アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

イヌツゲにヘクソカズラ - 実りの季節

2021-09-25 18:09:22 | みんなの花図鑑

ときに 英文のコメントをいただくことがあります。ふだん英語で考えてないので、どうお返事しようと迷います。
一昨日も去年のイヌツゲの記事(▼)に 英語のコメントがありました。

イヌツゲ - 安城市SK
私の関心は イヌツゲはツゲ科でなく、モチノキ科で、
モチノキ科の果実はたいてい赤い実なんだけど、イヌツゲの実は黒いということでした。
けれど、コメントの内容は 「この木の学名は?」でした。

そのイヌツゲですが、ようやく色づいて紫色がかってきました。
でも、黒くなるのは もう少し先のことのようです。




その生垣のイヌツゲに絡みついているヤイトバナ。
ヤイトバナというのは標準和名ではありません。(標準和名は タイトルの書いておきました)
「イヌツゲ」も「〇●●カズラ」も、どうしてこう無粋な名をつけたのでしょうねぇ








果実は早くもメタリックに光っています。
ヤイトバナの果実の表面がツルツルと光っているのは果実全体が萼に包まれているからです。




その証拠に 果実の先端に萼片が残っています。












イボクサ - 水田雑草ですが

2021-09-24 18:09:00 | みんなの花図鑑

イボクサは水田雑草です。水田雑草ですが、昨日観察した ツユクサみたいに可愛いのです。




「ツユクサみたいに」と言いましたが、この植物も ツユクサ科なんです。(ただし 属は イボクサ属)




何が可愛いかって?!
とくに雄しべ(の葯)が可愛いんです。
長めのブルーの葯をつけた雄しべが3本。
それより小さめの 紫色の葯をつけたおしべが 3本。(仮雄しべだそうです)




花弁3枚、萼片も3枚。
3数性ですね




3数性だけれど、雌しべはひとつ。
でも 子房はちゃんと3室でできているそうです (^^♪



ツユクサの観察 (2)

2021-09-23 18:04:45 | みんなの花図鑑
マルバツユクサ

マルバツユクサの名は 葉が丸いから、なのですが、単に幅広で、ツユクサのように先が尖っていないだけ、という意見もあります。




花は ツユクサよりやや小型で、色も ツユクサの濃いブルーに比べ 淡い青が多いようです。




それから、このように花柄が長いのも特徴のようです。




花を包む葉の変化した苞が漏斗状に合着していることも特徴のようです。
「茎頂の2つ折りになった苞の中に花をつけ、苞の外に花柄を伸ばして通常2個、開花する。」(三河の植物観察「マルバツユクサ」)





「花が終わると花茎が曲がり、苞の中で果実(蒴果)が花の数だけできる。」(同上)






〔比較〕 ツユクサ

比較のために ツユクサをおさらいしておきます。
花弁は上2枚が 濃い青色。
葉先は尖っています。




「もともとツユクサは貝殻のような苞の中に複数の花がある花序で、一日に一つずつ花を咲かせるとされている。」(自然観察大学ブログ「ツユクサ-5 二輪の花のこと」)






シロバナツユクサ

花弁が白いのでシロバナツユクサ。




ツユクサの花弁が白に変異したものもあれば、マルバツユクサの白花バージョンのこともあります。
ツユクサの白花バージョンの 学名は Commelina communis f. albiflora
学名の f. は forma フォールマの略で、品種を表します。
種小名の albiflora は albi(白い)+ flora(花)より。




そういえば、ムラサキツユクサの白花バージョンもありましたね




お気づきかもしれませんが、すぐ上の画像と シロバナ 2枚目の画像の花、ともに めしべがありません。
「ツユクサは草本では珍しく同一株に雌しべと雄しべを持つ両性花と、雄しべしかない雄花の2種類の花をつけることです(雄性両全性同株という)」(syngennta 病害虫・雑草防除ガイド > 雑草の話 >... > 雌しべと雄しべの両性花、雄しべしかない雄花の2種類の花をつける ツユクサ属について )







ツユクサの観察(1)

2021-09-23 08:09:05 | みんなの花図鑑

(またまた カメラのイメージセンサーを傷つけちゃったので、修正が大変です)
ツユクサは3種類の雄しべを持っていて、3タイプが ちゃんと離れてついているので、全部写しこむのが大変です。




ツユクサの花は 苞という葉の変化した器官に包まれてそこから伸びてきます。




いちおう 3種類の雄しべにピントが合いました。




いちばん長い(下の)雄しべ2つに挟まれるように、雌しべが伸びています。




雌しべの柱頭にも 花粉が付いています。たぶん隣の雄しべから 自家受粉したんではないかと思います。

ハシバミ - ヘーゼルナッツ日本版

2021-09-22 18:02:26 | みんなの花図鑑
トップの画像、帽子の上に乗っている木の実は何の実か分かりますでしょうか? (´∀`)


