アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

斑入りキキョウ - 雄性先熟

2021-08-26 18:15:44 | みんなの花図鑑

幸田町憩の農園にて。
花弁が斑入りの園芸品種です。




並んで咲いていますが、時期が違います。
左は おしべが 雌しべ棒にくっついています。(前期雄性期)
右は おしべが花弁に倒れています。(後期雄性期)




雄性期(花粉準備期)。
おしべは雌しべの柱を覆うようにくっついています。雌しべ棒は上へ伸びるときおしべの花粉を棒にこすりつけます。




(同上)(雌しべ棒は 未成熟です)




雄性期(花粉放出期)。
雄しべそのものは花弁のほうに倒れています。
雌しべ棒は花粉まみれになっています。虫が来ると 雌しべ棒の花粉をまといます。




雌性期。
雌しべの柱頭が5つの割れて受粉を待っています。




ブーゲンビレア - オシロイバナ科

2021-08-26 08:01:15 | みんなの花図鑑

ブーゲンビレアはオシロイバナ科だったんですね、知らなかった(´∀`)




ブーゲンビレアは Bougainvillea からですが、wiki ではこれを ブーゲンビリア と読んでいます。
調べると
Bougainvillea の lle の 母音e の発音は
「日本語の「エ」と「イ」の中間の音。「エ」と「イ」を同時に言う感じで「イ」と発音する。」(bougainvilleaの発音記号と読み方)
とありました。



花の白い部分は 萼です。




黄色い部分は 葉の変化した苞葉(苞とも)です。




苞葉は普通、3枚の苞葉が1組で・・・




1つの苞葉に1つの花(萼)がつくようです。













ツユクサ - 苞葉

2021-08-25 19:43:13 | みんなの花図鑑

いつもこんな花の部分だけの写真を撮るので、何の花か、分からないと言われます。




なので今日は いちおう花の周囲を。
苞という葉の変化した器官に包まれて咲いています。
詳しく言うと
「花は葉に似た1個の苞(Flora of China のように総苞 involucral bracts とする見解と Flora of north America のように仏炎苞 spath とする見解がある) につつまれたさそり形花序 (扇状集散花序=cincinni ) につく。」(三河植物観察「ツユクサ」)




「苞内に普通、花序が2個つき、上側の末端花序 (distal cyme=proximal branch) は痕跡的で長さ6~8㎜程度の細い柄の先にまれに1~2個の雄花がつき、柄だけが棒状に残っていることも多い。苞内の下部の花序 (proximal cyme=distal branch ) に(1)3~4(6)個の花をつける。」(同上)








雄しべは3段になっていて、一番上は 虫の餌用の花粉をつけた仮雄しべ2個。
中間に逆Y字型の雄しべ1個。
一番下に O字型雄しべが2個。
O字型雄しべと同じ位置に 雌しべ1個。



















トウワタ - 蜜たっぷり

2021-08-25 08:11:14 | みんなの花図鑑

トウワタ(唐綿)は 今はキョウチクトウ科ですが、以前は ガガイモ科でした。
ガガイモ科だけでも約250属2700種もある大きな科なので、キョウチクトウ科の傘下に入っても、ガガイモ亜科として半分独立しています。
見方によっては、少女がダンスしてるように見えます(^^♪




トウワタ属 は Asclepias で、ここから アスクレピアス と呼ばれます。





学名は Asclepias curassavica で、カナ表記では「アスクレピアス・クラサヴィカ」と呼ばれています。
「葉は対生、萼は5裂(後出)、花冠は濃橙紅色で5深裂し、裂片は反転。」(続・樹の散歩道「奇妙なトウワタの花の観察」)




「雄しべは花冠基部にあり、花糸は癒合して筒状になる。雄しべと雌しべは合体して蕊柱(ずいちゅう)を形成。」(同上)




この蕊柱(ずいちゅう)の雄しべの根元に 蜜があふれているのです。
「濃黄色の副花冠は蜜を貯めるカップ状の裂片 cup とカップ内側の角状の突起 horn で構成され、雄しべの背面につける。
」(同上)



「ガイドレール guide rail は隣り合った葯の翼で形成されるすき間で、チョウの脚が下から入って上にスライドし、花粉器のクリップ clip に引っ掛かって花粉塊が引き出されて運ばれるという。」(同上)

