アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

チカラシバ - イネ科

2021-09-20 18:11:55 | みんなの花図鑑

チカラシバ の名は「非常に強いヒゲ根を地中に下ろし、茎も強くて引き抜こうとしてもナカナカ引き抜けない力強さがあるのが名の由来。」(ビオ荒川埼玉<チカラシバ(力芝)>より)




学名は Pennisetum alopecuroides で、
属名の Pennisetum は penna(羽毛) + seta (刺毛)。小穂毛から。(学名解説より)
種小名の alopecuroides は alopecurus (スズメノテッポウ属)に似たの意。(ビオ荒川埼玉<チカラシバ(力芝)>より)




この長いひげみたいな毛のことを「総苞毛」というらしい。


ハナアロエ - アロエとは別属

2021-09-20 07:52:36 | みんなの花図鑑

ガーデニングの図鑑「ブルビネ・フルテスケンス(ハナアロエ)の育て方」には
「「ハナアロエ」の和名を持ちますが、アロエはアロエ属、ハナアロエはブルビネ属で別属の植物です。」
と書いてあります。
では ハナアロエの仲間には どんな花があるのでしょうか?




「ハナアロエ(Bulbine frutescens)が属するブルビネ属の植物は、南アフリカを中心に約30種が分布していますが、一般的に流通しているのは本種のみです。」(同上)
ということで、近い仲間を探すと、
ツルボラン類の
シャグマユリ属や
ツルボラン属 が仲間のようです。
そしてツルボラン亜科の別類として「アロエ類」がある、という位置づけになりますので、
アロエとは全く別の植物とはやはり言えない、やや近しい植物といえそうです。




「花は6枚の花弁を持つ星形で、雄しべには細かい毛が密生しています。」(同上)





「花は一日花ですが長い花期の間、次々と開花します。」(同上)




「オレンジ花の選抜品種であるホールマーク(Bulbine frutescens ‘Hallmark’)がよく流通しています。」(同上)



ヒヨドリジョウゴ - ナス科

2021-09-19 17:27:06 | みんなの花図鑑

ヒヨドリジョウゴの名前は、「ヒヨドリたちが果実に群がって食べる様子を、お酒好きの人たちがお酒を飲んで騒いでいる姿になぞらえて『ヒヨドリジョウゴ』と呼ばれるようになりました。」(BOTANICA「ヒヨドリジョウゴとは?」)
といわれてるように、その真っ赤な実に由来するのですが。。。




黄色く太い5本の雄しべが雌しべを取り囲んでいてその中から雌しべの花柱がツンと突き出している様子は いかにもナス科です。
左上の花序は 開花直前?最終形態?




よく似たつる植物に ヤマホロシがありますが、花冠が紫色で区別できます。
また つるに腺毛が多いのも ヒヨドリジョウゴの特徴です。




受粉すれば、花冠とおしべは落ち、長い花柱だけが残ります(画像の上方)。





その後、花柱も落ち、子房が果実へと成長を始めます。




以下、アーカイブより その後のヒヨドリジョウゴ

2017-9-15




2017-9-15




2015-11-30
ヒヨドリジョウゴと名前がついて入れも、ヒヨドリがこの実を食べてるのを見たことがない、というブログが結構ありますが、
ちゃんと「ヒヨドリはヒヨドリジョウゴを食べる!」らしいですよ (^_-)-☆


メリケンムグラ - バージニアから

2021-09-19 08:12:43 | みんなの花図鑑

松江の花図鑑によりますと メリケンムグラは「北アメリカ原産。1969年に岡山県で見いだされ、現在では東海・近畿以西に分布し、やや湿った場所に生じ、ときに水田畦畔にも発生する。」とあります。




実は学名からも アメリカのどこかが分かります。
学名は Diodia virginiana
種小名の virginiana が合衆国バージニア州を表しているのです。

バージニア州(英: Commonwealth of Virginia)は、アメリカ合衆国東部、大西洋岸の南部に位置する州(コモンウェルス)である。(wiki 「バージニア州」)




