総選挙前に法律家・研究者・文化人アピールが出されました。
全トヨタ労働組合も賛同します。
一朝一夕にして変えることはできないけど、政権交代を実現して国民・労働者の政策を実行できる政権を作りましょう。
呼びかけます。政治を変える一票を!投票に行こう!
市民と立憲野党の共闘で政権交代をめざす法律家・研究者・文化人アピール
今月14日、岸田内閣は衆議院を解散しました。19日公示、31日投開票となる総選挙は、長きにわたって続いた安倍・菅自公政治からの転換を図るかどうかが重大な争点になります。
先月、自民党は総裁選を行い、支持率の低下した菅前首相を立候補させず、岸田新総裁を誕生させました。総裁戦後に岸田氏は、「生まれ変わった自民党を国民に示す」と語りましたが、その後半月ほどの経過を見れば、「生まれ変わった」どころか、いくら看板を掛け替えても自民党政権が続く限り、政治の転換は図れないことが明白になってきています。
「格差是正」を掲げた「新しい資本主義」のスローガンは、「分配なくして成長なし」がいつの間にか「成長なくして分配なし」にすり替わり、アベノミクスの言い換えにすぎないことが明らかとなりました。国民の7割が賛成する選択的夫婦別姓の検討は、自民党の選挙公約から消え、森友公文書改ざんの再調査もせず、菅政治を象徴する日本学術会議の会員任命拒否についても、改める気がないと明言しています。岸田首相は、自分の特技は「人の話をよく聞くこと」と言いますが、国民の声を聞く気がないことは明らかでしょう。
安倍・菅政治の9年弱の間に、日本の立憲主義・民主主義・平和主義は大きく傷つけられました。歴代自民党内閣が違憲としてきた集団的自衛権の行使を一片の閣議決定により「合憲」化し、都合が悪くなれば公文書を改ざん、責任を追及されても説明しない、人事権を振り回して官僚をコントロールするなど、国民の幸せのためにあるはずの政治が、ごく一部の政権中枢にある人たちに私物化されてしまいました。一方で、猛威をふるう新型コロナウイルス感染症に対しては、GOTOキャンペーンやアベノマスク、五輪の強行に見られるように、有効な手立てが打てないばかりか、感染を拡大させる悪手を続け、その間に多くの国民の命や健康が奪われるという事態を招いてきました。
今こそ私たちは、憲法を尊重し擁護する立場から、国民の命と暮らしをまもる政治、人として誰もがもっている尊厳と個性を大切にする政治、国民に情報を公開し、国会を開くとともに説明責任を果たす、そんな当たり前の政治を求めます。そのためには、自公による政治からの根本的転換、すなわち立憲野党への政権交代が必要です。小選挙区制を中心とする現在の選挙制度を前提とする以上、各選挙区で与党候補に対抗しうる立憲野党の候補者を擁立し、それを支える市民との間で、憲法に立脚した政策合意を結ぶことが大切だと考えます。国民の命と暮らしを大切にする政治へと転換するために、いま優先しなければならないことは何なのか、すべての皆さんが真摯に考え、行動して下さるよう、強く訴えるものです。
2021年10月15日
呼びかけ人(五十音順):飯島滋明(名古屋学院大学)、大脇雅子(弁護士)、小野万里子(弁護士)、
田巻紘子(弁護士)、中谷雄二(弁護士)、本 秀紀(名古屋大学)