木になっているときは こんな実です。




答えをいいますと(タイトルの通り)ハシバミの実です。




ハシバミはカバノキ科の低木で、実は食用となります。
仲間に 西洋ハシバミがあり、そちらは ヘーゼルナッツとしてつとに有名です。




場所は 安城デンパークですが、こんな風に下に落ちていたので…




拾ってきました\(^o^)/




一応、しばらく室内で常温で追熟し… (^^ゞ




オーブントースターで 1分加熱してから…




実食 !
殻が固いので プライヤーで割りました。
でも完熟する前に落ちたものなので、実が小さく、売っているナッツのようには中の実がうまくとりだせません。
一応ましなものを食べてみました。
甘皮もきれいに取らないと、ちょっとえぐいですね。
でも、シイの実とも違う独特なナッツの味がしました。


ハシバミの雄花と雌花


ホシアサガオ、マメアサガオ、マルバルコウ

2021-09-22 08:20:23 | みんなの花図鑑
農道に一緒に咲いていた ホシアサガオ、マメアサガオ、マルバルコウ。



大きさは同じくらいですねぇ








ホシアサガオ

花冠の奥の 濃い紫色がだんだん薄くなっています。



雄しべは 真っ白です。




マメアサガオ

手前がマメアサガオ。




花弁が切れたマメアサガオ。
雄しべの葯が紫色です。





マルバルコウ

手前がマルバルコウ。



他の2つに比べると、花シベが花冠の外に突き出しているので、アップで撮りやすいです。





ジュズダマ - イネ科

2021-09-21 18:04:15 | みんなの花図鑑

「ジュズダマ(数珠玉、Coix lacryma-jobi)は、水辺に生育する大型のイネ科植物の1種である。」(wiki「ジュズダマ」)




「イネ科植物の花は、花序が短縮して重なり合った鱗片の間に花が収まる小穂という形になる。その構造はイネ科に含まれる属によって様々であり、同じような鱗片の列に同型の花が入るような単純なものから、花数が減少したり、花が退化して鱗片だけが残ったり、まれに雄花と雌花が分化したりと多様であるが、ジュズダマの花序は、中でも特に変わったもののひとつである。」(同上)(太字は引用者)




「まず、穂の先端に雄花、基部に雌花があるが、このように雄花と雌花に分化するのは、イネ科では例が少ない。」(同上)




「じつは、先に“実”と標記したものは、正しくは果実ではない。黒くてつやのある楕円形のものの表面は、実は苞葉の鞘が変化したものである。つまり、花序の基部についた雌花(雌小穂)をその基部にある苞葉の鞘が包むようになり、さらにそれが硬化したものである。この苞葉鞘の先端には穴が開いており、雌花から伸び出したひも状の柱頭がそこから顔を出す。」(同上)




「雌花は受粉して果実になると、苞葉鞘の内で成熟し、苞葉鞘ごと脱落する。一般にイネ科の果実は鱗片に包まれて脱落するが、ジュズダマの場合、鱗片に包まれた果実が、さらに苞葉鞘に包まれて脱落するわけである。」
「脱落した実は、乾燥させれば長くその色と形を保つので、数珠を作るのに使われたことがある。中心に花軸が通る穴が空いているので、糸を通すのも簡単である。」(同上)





セイバンモロコシ - イネ科

2021-09-21 07:57:17 | みんなの花図鑑

セイバンモロコシは イネ科モロコシ属(Sorghum;ソルガム)の帰化植物。
「日本で広がったのは戦後、現在では道端で普通に見られる。若葉には青酸が含まれ、牧草とはならないようである。原産地ははっきりしていない。」(三河植物観察「セイバンモロコシ」)
セイバン(西蕃)は「西の方に住んでいる野蛮な種族。西方の蛮族。また、西域(せいいき)」(日本国語大辞典) の意。





イネ科の花は花びらを持たないので地味な緑色のものが多いのですが、近くで見るとこのようにきれいなものもあります。




イネと同じで、全体は円錐花序の花穂で、個々の粒々を「小穂(しょうすい)」といいます。




小穂からぶら下がっているのが雄しべの葯(花粉を入れた袋)です。
葯の下方には穴が開いています。風が吹くと葯が揺れ、花粉が飛び散ります。




小穂の穎(えい:もみがらになるところ)から出ているブラシのようなのが 柱頭です。





ただし、典型的なセイバンモロコシは小穂から長い針のような 芒(のぎ)が出ているのですが、この個体にはそれがないので、「ヒメモロコシ」というのが正解かもしれません。