
ニシキギの赤い実は11月にはついていたと思うのですが、ここ豊田安城自転車道のニシキギ並木では その実がまだついています。

ニシキギの果実の皮(果皮)は2つに割れ、中から赤い種子が2つ顔を出します。
これは 同属のコマユミも同じです。
では、ニシキギとコマユミとどこが違うのかというと、画像の左手に見えている枝の板状の「翼」です。これが付いているのがニシキギで、付いていないのを コマユミ と呼んでいるわけです。

種子は朱色の「仮種皮」に包まれています。

ニシキギもコマユミも紅葉がきれいなのですが、割と早く葉は落ちます。
ところが 種子のほうは 鳥が食べてくれるまで いつまでも枝にぶら下がっています。
果実が花柄を出している枝は ふつうの(断面が丸い)枝です。
なに? 断面が四角い「翼」のほうが気になるって??

ハイ、これが 「翼」です。材質は コルク質です。翼の機能ですが。。。 はっきりしていません(ToT)
上の画像のように 翼の非常に発達した株もあれば、あまり発達していないものまでニシキギの中でも変異が多く、「一種の奇形」ではないかと回答されている方がおられます。(植物Q&A「ニシキギの翼について」)
コルク層の発達が特に生存・繁殖にとって不利でも有利でもなかったため、いわゆる中立的変異として集団の中で振るまい、たまたま蓄積したのがニシキギだと思います。加えて、鑑賞価値が大変高いため、人為的に繁殖を助けられたこともあり、世の中に広く分布するようになったのでしょう。一般に生物の形態の進化は、用不用説で考えすぎない方が妥当です。とくにニシキギのように、人為的に庭植え用に大量生産されている種類の場合は、野外で見かけたとしても、その逸脱であることが多いので、必ずしも本当の野生とは限りません。(同上)