さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

理屈に合わないことが平然と起こる

2010年09月26日 10時00分53秒 | Web log
先週の木曜日のこと。

マイクの上司二人が突然解雇を言い渡された。

株価が下落したので、株主のために財政の建て直しをしなければいけないという理由。

それが単なる言い訳だというのは、明瞭。

組織の[ある人物]が裏で何かを策略し、上層部を動かしたのが本当。

その人は、自分は正しいことをしていると信じて疑わない。
しかし実際は「会社の利益」という言い訳を楯に自分にとって都合の悪い人物を排除したいという気持ちでしか動かない。そしていつも自分が職場で権力を握ることに余念がないのだ。

でも、一番あほなのは、その人物を見抜けず、その人から流れてくる情報をある意味信じて、あるいは同意して実行に移してしまう上層部の人たちなんだろうと思う。

でも、更に考えてみると、なんというか、そういうことが平然と行われてしまう組織の構成の仕方にも問題があるに違いない。

組織がうまく構成されていたら、どこかでストップがかかるはずだし、そういう仕組みを持たなければいけないと思う。

今読んでいる本で、1990年代にニューヨークの犯罪率が急に下がったという実例を挙げ、犯罪発生率の低減という極めて危険、かつ大きな問題に取り組むときに、命を危険にさらすほどの深刻かつ大きなことがらに対して、膨大な労力と時間がかかるだろうという先入観により、誰しもが「不可能に近い」と思えることも、実は、ささいな何かを変えるだけで、劇的な変化を起こしうるという話。

ニューヨークで行われた話は犯罪の温床となっている「地下鉄の掃除」がそのTipping Point となった。

グラフィティといわれる電車の落書きを消す。
無銭乗車をする人を取り締まる。

この二つにポイントが置かれた。
そして結果、犯罪率は3分の1にまで減少した。

話は戻って。

解雇された一人は、今年に入ってシンガポールからオーストラリアに移動になった人。真面目で知識があり、そしておかしいと思ったら上にもはっきり意見を言える存在だった。

シンガポールから家族でやってきて、子どもが生まれたばかりなのに、解雇。
ビジネスビザなのでオーストラリアに留まるという選択肢もなく、おそらくシンガポールへそのまま帰還。

わざわざシンガポールから呼び寄せて、何故簡単に解雇したか。
株主うんぬん??あり得ない。

でも、あり得ないことをさせてしまうのが組織という「顔なしモンスター」だ。

会社とか組織というものは、非人間的なことを野放しにしたり、あるいは非人間的なことを意図も簡単にやらせてしまうことができる、そういう恐ろしい力が潜んでいる。

というのは、組織の中ではある意味、誰もが「匿名」となるからだ。

残酷な宣告をするときだって「会社の方針」と言って、宣告者自身のそれに同意したという責任をどこかで逃れることができる。

あるいは、個人の行為も「会社」を理由に横暴な方向へとそれを促すことも可能だ。

人が集まるところ、組織と呼ばれるところほとんど全てに発生しうることだ。

人間というものは、環境やポジションが与える効果で、よくもわるくも意図も簡単に変わってしまう存在なんだなぁとつくづく思う。

自分も含めてですけどね。

ということは、逆に考えれば、問題となっていることだって、配置を換えたり、環境を変えたり、中でのヒエラルキーをちょっと変えたりすることで、全く違うものに変わる可能性を秘めているということでもありますね。

しかし、自分の利益やポジションを守ることに必死になっていると、直接的に自分が悪いことをしていなくても、間接的に自己保身のために動くことになり、「仕方がない」という言い訳をしながら現状維持に労力を費やし、組織が膠着し、腐敗してくるということも言えると思います。

加えて、会社は利益さえあげていれば、というか利益をあげることのみが最優先なので、組織が腐敗しようが、変な人物がいようが、きっと最上層部にいるひとにとっては全く関心もないことなんだろうけれど。

それが組織のもつネガティブサイドですよね。

しかし、個人はより大きなグループに所属することによって、安心と安定を得ようとする。

誰もが、究極のところで、自分が自分であること、自分に降りかかってくる責任を希釈したい存在なのかと思います。

それにしても、会社を辞めるという大きな打撃を受けたお二人がアメリカ、シンガポールに帰還させられた後の生活が今よりもずっと良きものとなることを願ってやみません。

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