ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。
窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、「怒」の血文字が残されていた。
犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。
事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。
(
公式サイトより)
俺の好きな所謂「群像劇」ですが、今まで見てきたものは、だいたいが「恋愛」や「コメディ」色が強いものばかりでした。
・・・しかし、今回は、冒頭に出てくる惨劇(と捜査するシーン)であり、物凄く暗い雰囲気で始まりました
全く場所の違う、そして雰囲気も違う「3つの物語」が始まりました。
千葉県の物語は父(渡辺謙)と娘(宮崎あおい)の物語でした。娘に愛情を注いでいるものの、娘が同棲を始めようとする職場の部下(松山ケンイチ)の謎の過去に疑心を抱きます。
父としては信頼している部下、娘としては愛している男、その存在に対しての疑心がどんどん膨れていきます。
沖縄の物語は、若き同級生(佐久本宝・広瀬すず)が無人島で一人潜んでいる男(森山未來)と出会い親交を深めていきますが、ある辛い事件をきっかけに、お互いを、そして自分自身をも壊していきます。
東京の物語はエリートサラリーマンの男(妻夫木聡)が住所不定の男(綾野剛)と同居しお互い、素直な気持ちで向き合う存在になったものの、こちらもある事がキッカケで衝突したことにより音信不通になり・・・
この3つの物語に、冒頭の解説にある、(見つかっていない、整形をした)殺人事件の犯人の情報が絡み、それぞれ異なる状況なのに「もしやこの男が犯人
」という気持ちを持ってしまいます。
この犯人のモンタージュ写真?も、絶妙ですね・・・3人(松山ケンイチ、森山未來、綾野剛)の特徴を端々に残しています。
見ているこちらも、どの男も犯人になりえる様な言動・展開なので、すっかり血眼になって「犯人は誰だ」と見入ってしまってました
終盤、若干重たい音楽が流れつつ、その犯人が絞られていく様も息をのみますね。
「怒り」というタイトルであれど、この3つの物語に通じるものは、人と人との「愛」かなぁ・・・と思いました。
信頼が揺らいだときに、自分はどうなるか、真実を知った後、自分はどう向き合うのか・・・とっても考えちゃいました。
あとは、もう役者さん達が凄い・・・と思ってしまいました。
「群像劇」なんで、豪華なのは分かっていたものの、それぞれの人が演じる「力」が、この物語を惹きこむ強い要素になってましたもん
ちゅうことで、公式サイトの役者さん達のコメントまで見まくるくらい、魅力的な作品でした・・・で85点
※あくまで個人的主観ですので、気分害されましたら申し訳ありません