全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

ベトナム人研修生問題 2

2007年09月11日 08時40分59秒 | Weblog
愛労連榑松事務局長のブログです。

ベトナム人研修生問題についてのご報告
5月に受け入れ企業の不正によって、研修・実習が中断されていたベトナム人研修生たち
(約100人)の受け入れ先が全て確保されたという連絡を協同組合から受けました。5月に
は「9月10日までに新たな研修先が見つからなければ帰国させられる」と言われていまし
たが、これで全員が日本に残ることができます。ビザの更新手続きにはまだ若干時間がか
かるようですが「9月10日までに申請すればよい」とのことで全員をすませたとのことで
した。

まずは支援いただいたみなさんに感謝いたします。
緊急支援アピール、記者会見、お米支援、JITCO本部要請など、さまざまなみなさん
に協力いただきました。このことが研修生達を一人も失踪させることなく、解決までつな
ぐことができたと思います。中には愛知県を離れることになった研修生もいます。協同組
合、JITCO、関係機関、そしてマスコミの皆さまにもたくさんのお願い(要求)をさ
せていただき、骨を折ってもらいました。これも感謝です。愛労連は5月の連休明けに1
名の研修生からの連絡をうけ、その後これが全体では200名にもおよぶ問題だということ
がわかってきました。国内での研修生の実態だけでなく、ベトナム国内の事情、送り出し
機関の実態など単純に解決できない問題を知ってきました。さまざまな問題はありました
が、「日本で仕事を続けたい」という研修生達の要望を第一に優先してきました。当面の
生活のために農家からカンパいただいたお米を配ったり、JITCO本部の協力も得て全員の
受け入れ先を確保することを最後まで続けてきました。
言葉の問題や日本での手続きがわからない研修生達からは不安の声や疑問がしょっちゅう
届きましたが、話し合いを重ねる中で大きな混乱がなく今日を迎えることができました。
研修生達もずいぶん我慢を強いられたと思います。

報告をかねて「激励のつどい」を開催します。ぜひご参加ください。


「ベトナム人研修生激励のつどい」
9月30日(日)午後2時から 労働会館東館2Fホール 
簡単な菓子、飲み物用意します。(カンパ歓迎)


この事件への関わりをきっかけにしてその後も別の研修生から相談が来るようになりまし
た。茨城からは「9人が失踪した」「研修生なのに派遣で名古屋で働いたことがある」と
いう相談があり、茨城労連に連絡して解決させました。県内では豊田、春日井、小牧の研
修生から最賃違反、セクハラなどの相談がありました。

この制度自体に欠陥があることは誰もが認めています。「研修制度」の見直しも言われて
います。しかし、一年目から労働基準法を適用したとしても、「不法行為」を告発した場
合に保護する仕組みがなければ不法はやり放題です。「受け入れ停止」処分だけでは「帰
国させるぞ」との脅しが続く限り「奴隷状態」はなくなりません。

また研修生たちはベトナム国内でも年収の数倍の借金をして、合法・不法な保証金・仲介
料を払ってきています。研修生達は日本で不正を告発したり、労働組合に相談したことを
もって帰国後に保証金の全額返還を拒否されることを心配しています。今回の事件でもベ
トナムの家族には日本企業の不正があったことは説明されず、「失踪が多い」という説明
がされました。逆に「脅し」と思われることがありました。

そんななかベトナム国内に事実を知らせるためブログの記事をベトナム語に訳して掲載し
てくれる方もあらわれました。送り出し機関が不当な行為を行った場合には「入管だけで
なく外務省に通報することも重要」という助言もいただきました。

「日本一元気な愛知」でもこのような問題が続く背景にはトヨタなど大企業のめちゃく
ちゃな下請け単価削減があります。従業員10人程度の小企業でも最高9人までの研修生・
実習生を働かせることができます。時給300円とか600円で残業させて、やっと会社をまわ
している企業もあります。最賃違反や人権を無視する不法行為は許せませんが、油まみれ
になって働く中小企業労働者の実態をみると「そんな(不正をはたらく)会社はつぶして
しまえ」とは言えません。そこで働く労働者と家族のくらしがあるからです。中小下請け
企業が最低賃金を払えるような下請け単価の引き上げが必要です。

またこの間には長勢法相が事業組合からカネをもらっていたことも明らかになりました。
外国人研修生を食いものにする団体から入管の責任者がカネを受け取るなど許されること
ではありません。-

愛労連はこれからも外国人研修生の支援を続けます。

参照 ブログ「ベトナム人研修生支援」
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/

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ベトナム人研修生問題 1

2007年09月11日 08時37分24秒 | Weblog
 ふれあいユニオンの酒井さんからのものです。
トヨタ系協同組合:研修生100人の受入れ先決定
――TMC問題に絡み、「研修」打ち切り――
http://imadegawa.exblog.jp/6320165/

