アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アニソドンテア - アオイ科のシベ

2021-08-07 18:31:43 | みんなの花図鑑

本日、幸田町憩いの農園にて。
見たことない花に遭遇 !
でも、ムクゲとヤノネボンテンカの花に似たところがあるので、アオイ科ではないかと直感 (^_-)-☆




ラベルがあって そこには
 四季咲き低木
 アンソドンテア
 ダラスピンク
とあったので、アンソドンテア ではなく アオイ科アニソドンテア属の花だと分かりました。

アニソドンテアの葉っぱはカエデのようなかわいい形でフチは少しギザギザしていて、枝から互生しています。
「不規則な鋸葉状の葉を持つことから、学名の Anisodontea はギリシャ語で不同の意味「aniso」と、歯の意味「odontos」という言葉が由来である。」





花シベは アオイ科特有の、おしべとめしべが組み合わさった構造をしています。
アニソドンテア属の雄しべの葯は 焦げて黒くなったような色をしています。
雄しべの花糸は束になってひとつの円筒になっています。
この雄しべの花糸筒の中を雌しべが貫通して抜け出た先で 柱頭を展開するのですが、タチアオイなどと同じで、おしべ活動期と雌しべ活動期が時間的にずれていて自家受粉を防いでいます。
上の画像の花で、右の花は おしべ期で、花柱は見えていません。
左の花は 先端にちょこんと赤い点が見えますが、これが おしべ筒の中を抜けてきた雌しべ(花柱)です。





こちらが おしべ期の花シベ。



これも同じく おしべ期です。





こちらが、おしべ筒の中を抜け出ためしべが柱頭を展開し始めたところです。



上に同じく 雌しべの柱頭が展開を始めた花シベです。




上の拡大図です。





柱頭が成熟した花シベです。



上の拡大図です。





トレニア - おしべとめしべ

2021-08-07 10:46:05 | みんなの花図鑑
トレニア

トレニアはインドシナ半島原産のゴマノハグサ科の花(草本)です。
公園などによく植えられている花ですが、花弁のグラデーションが美しい花です。




でも、私の関心は 相変わらず おしべとめしべ (´∀`)
左右から伸びているのが 長いほうの雄しべ一対です。(おしべは 下に もう一対あります)
中央で 唇を開いているのが 雌しべの柱頭です。




雌しべの柱頭は 今口を開けたような恰好をしていますが、ハチなどが触ると閉じます。




雄しべは 左右からアーチを作って 最終的にはくっついてしまいます。




この花は 長いほうの雄しべも 短いほうの雄しべも くっついているのがわかります。




くっつく理由はよくわかりませんが、ハチなどが花筒の奥にある蜜をなめようとするとどうしてもこのおしべのゲートをくぐらねばならないので、そのとき おしべの花粉が付きやすくなるという理由も考えられます。




ほかの花で花粉をつけたハチがこの花の中央の雌しべの柱頭に触れると花粉が柱頭につきます。
ハチが雌しべに触れると、雌しべの先が閉じます。花粉が乾燥しないように閉じるのだとも考えられています。花粉は雌しべから水分をもらってすぐに活動を始め、花粉管を伸ばします。花粉管は雌しべの中を伸びていきます。
ここから先は
NHK ミクロワールド 「トレニアの花 雌雄の出会い」
をご覧ください(^^♪





ノウゼンカズラ

さて、おしべが左右からアーチを作り、
雌しべの柱頭が 唇のように開いていて 虫が触ると閉じる花は ほかにもありました。
まず、このノウゼンカズラ (アメリカノウゼンカズラも同じ)。




花弁とおしべは基部でくっついていて、時期が来ると きれいさっぱり落下します。
ノウゼンカズラの萼は5裂、花弁も5裂。なのに おしべは 2対で4本しかない。。。のはおかしい 。調べてみると 上の画像のように 下のほうに 針のような5本目の雄しべが(退化して葯がありません)ありました (^_-)-☆






ウリクサ

これは アゼナ科の ウリクサ です。
とても小さいのですが、雄しべと雌しべの格好は トレニアやノウゼンカズラそっくりです。
アゼナ科というのは比較的新しい科で、「旧分類ではゴマノハグサ科に含められ、APGⅡ(2003年)ではオオバコ科に移されたが、APG III(2009年版)ではアゼナ科として独立」(三河の植物観察「アゼナ科」)したのです。
ウリクサは アゼナ科の ハナウリクサ属に属してます。
ハナウリクサとは トレニア のことだったのです (´∀`)