1
名の研修生からの連絡をうけ、その後これが全体では200名にもおよぶ問題だということ
がわかってきました。国内での研修生の実態だけでなく、ベトナム国内の事情、送り出し
機関の実態など単純に解決できない問題を知ってきました。さまざまな問題はありました
が、「日本で仕事を続けたい」という研修生達の要望を第一に優先してきました。当面の
生活のために農家からカンパいただいたお米を配ったり、JITCO本部の協力も得て全員の
受け入れ先を確保することを最後まで続けてきました。
言葉の問題や日本での手続きがわからない研修生達からは不安の声や疑問がしょっちゅう
届きましたが、話し合いを重ねる中で大きな混乱がなく今日を迎えることができました。
研修生達もずいぶん我慢を強いられたと思います。
報告をかねて「激励のつどい」を開催します。ぜひご参加ください。
「ベトナム人研修生激励のつどい」
9月30日(日)午後2時から 労働会館東館2Fホール
簡単な菓子、飲み物用意します。(カンパ歓迎)
この事件への関わりをきっかけにしてその後も別の研修生から相談が来るようになりまし
た。茨城からは「9人が失踪した」「研修生なのに派遣で名古屋で働いたことがある」と
いう相談があり、茨城労連に連絡して解決させました。県内では豊田、春日井、小牧の研
修生から最賃違反、セクハラなどの相談がありました。
この制度自体に欠陥があることは誰もが認めています。「研修制度」の見直しも言われて
います。しかし、一年目から労働基準法を適用したとしても、「不法行為」を告発した場
合に保護する仕組みがなければ不法はやり放題です。「受け入れ停止」処分だけでは「帰
国させるぞ」との脅しが続く限り「奴隷状態」はなくなりません。
また研修生たちはベトナム国内でも年収の数倍の借金をして、合法・不法な保証金・仲介
料を払ってきています。研修生達は日本で不正を告発したり、労働組合に相談したことを
もって帰国後に保証金の全額返還を拒否されることを心配しています。今回の事件でもベ
トナムの家族には日本企業の不正があったことは説明されず、「失踪が多い」という説明
がされました。逆に「脅し」と思われることがありました。
そんななかベトナム国内に事実を知らせるためブログの記事をベトナム語に訳して掲載し
てくれる方もあらわれました。送り出し機関が不当な行為を行った場合には「入管だけで
なく外務省に通報することも重要」という助言もいただきました。
「日本一元気な愛知」でもこのような問題が続く背景にはトヨタなど大企業のめちゃく
ちゃな下請け単価削減があります。従業員10人程度の小企業でも最高9人までの研修生・
実習生を働かせることができます。時給300円とか600円で残業させて、やっと会社をまわ
している企業もあります。最賃違反や人権を無視する不法行為は許せませんが、油まみれ
になって働く中小企業労働者の実態をみると「そんな(不正をはたらく)会社はつぶして
しまえ」とは言えません。そこで働く労働者と家族のくらしがあるからです。中小下請け
企業が最低賃金を払えるような下請け単価の引き上げが必要です。
またこの間には長勢法相が事業組合からカネをもらっていたことも明らかになりました。
外国人研修生を食いものにする団体から入管の責任者がカネを受け取るなど許されること
ではありません。-
愛労連はこれからも外国人研修生の支援を続けます。
参照 ブログ「ベトナム人研修生支援」
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/