花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

FFJ研究生

2019年06月20日 | 研究
フローラが昨年まで行ってきたJr.制度。
やる気のある1年生に研究と発表の場を提供する人材育成プロジェクトです。
フローラが解散したため、今年から農業クラブが引き継いでくれました。
この春、農業クラブが1年生に募集したところ7名の応募者があり、
園芸科学科の草花班などいくつかの研究チームで指導することになりました。
ハンターズのところに来たのは生物生産科の男子1名。
5月から苗の準備を始め、先週いよいよ実験を始めることにしました。
するとどうでしょう。約束の時間に現れたのはなんと2名です。
話を聞いてみると、面白そうなので自分もやってみたいと
途中ながら名乗り出たようです。
意欲を引き出し2年次から始まる課題研究の授業につなげるという
人材育成プロジェクトの役割を考えると断る理由はありません。
名久井農業高校は小さな学校なので部活動は必修。
したがって研究活動はその合間に時間を自分で作って行うことになります。
忙しくなるのを承知で、あえて立ち上がった彼には拍手をおくりたいほどです。
さっそく2名で仲良く取り組むことになりました。
彼らが栽培するのはある処理をしたインゲンマメとワタ(cotton plant)。
ハンターズは最後までサポートする予定です。
そして彼らには来年、再来年は研究活動で頑張ってもらい
農業クラブをリードしてもらいたいと願っています。
さて今日から2日間、農業クラブの青森県連盟大会が津軽で開催されます。
研究発表などに出場するたくさんの名農生が遠征し
クラスによっては授業が成り立たないかもしれません。
まさに農業高校の甲子園です。
各校からどんな研究成果が発表されるか楽しみです。
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フローラの財産

2019年06月20日 | 研究
ハンターズは10年間活躍した先輩フローラの財産を引き継いでいます。
このたくさんのプランターや鉢もそうです。
今年は本拠地の温室で2年生のハンターズ5テーマ、
3年生のバブルボーイズ1テーマ、
さらに1年生の研究生1テーマと合計7つの研究が
同時並行で行われています。
使用している鉢やプランターの数は60個。
それらに植え付けるための育苗用ポットを入れたら
100鉢以上にもなります。
しかしそんな各研究チームのわがままなリクエストを
ちゃんと受け止められるだけの財産を
ハンターズにフローラはプレゼントしていました。
もしフローラの財産がなかったら
アイデアがありながら実験を諦めることになったため
本当にありがたいと思います。
しかし実験する植物を育てるため4月から
こんなにもたくさんの植物を枯らさずに
管理していたと思うとメンバーにも頭が下がります。
これから梅雨が始まりますが頑張って調査したいと思います。
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小さな自慢

2019年06月19日 | その他
太陽が沈み、夜の闇に包まれるわずかな時間に現れるのがこの美しい青い空。
太陽はもう見えませんが、地平線の下で放つ光はまだ空に届きます。
その光のうち波長の短い青の光が上空のチリなどのぶつかり
空一面に散乱するためおこる現象でブルーモーメントと呼ばれています。
今から数年前、チームフローラフォトニクスは
国立極地研究所の協力を得て「極地のブルーモーメントは長いのか」という
テーマで1年間研究したことがあります。
南極の昭和基地から届く映像を見てびっくり。
オーロラがときどき現れる空で3時間以上も続くではありませんか。
太陽が沈んではすぐ上がる南極の夏ではこの現象がとんでもなく長いのです。
チームはこの大量のDVDの映像をRGBの3色に分けて時間ごとに解析し
RやGが徐々に消えてゆき最後はB(青)の色だけが残ることを極地研究所で発表。
RGB分析の手法が高く評価されたのを今も覚えています。
チームは夏や秋に名農のグラウンドにアクションカメラを設置し
全天を自動撮影しながら青森でも観測しましたが、今の時期は大変。
日没が遅いのでブルーモーメントが終了する夜8時頃まで観測しなければならないからです。
それに比べて晩秋はブルーモーメントも30分程度で終了。
観測も5時頃には終わりますが、むちゃくちゃ寒いのが短所です。
今年の夏至は6月22日。気の長い方はぜひチャレンジして見てください。
何かの資料にブルーモーメントは北欧で生まれた言葉だと書かれていました。
昨年、チームはその北欧ストックホルムで
それはそれは美しい本物のブルーモーメントを何日も目にすることができました。
美しい街並みとともに空に広がる濃いブルーは決して忘れることはありません。
チームフローラの小さな自慢です。
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ピンクと呼ばないで

2019年06月19日 | 学校
名農名物のツツジのトピアリーに花が咲きました。
秋は黒、冬は雪で白だった文字が
今度は鮮やかなピンク色のフォントに変わりました。
さて色にはさまざまな植物名がついています。
かつてチームフローラは染料植物の研究もしていたため
いくつか栽培していました。
代表的なのがムラサキ。根から抽出される赤っぽい青の色素は
紫色と呼ばれています。
また同様に植物のアカネからも
茜色と呼ばれる淡い赤色が、
またタデアイからは藍色の色素が抽出できます。
その他にも桃色、山吹色、浅葱色などすべて植物由来の色です。
さてこのツツジですが、ピンク色と表現しましたが
本来、ピンクとは別の植物を意味します。
なんだと思いますか。
実はナデシコです。
PINKは英語で元来ナデシコを意味するため
ピンク色とはナデシコ色なのです。
ピンク色でもなく桃色でもないとすれば
このツツジの色はなんと呼べばいいのでしょうか。
答えは簡単。「躑躅色」(つつじいろ)。
JISの色彩規格では「あざやかな紫みの赤」を
ちゃんとツツジ色と表示しています。
似たような色でもみんな世界にひとつだけの花。
誰かの真似ではなくみんなプライドを持っています。
これからはピンク色でも桃色でもなくツツジ色と呼びましょう。
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All Engine Running

2019年06月18日 | 研究
ハンターズが結成されたのは今年の4月中旬。
初顔合わせから約2ケ月たちました。
早いものでもう2ケ月ではなく、
こちらの感覚はまだ2ケ月という感じです。
なぜなら結成時からずっと実験植物の育苗や
予備実験を繰り返して、そのノウハウ習得に努めるなど
まだ主となる実験に入っていないからです。
2ケ月かけてじっくり取り組んだ甲斐あって
ずいぶん技術は上達しましたし、苗も立派に育ちました。
メンバーは5名。早い人はすでに5月中旬から研究に入っていましたが
先日遅れていた人もやっと苗の準備が完了し、とうとう実験を始めました。
チームテーマ、そして5名それぞれの個人テーマ。
いよいよハンターズの全テーマ始動です。
研究はフローラ時代から原則として前人未到の分野を狙います。
誰かが答えを出したものに取り組んでも面白くないからです。
ましてや彼らはハンターズ。お宝の第一発見者にならなければ意味がありません。
その分、失敗も多いのですが、チャレンジすることに喜びを感じて頑張っています。
ところでみなさんは「All Engine Running.Liftoff! 」という名セリフをご存知ですか?
みんながワクワクしたアポロの打ち上げカウントダウンです。
エンジン全開。ハンターズの宝探しの旅が始まりました。
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