画像を望みの形に切り取りたい、Word はこういうときのためにも便利にできている。
画像を文書ファイルに挿入する。
文章が書いてあってもなくても、Word の .doc は「文書ファイル」、お遊びに使っても Excel の .xls は「ワークブック」という。
挿入した四角い画像が用紙幅いっぱいに現れる。
これを切り取るにはどうするか。挿入してしまってから考えても巧くいかない。
画像処理ソフトならトリミングという方法が使えるのに。
トリムの意味には、刈り込み、やっつけ、ご都合所見などがある。TVでよく放送される「ご都合所見」もその仲間だったのか。
だが、ここではどの意味を振り回しても通じない。
四角い画像の周りを切り取るのがだめならば、必要な部分だけをポイとそこに置けばよいのである。
仕上がりどおりの型枠を置いて流し込む方法もあるが、それでは型枠の中で画像をかたちづくっていくことになるからちょっと違う。
捏ね上げて伸ばしたクッキーのタネを、抜き型を使って抜き取る感じなのである。
その抜き取り方も、タネをひろげておいて上から抜き型を押し付けるのではない。
抜き型を先に台において、上からタネを押し付けて切り抜く感覚である。
ここですることはトリムではなくなっている。
いやこれもトリムだよと言い張る人がいてもよい。「ご都合所見」の意味に近づいていくのだから、それも面白いだろう。
実行路線に戻ろう。
まず、オートシェイプでお好みの型を作っておく。
[オブジェクトの書式設定]→[色と線]→[塗りつぶし]の[色]で[塗りつぶし効果]を選ぶ。
[図]のダイヤログにある[図の選択]から、切り取り対象の画像を選び[開く][OK]で[色]の小窓に画像らしいものが出てくる。
[オブジェクトの書式設定]を[OK]で終われば型どおりの画像が現れる。
この手順は古い Word を使っているから、いまはもっと手早くできるかもしれない。
型のなかに残る画像は、抜き型の中心と元の画像の中心が一致した位置にはめ込まれる。
いったん切り取ってからでは、抜き型の中で位置の調整をというわけにはいかない。
型抜きする画像は周辺がだいじなどという変わった人はいないと思うが、周りがいくらか切り取られることは覚悟の前としておかなければならない。
こんなことを書きながら、自分ではあえて型抜き写真を見せようとも作ってみようとも思わない。
見せるなら、周りの型の意味よりも、写っているものに意を込めた写真をとの思いだけは、まだトリムされずに残っているから。