■一時は強制帰国の危機も
豊田技術交流事業協同組合で働いてきたベトナム人「研修生・実習生」約100人の受け入
れ先が、ようやく全員決定したとの報告が入った。これは、愛労連をはじめとする支援団
体の強力な働きかけの結果である。

もともと豊田技術交流事業協同組合は、トヨタの下請企業でつくる外国人「研修生・実習
生」の受け入れ機関であった。だが、加盟企業のTMCにおいて、労働者性が認められて
いる実習生にも最低賃金すら支払わない、セクハラ・パワハラ・差別的言動などの劣悪な
職場環境が明らかとなり、協同組合は「研修生・実習生」の受け入れ資格を喪失してし
まったのである。

弱ったのは、そこで働いていたその他100人の「研修生・実習生」たちであった。3年間
働けるものと思っていた「研修・実習」が突如として打ち切られてしまったのである。入
管は、協同組合が9月10日までに受入れ先が見つけてこなかった場合、「研修生」・「実
習生」らの強制帰国に踏み切ると通告してきた。まったく筋違いな話である。

ベトナム人「研修生」・「実習生」らは、「3年間日本で働けば必ず返せる」と言われ、
送り出し機関に百数十万円の保証金・紹介料を借金し、日本に「研修」にやってきた。そ
れはベトナムの数年分の年収に相当する金額であるという。ここで強制帰国の憂き目にあ
えば、ただ莫大な借金だけが残る結果となってしまう。

僕は、勇気を持ってTMCの不正を明らかにしたベトナム人実習生6人を支える会のメン
バーとして、この問題に無関心でいることはできなかった。「ベトナム人研修生への支援
を求める緊急アピール」に賛同し、本件の解決を求めてきた。

研修生約100人全員の受入れ先の決定と強制帰国の阻止とについて、心から喜びを分かち
合いたい。


  
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トヨタ愛知本社行動の報告

2007年09月11日 08時34分32秒 | Weblog
9月10日はご苦労様でした。Oidonさんからの報告です。


 反トヨタ世界キャンペーンの一環として、10日早朝5時半よりトヨタの上郷、三好、
元町の3つの工場へビラ入れとフィリピントヨタ労組による本社への申入れ行動の情宣が
行われた。この情宣部隊は前夜の「豊田地区フィリピントヨタ労組連帯交流集会」終了後
に各宿泊所に泊まり、午前4時半に起床し、各工場に出向いた。連続2交替勤務で朝6時
半からの仕事に就くため、続々と途切れなく工場へ向かう労働者は休み明け初日の勤務の
ためか、これから始まるきつい仕事を思ってか、憂鬱そうな顔をしている人が多いように
感じた。ビラの受け取りも工場ごとでだいぶ違い、6割以上の労働者がビラを受け取る工
場もあれば、1割以下の工場もあった。
 各工場での情宣を終え、本社工場に場所を移り、7時半より4ヶ所の通用口と愛知環状
鉄道線の三河豊田駅頭でビラ入れ情宣を行った。本社のためかビラの受け取りは極端に悪
くなった。うつむき加減で目をそらし、通勤する人が多い。
 9時より本社前に全員が結集し、60名で抗議集会と申入れが行われた。フィリピント
ヨタ労組ヴェル書記長はフィリピントヨタ社は最高裁判決、国際機関ILO勧告にも従っ
ていない。逆に御用組合を作り、でっち上げの労働協約を結び、われわれの闘いを妨害し
ている。われわれの要請を日本のトヨタ社が受け入れ。解雇撤回、職場復帰を実現したい
と述べた。フィリピン日産労組ロデル副委員長も日産でも同じようなことが行われている
ことを述べた。
 そして、ヴェル書記長、支援する会の小嶋事務局長等6名の交渉団が本社内へ入った。
交渉終了後集会に戻った小嶋事務局長は、トヨタは「現地のことは現地で」という従来通
りの態度のままで変わらない、また「現地の司法手続き(高裁判断)に従う」と述べたと
報告した。参加者の怒りをこめたシュプレヒコールが本社へこだまし、行動を終了した。
 トヨタはその企業の基本理念の第一番目に「内外の法およびその精神を遵守し、オープ
ンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす。」と言って
いるが、フィリピンでは法を守ろうとしないし、フェアな企業活動をしていない。今年、
生産台数がGMを抜いて世界一の自動車会社になるであろうトヨタは、自ら襟を正す必要
がある。

Oidon

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