「バージニア州の1月の平均最高気温は-3 ℃、7月の平均最高気温は 30 ℃ 」(同上)だそうで、ここ豊田市の気候とよく似ています (^_-)-☆
「豊田市では、夏は短く、暑く、蒸し暑く、ほぼ曇り、冬は非常に寒く、風が強く、ほぼ晴れ、年間を通じて湿度が高くです。 1 年を通して、気温は 1°Cから 32°Cに変化します」(Weather Spark 「豊田市 における年間の気候および平均気象」)




湿ったところが好きな植物とありますが、この画像のメリケンムグラは 豊田安城自転車道の法面で、泥をかぶるほどの湿地ではありません。




属名の Diodia は オオフタバムグラのことで、こちらはどちらかというと乾燥した土地が好きなようです。

オオフタバムグラ



ヒレタゴボウとチョウジタデ - 水田アカバナ科

2021-09-18 18:15:46 | みんなの花図鑑
ヒレタゴボウとチョウジタデはアカバナ科チョウジタデ属の水田雑草です。


ヒレタゴボウ

どちらも黄色い花弁ですが、ヒレタゴボウのほうが大きめです。
チョウジタデの花弁は5枚ありますが、ヒレタゴボウは4枚です。




茎は角ばっています。
そして 果実も上から見ると四角い部屋です。




ヒレタゴボウのほうが目立ちやすいので 数が多く見えます。
クワイの田んぼにも侵入しています。




子房は萼の下にあります(子房下位)。




虫のような大きな花粉が 中央の雌しべの柱頭にも振りかかっています。










チョウジタデ

ヒレタゴボウに比べると、チョウジタデのほうは小さくまとまっています。




花弁は5枚のことが多いですが、上のように 4枚もあります。
そして雄しべも花弁の数に合わせて4~5本で、雌しべとは離れて伸びています。




茎から花弁までが長いのも ヒレタゴボウと同じですが、大部分が子房です。
ヒレタゴボウに比べると、細めの子房です。



受粉すると、おしべと花弁が落ち。。。




やがて柱頭と花柱も落ちます。子房だけが成長します。









コミカンソウ - 草刈り機の餌食に

2021-09-18 08:09:01 | みんなの花図鑑

ちょっと観察を怠っていて、先日久しぶりに田んぼの畔を覗いてみたら、もうこんなにミカン色の果実ができていました。




コミカンソウは雑草で、エノキグサなどと同じくらいの草丈。
葉の裏にこんな実がなります。




コミカンソウは オオニシキソウなどと同じ トウダイグサ科。
葉は オオニシキソウの葉にちょっと似たところがありますが、果実は あちらがリンゴ、こちらが冬ミカン(^^♪
科はいっしょですが、あちらは 杯状花序の トウダイグサ属(ユーフォルビア)、
こちらは コミカンソウ属。




「花はごく小さく、上部の葉腋に雄花、下部の葉腋に雌花がつく。」(野に咲く花(松江の花図鑑「コミカンソウ」))




雌花と雄花が、あまりに小さくて、はっきり見分けられる画像がゲットできてません。




果実の横にある花は 雌花のように見えるのですが。。。
後日、花を取り直しに行ったら、時すでに遅し!
草刈り機の餌食になっていました (´∀`)
昨年、自宅の鉢に迎え入れたコミカンソウも 種子が育たず、芽が出てきませんでした。
また愛知県緑化センターに行って 観察してきます (^^ゞ




ヒガンバナ - 蜜はどこに?

2021-09-17 18:10:41 | みんなの花図鑑

ヒガンバナ(彼岸花)は別名の多い植物です。「曼珠沙華」をはじめとして、「ユウレイバナ」「ソウシキバナ」など全国に 1000もあるそうです。それだけ昔から身近にあったのでしょう




花は咲いているのに葉がありません。この時ヒガンバナの葉は球根の中にあるのだそうです。
日本のヒガンバナは三倍体であるため種子を付けず球根で増えるのだそうです。




種子をつけなくても花を咲かせ、アゲハチョウたちがやってきて 蜜を吸っています。蜜はどこにあるのでしょう?
蜜は おしべ・雌しべの付け根にあります (水滴のように光っています)




ヒガンバナは全草有毒といわれてます。
蜜も有毒なのでしょうか? アゲハチョウは分かって吸ってるのでしょうか??