うす紫のチャイニーズハット

2021-08-24 18:00:00 | みんなの花図鑑
ホルムショルディア・テッテンシス

こちらは きょう出合ったチャイニーズハットです。
チャイニーズハットの本名は ホルムショルディア(Holmskioldia)で、こちらは ホルムショルディア・テッテンシス〔H. tettensis )になります。




ピンクの部分が萼で、花冠はブルーの部分です。




花冠とおしべが早くも脱落しようとしています。




ホルムショルディア・テッテンシスは熱帯アフリカ原産で、主な開花期は夏です。(ヤサシイエンゲイ)




雄しべ4本、雌しべ1本のようです。






ホルムショルディア・サンギネア

ホルムショルディアには 赤色の種類もあります。
前のテッテンシスの花期が 夏だったのに対し、こちらは秋から冬が開花期です。




こちらは インド・ヒマラヤ原産で、お皿のような形をした赤色(オレンジ色)の萼の格好から チャイニーズハットの俗名がうまれたようです。






タケニグサ - 雑草と言われてますが (´v_v`)

2021-08-24 12:08:12 | みんなの花図鑑

タケニグサは「ケシ科の多年草で日当たりのよい草原、空地などによく見られる雑草である。」
(wiki 「タケニグサ」)
って、私は この草を施設以外では見たことがありませんが・・・




初めて見たのは 愛知県緑化センターのロックガーデンでした。
今日の画像は 安城デンパークのタケニグサ(と思われる)草本です。




下のほうに特徴的な葉が伸びています。
「葉は互生し、長さ10~30㎝、キクの葉のように浅く羽状に裂け、裂片の先が丸い。」(三河植物観察「タケニグサ 竹似草」)




蕾は2個の白色の萼片に包まれ、萼片は散萼(早落性)であり、花が開くとすぐに落ちる。(同上)





花弁は無い。雄しべは多数、葯は白色、線形。花糸も白色。花柱は短く、柱頭は2裂。(同上)






日本ナシと洋ナシ・サンザシ - 安城デンパーク

2021-08-23 19:55:41 | みんなの花図鑑
安城デンパーク・世界の梨園より今なっている実をピックアップしてみます。
なぜナシとサンザシ?
バラ科だから?
果実がよく似ているんです。



ニホンナシ ’猫殺(ねこごろし)’

「弥生時代の遺跡からはニホンナシの炭化種子が出土しており、栽培の歴史は古い。
『日本書紀』(720)には、持統天皇の代に「ナシなどの栽培を勧めた」とある。」
(小林 幹夫 「恵泉果物の文化史(7)ナシ」園芸文化第07号PDF)

「ニホンナシは栽培暦が古いだけに、品種名に変わったものが多い。
たとえば、甘くて頬が落ちそうになり、思わず頬をたたいたところから名づけた‘頬叩’(ほほたたき)、
おいしくて巾着(財布のこと)の有り金を全部はたいて買ったことに由来する‘巾着’(きんちゃく、別名:巾着叩)、
「おいしいといわれる樹はどいつだ」といったことからついた‘独逸’(どいつ)という名がある。
樹上から大きな果実が落ちると、下にいた動物が死んでしまうことから付いた ‘犬殺’ ‘猫殺’ ‘婆婆殺’、
熊本県天然記念物に指定されている‘婆婆ウッチャギナシ’(ウッチャギとは方言で『つぶす』の意)などという品種もある。」(同上)



二ホンナシ '瓶梨'

二ホンナシなのに セイヨウナシを思わせる瓶型をしています。



二ホンナシ '二十世紀'

「二十世紀」は青ナシの代表品種の1つで、鳥取県の特産として有名です。
二十世紀梨の歴史は古く、1888年(明治21年)に千葉県松戸市で発見されたのが始まりです。当時13歳だった松戸覚之助氏が親戚宅で見つけた苗木を譲り受け、それを実家の梨園で育てたところ10年後に結実。とてもおいしい青梨ができました。(果物ナビ「二十世紀 ナシ(日本梨)」)



二ホンナシ '新世紀'

二十世紀梨などの青色系のグリーンタイプ(Green pear)のひとつ。




二ホンナシ '朝鮮'

詳細不明です m(_ _)m







二ホンナシ '越後錦'

とにかく大きさに圧倒されます。バレーボールくらいの大きさで、甘さ控えめの梨です。(旬の食材百科「そのほかの和梨(日本梨)と中国梨の品種と特徴」)


今年は夏の長雨で、このように傷んでいる果実が多いです!



