アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ラナンキュラスか ハナキンポウゲか

2021-01-23 18:00:00 | みんなの花図鑑

道の駅の園芸コーナーに こんなかわいい鉢植えの花がおいてありました。




私は 園芸品種の花の名前にとんと弱いので、この花の名前が分かりません。
すぐさま スマホを出して Google Lens で検索しました。
第一候補の「ハナキンポウゲ」がそっくりなので、この名前で納得しました。




ところが 翌日JA産直に行ったら、園芸コーナーにやはりこの花が置いてあり、今度は「ラナンキュラス」と札に手書きしてあるではありませんか ><
で、再度 Google Lens で確認しますが・・・

・・・Google Lensの答えは やはり 「ハナキンポウゲ」です。





ウィキペディアを検索してみると 「ハナキンポウゲ」という項はありますが「ラナンキュラス」というアイテムはありません。そのかわり「ラナンキュラス属」という項はあります。

どうやら、最初「ラナンキュラス」で掲載された記事が 下の「ノート」にあるような理由で「ハナキンポウゲ」に修正されたようなのです:





「属名のラナンキュラスは、ラテン語で「小さいカエル」を意味し、これは本属の植物に多く見られる菊葉と呼ばれる形状の葉を小さなカエルの足に見立てたことに由来。またタガラシなどのように水辺や湿地を好む種も多く生育域でもカエルと重複するものも多い」(wiki 「ハナキンポウゲ」)




「バラの八重咲品種に似た花を咲かせるものを園芸面ではバラ咲きなどと呼ぶがラナンキュラスのバラ咲き品種は他の園芸植物のそれとは一目置かれたような存在となっており、本家のバラの方に「まるでラナンキュラスの花のようである」とされ「ラナンキュラ」という品種名を与えられた者が存在する。」(同上)

面白い \(^o^)/




ヒイラギナンテン’チャリティー’ ‐ 移動するおしべ2

2021-01-23 10:17:34 | みんなの花図鑑

これは 西洋ヒイラギナンテン とか、’マホニア・チャリティー’ とかの名前でも出回っています。冬 一番元気な黄色い花です。



デンパークの樹名板には 「ヒイラギナンテン ’チャリティー’」となっていましたので、タイトルもそれを使用しました。
学名は Mahonia x media。
学名の 真ん中の「x」は交雑種であることを表しています。
ヒイラギナンテン Mahonia japonica と ニイタカヒイラギナンテンMahonia oiwakensis subsp. lomariifolia (previously known as Mahonia lomariifolia) の種間交雑種であるマホニア・メディアのいくつかある品種の一つ ということになります。(三河植物観察「ヒイラギナンテン・チャリティー」)




ひとつひとつは小さな花ですが、房咲きの花で、しかも上向きに咲くので豪華です(ヒイラギナンテンのほうは 葉の下に春先に咲きます)。




花は 花被片の中央に めしべがデ~ンと居座っています。おしべは?と見ると、花被片に張り付くように めしべから離れて傾斜しています。




直前の記事 「ロウバイ」で、めしべが先行して活動する(雌性先熟)ことを見ましたが、上の画像の めしべとおしべ群の位置関係は ちょうどロウバイの花の雌しべ活動期の 位置関係と同じで、おしべは めしべを避けるように離れて立っています。




なぜ 花の中心に めしべだけが居座っているかというと、他の花で 花粉を付けた昆虫が この花の蜜を吸うために止まったとき 虫の体に付いた花粉が とにもかくにも雌しべに授粉するように、という態勢をとっているのです。
ロウバイのばあいは 開花してから2,3日して おしべたちは めしべを包むように中央に集まってきました。




このヒイラギナンテンのばあいは、もっと進化しています。
訪花昆虫が めしべに止まって蜜を吸い(めしべ以外に停まるところはありません)花粉を柱頭につけた(たぶん めしべが揺れるのを感知して?)おしべたちは やおら起き上がりめしべのほうに近づくのです!

ロウバイ式システムのばあいは、めしべの受粉をする訪花昆虫と おしべの花粉を運ぶ訪花昆虫とは 別でしたが、
ヒイラギナンテンの方式では、めしべに他の花の花粉をつけた昆虫が 蜜を吸って飛び立つときには(いつの間にか まわりを取り囲んだおしべたちから) この花の花粉を体につけて 別の花に向かうことになります。

そのため、ロウバイのおしべは めしべを包み込むように成熟するので、花粉を出す葯は 外側を向いてあります。
ヒイラギナンテンのおしべたちは 花被片に密着しているときから成熟していて めしべに訪花昆虫が停まると その昆虫めがけて集まるので、花粉を出す葯は 内側を向いてあります。




こうして 効率よく?受粉しためしべは 子房を成熟させていきます。
青紫色の丸い実になるのは一ケ月後でしょうか?