毒は球根に一番多く含まれています。
ヒガンバナは、動物や虫から球根を守るため、有毒成分を持つようになったと言われています。




昔からお墓にヒガンバナが植えられていたのは、ヒガンバナがモグラやネズミよけになるからです。
田んぼの畔に植えられているのも モグラ除けですね



ポーチュラカ - スベリヒユ科

2021-09-17 07:51:45 | みんなの花図鑑
ポーチュラカの花シベ、とくに 雌しべの位置についての話題です。


ポーチュラカは 別名ハナスベリヒユの名の通り、ざっくり言えば スベリヒユの園芸種です。
それは 丸くて厚みのある葉を見れば、一目瞭然なのですが…




今日は 花シベの観察です。
オレンジ色の花粉を出しているたくさんの雄しべ(7~30個)。
の、中心ではなく端っこに雌しべが開いています。




これなど 恥ずかしそうに花弁に隠れています。




どの花を見ても同じです。
通常 両性花というと 雌しべの周りをおしべが取り囲んでいるのですが、ポーチュラカは 特異なのです。




検索しても雌しべが仲間外れの記事は見つかりませんが、素朴に考えると 自家受粉を回避するためのポーチュラカ独特の解決法なんでしょうね


参考 スベリヒユの花
その記事は こちら



マルバハギとクズ - マメ科

2021-09-16 18:13:27 | みんなの花図鑑
マルバハギ

今朝の10時ごろ撮ったものです。
ハギの品種は分からなかったのですが、3枚目のような丸い葉をしていましたので、単純に マルバハギ としました。




マメ科のほとんどの花は 蝶形花。
ハギも同じです。上方にある大きいのが旗弁といって、虫に知らせる旗(フラッグ)の役目をします。




先ほど言ったように、葉が真ん丸です。
このハギは お屋敷に植栽されていましたが、マルバハギは「コマツナギと同様に土留めのため種子の吹きつけなどにより植栽されることが多く、造成地などでもよく見られる」ということです。(三河の植物観察「マルバハギ」)




話があっちゃこっちゃしますが、蝶形花の下側には 2つのタイプの花弁が付いています。
下に長く出ているのは 舟弁で、花シベをつつんでいます。
その両側に 赤紫のリボンのようについているのが 翼弁といって訪花昆虫の足場となります。













クズ

クズ(葛)は マメ科クズ属のつる性植物。



一つの蝶形花の上側の大きい旗弁には 黄色いマークがついています。これを蜜標といいます。




訪花昆虫が蜜標を目印にしてもぐりこむとき、脚で翼弁と舟弁を押し下げます。
すると舟弁の中に包まれていた雌しべと雄しべが露出し昆虫に花粉をつけたり、昆虫から花粉を受け取ったりします。



昆虫が飛び去ると翼弁と舟弁は元の位置にもどり再び雄しべ雌しべは隠れるようになっています。



オオブタクサに…クモ

2021-09-16 08:54:01 | みんなの花図鑑
画像は 10枚ありますが、後半5枚はクモですので、お嫌いな方は 5枚目までお付き合いください。


花穂が面白いので、ついカメラを向けてしましますが、花粉症を引き起こす草のひとつです。
キク科ブタクサ属の一年草。




「茎の高さは1mから3mに達する。」(wiki 「オオブタクサ」)





「北アメリカ原産。1952年に日本に侵入した帰化植物」
「日本への侵入経路としては、アメリカから輸入した大豆に付着したオオブタクサの種子が、豆腐屋などで廃棄され発芽したものといわれている」(同上)




「花期は8月から9月で、雌雄異花で、茎の上部に雄頭花が総状につき、その下に雌頭花がつく。」(同上)




「花穂は雄花で」「雄花の総苞片には黒線がある。」(松江の花図鑑)


オオブタクサの花は ここまでです。

以下は、その花穂に住んでいた?クモ。




クモがいるということは、寄ってくる虫がいるのでしょうか?



オオブタクサは風媒花なのに?



カメラを向けると 隠れるように逃げていきます。







テナガザルみたい。