ユキナシ

ヨーロッパ中部から南東部に分布。名前は白い花と、白色の綿毛に覆われた若芽や若葉が雪のようであることから。(wiki「ユキナシ」)
英名も ’Snow Pear’ 。



セイヨウナシ ’ブランデーワイン’

ブランデーワインは、ペンシルバニア州の農園で発見された西洋梨で、1840年代に発表されたそうです。日本には明治時代に導入されました。


果肉は緻密で果汁が多く、とろけるような口当たりで、少し和梨のようなシャリ感もあります。(果物ナビ「ブランデーワイン 西洋ナシ(西洋梨)」)



セイヨウナシ ’パス・クラサン (Passe Crassane)’

Passe Crassane はフランス語のようです。
「Passe Crassane梨は中型から大型で、丸い球根状の形をしており、茎はやや細く、暗褐色です。市場では、茎は通常、水分の損失を防ぐために光沢のある赤いワックスで覆われて販売されています。」(foodofmyaffection「Passe Crassane Pearsに関する情報」)




オオミサンザシ

他の梨には皆樹名板があるのに、この木だけは 樹名板がありません。
梨園だけど、これは明らかにサンザシの仲間だと思います。



「デンパーク サンザシ」で検索して、たぶんこれのことかという記事がありました。



生まれ故郷はは中国です。薬用として江戸時代に連れて来られたそうです。



果実は偽果でナシ状果。



地球柑 - ミカン属

2021-08-23 07:57:54 | みんなの花図鑑

ミカン科のサンショウが出たので、連動で ミカン科の「地球柑」です。
山椒は ミカン科サンショウ属でしたが、こちらは ミカン属 です。




場所は 安城デンパーク。子ども広場とのりもの広場の間。
ときは 雨の合間 (´∀`)




「地球柑」とはまたいい名前を付けたものですねぇ
植物のほうでは「シマダイダイ( 縞橙)」と呼んでいるようです。




デンパークにもちゃんと樹名板があって、そこには
「斑入りダイダイ ’地球柑’ 」と書いてあります。




「シマダイダイはサワーオレンジ Citrus ×aurantium Sour Orange Group の1品種。果実や葉に縞模様が入る。果実は苦みがあり、普通、観賞用に栽培されている。」(三河の植物観察「シマダイダイ」)




もともと “ダイダイ(橙)” の名は、実が落ち難く、放っておけば翌年、翌々年と
二代、三代の実を見る事が出来るところから名前が付いたそうです。
この 「地球柑」 も実が落ちずに残っていますが、このような縞模様が見れるのは
冬の時期だけで、春から夏には普通の “橙色” に戻ってしまうのだそうです。




サンショウ - ミカン科

2021-08-22 20:00:00 | みんなの花図鑑

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」のサンショウ(山椒)です。属は サンショウ属(Zanthoxylum)です。



属名の Zanthoxylum は 日本語の「さんしょう」に由来するのかと思ったら、全然違いました(ToT)
ギリシャ語の zantho-(黄色い)+ xylon(木)に由来するのだそうです。



サンショウ属は 何科に属すのでしょうか?
これが何と ミカン科なのです!
そのため
「山椒の味覚は、実は柑橘、つまりオレンジやレモン、ライムに通じるものがある。」(伊東 乾「抗ストレス食材「山椒」とオレンジの意外な関係」実は柑橘系だった「山椒(ミカン科)」より)
となるのです (^^ゞ




雌雄異株です。
このサンショウは お寿司屋さんの看板の下にある雌株ですが、横に もう一株サンショウがあります。たぶんこれが 雄株なのでしょう。




「6月にこの青いままの未熟な果実を収穫したものが「実山椒」で、佃煮にしたり、ちりめんじゃこと混ぜて「ちりめん山椒」として利用される。
 収穫せずにそのままにすると8月末ごろから赤く色づいてくる。
香味料として鰻の蒲焼の臭い消しや七味唐辛子の材料として用いられる「粉山椒」は、この熟した実の殻の乾燥粉末だという。」(ブログ 庭仕事ときどき読書 ―はるかの庭「赤い山椒の実」)