アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ジンチョウゲ - 春を待つ

2021-01-09 17:22:49 | みんなの花図鑑

ときに 花よりつぼみのほうが可愛いこともあります。いや、たいていの花はそうかな?



沈丁花という名前は、香木の沈香のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられた。(wiki 「ジンチョウゲ」)

チョウジ - 花蕾と発育中の果実(From Wikimedia Commons, the free media repository)




「つぼみは濃紅色であるが、開いた花は淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。」(wiki「ジンチョウゲ」)




「春の沈丁花、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます」(LOVEGREEN「沈丁花(ジンチョウゲ)の花言葉」)




名札には「キバナジンチョウゲ」としてありました。
GKZ 植物事典によれば、キバナジンチョウゲは「和名 ナニワズ で、和名の語源は牧野富太郎博士によれば、オニシバリを長野地方の方言で「ナニワズ」と呼んでいたが、やがて、長野出身の人々が北海道に入植した後に、本種を目にし「ナニワズ」と呼んだことからと説明している。」とあります。

ガーベラ5 - 帯化は美しいか

2021-01-09 11:01:12 | みんなの花図鑑

ガーベラばかり5回も特集してきました。これで終わりにします。
今回のテーマは「歪(いびつ)なことは美しいか?」です。
なにが いびつかというと 上の花の中心の筒状花の形状です。ふつうガーベラといったら 中心の筒状花の集団、ヒマワリのように 丸いですよね?



それが この花のように いびつになってるのです。今回のガーベラ特集の花はすべて西尾市憩の農園で撮ったものですが(そして これは 「ガーベラ2」で取り上げた花ですが)このように中心がいびつな形をしているのは けっこうあるんです。売り場に置いてあるんだから、売り物としての価値はあるということなんでしょうが・・・
実はこれ「帯化」といって一種の奇形なんです。




私がはじめて「帯化」ということばを知ったのは この草を見たときでした。これは オオマツヨイグサなんですが、成長の途中で「植物の茎頂にある成長点で、頂端分裂組織に異常が生じることで起こり、茎や根、果実、花などが垂直に伸長したり、リボン状に平坦になるといった外見的な変形が見られる。」(wiki「帯化」)という現象です。

販売されているデージーやガーベラなどの苗は高確率で帯化します。ホームセンターなどで販売されている苗は、おそらく植物ホルモンが与えられているのでしょう、その影響で帯化しやすいようです。 ホームセンターの苗の中にはほぼ必ず、帯化品が混ざっています。(観葉植物 育て方 Q&A「帯化について。意図的にこの奇形植物は栽培できる?」)



まあそういうことなので、これを美的に面白いとみるか、病的と見るかは置いておいて、よくある現象だと了解して 以下 その花の筒状花の観察に入りたいと思います(@_@)




最終回なので、これまでの観察のおさらいになりますが、花の中心の筒状花の集団は外延部の小花から開花していきます。
手前がつぼみ、奥が 開花して雄性期の小花。



上の画像の一部をトリミングして見ました。
ガーベラの筒状花の花弁は 星形の5角形ではなく リボンのような双葉状のものだということが 今回一番の発見でした (^_-)-☆
リボン状の花弁の中から立ち上がっているのは 雄しべ筒。雄しべ筒の頭に花粉が載ってますが、これは 雄しべが自分で上に出したのではなく めしべ棒が筒の中の花粉を押し上げて出したものだということを知りました。




別の花ですが、ほぼ同じ時期(雄性期)の筒状花です。




さらに別の花ですが、この花では 花弁から雄しべ筒が立ち上がっているのは3本だけです。
3本の雄性期の後ろに 白い長い棒が林立していますが、これが同じ筒状花の雌しべの花柱なのです。




雌性期に入った小花の部分にピントを合わせてみました。
花柱の頭にあるのは 文字通り「柱頭」ですが、これまで見たように ガーベラの柱頭は 工具のスパナのような形をしていました。

なので、上のいびつな筒状花の柱頭も この先さらに成熟して スパナのようになるのだと思いますが・・・
ひょっとしたら 帯化した花のめしべは 柱頭にも成長阻害がおきて スパナ状にならずにこのまま終わってしまうのかもしれません。

またまだ分からないことだらけです・・・ "("""