花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ささやかな抵抗

2021年07月29日 | 研究
ここは環境班の本拠地である馴化温室。
連日の猛暑で活動するにはかなり危険な環境となっています。
幸い今は夏休み。また多くの研究が一段落したので
メンバーが足を踏み入れる機会は激減しているためひとまず安心です。
しかしこんな環境の中にも命はあります。
それが水耕栽培されている薬草たち。コンピュータ制御の温室なので
光をあまり通さない不透明カーテンを天井に展開して直射日光を遮ったり
側面の窓や天窓を開け、換気扇を回すなどして植物たちを保護しています。
それでも暑いガラス温室。どうしようもない時はこんな対策もします。
よく見ると馴化温室の床が何やら光っているとは思いませんか。
実は打ち水をしたのです。この馴化温室、プログラムすると
温室自体が判断して自動的に灌水もできる優れものなのですが
もう10年以上も前に壊れていて動きません。
そこでバケツ に水を入れて床にまき、気化熱で冷やしているのです。
皆さん日本古来の風習だと馬鹿にするかもしれませんが
明らかに涼しくなります。また温室内には水を入れた
大きなトロ箱も設置しています。ローテクですが
ここからも水は常に蒸発して気温を下げていると思われます。
「農業の多面的機能」という言葉が10年以上も前によく使われましたが
そのひとつに「夏場の気温上昇を抑制する」というものがありました。
対象になるのは水田。この温室のように水田の水が蒸発することで
周囲の気温を冷やす「打ち水効果」が期待できるからです。
ささやかですが、あの手この手で抵抗している環境班です。
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朝日のあたる坂道

2021年07月28日 | 学校
今日は3代目環境班が環境省の気候変動関係の研修会で
今まで考案してきた技術を披露する日。
オンラインとはいえども人前で発表するのは昨日のボランティア大会が初陣。
今回は2度目とはいえ朝から緊張しているかもしれません。
さてこれは名久井農業高校の正門から校舎に続く
曲がりくねった坂道の途中に設置された大きな横看板。
2018年にファイナルフローラがストックホルム青少年水大賞で
準グランプリを受賞したのを祝って
学校が設置してくださったメモリアルサインボードです。
2012年に出場した際は正門の横に、
そしてグランプリを受賞した昨年も
同じように正門横に設置してくださいました。
なぜなら正門横には看板を掲げる専用の足場が組まれているからです。
正門前の道路は国道ではありませんが、
毎朝、南部町から八戸方面に向かう人たちで思ったよりも交通量が多い道。
おそらく自動車に乗っている方の目に間違いなく映っているはずです。
ではいったいなぜ不思議なことに2018年だけは、
道ゆく人からは見えないこの坂道に看板が設置されたのでしょうか。
まさに想定外の設置場所。これには2018年に受賞したフローラのメンバーも
首を傾げていたのを覚えています。
そこでちょっと強引に考えてみました。



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後輩へのメッセージ

2021年07月28日 | 学校
ストックホルム青少年水大賞に3度出場した研究チームの健闘を讃え
学校が設置してくださった大きな横看板。
2012年と2020年は正門脇の正規な看板設置場所に設置されましたが
なぜか2018年だけは地域の方から見えないキャンパス内の坂道に掲げられました。
本当の理由はわかりませんが、勝手に推測してみました。
このような看板の設置場所を決めるのは校長先生ですが、
実は2018年の校長先生だけが名久井農業高校のOBでした。
高校時代の3年間、このキャンパスで学ばれた先生ですから
単なる思いつきではなく、一番良い場所を選んでくださったはずと思っていたところ
設置から3年目の今年の朝、あることに気がつきました。
何と木々の間から登ってきた朝陽が看板を照らしているではありませんか。
それも看板周辺のほとんどは建物の影で日陰になっているのですが、
この場所だけはまるでスポットライトでも当てたように明るいのです。
これはその瞬間を撮影してモノクローム加工し
コントラストを強調した写真ですが、
まさにスポットライトを浴びたように看板だけが白く浮かび上がりました。
ちょうど登校時間。これなら否が応でも
登校してくる名農生の目に飛び込んできます。
まさにここはキャンパスを知り尽くしている
校長先生だからこそ知ってる秘密の一等地でした。
正門横の看板は地域の方々へのお知らせが目的ですが
この校内看板は、校長先生が「先輩たちに続け」と
後輩である名農生を鼓舞するために発信したメッセージかもしれません。
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葉がBIG

2021年07月27日 | 研究
これは秋の七草でお馴染みのキキョウの葉。
紫色の風船のような蕾、星のような花があまりにも特徴的なので
葉の形など記憶にない人がほとんだと思います。
2枚ありますが右に比べ、左がずいぶん大きいことがわかります。
実は右の葉は普通の水耕栽培で育てたもの、
左の葉は微細なドライミストで育てたものです。
根を水に浸さず霧で優しく包む栽培法では、
根にたっぷりと酸素を供給できます。
植物は根でも呼吸しているので根腐れを起こさず
ぐんぐんと成長した結果、葉も大きくなったと考えています。
このミスト栽培で野菜を育てたらどうなるでしょう。
なんだかいろいろな植物で挑戦してみたくなりました。
このように葉の大きな左のキキョウを見せられると
右のキキョウが良くないように思えてしまいますがとんでもありません。
あの加湿を嫌うキキョウが水耕栽培で育っているのですから
これだって驚愕の事実なのです。
今まで先輩方が2度チャレンジし2度失敗しているキキョウの水耕栽培。
額の向こう傷は伊達じゃない。失敗を糧にして、
しっかり修正してきたフローラハンターズの執念に頭が下がります。
さて今日はボランティアのオンライン交流会が予定されています。
みんな初陣。うまく対応できるでしょうか。
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納得いきません

2021年07月27日 | 学校
名久井農業高校の玄関付近にある庭石。
今まであまり気にしていませんでしたが、
よく見ると小さな石がたくさんくっついている
ちょっと不思議な姿をしています。
詳しい人が見たら何という石なのかすぐわかると思いますが
今まで関心がなかったのでちょっとわかりません。
でも鉱物好きは意外と多いもの。
きっと名農のどこかに石に詳しいマニアがいるかもしれません。
さて価格があってないようなのが庭石。
1t未満のものは数万円。高くても十数万円で買えますが
1tを越えると急に数十万円にも跳ね上がるそうです。
また面白いのは庭石の撤去費用。
クレーンで吊って運び出しますが、単純に石の撤去だけは1個数万円。
でもそれに伴う作業員の経費や機械のレンタル料などを入れると
やはり数十万円かかってしまうのだそうです。
自分の力では撤去できないので結局庭師さんに頼むことになりますが
数万円で買った石を撤去するのに数十万円もするとは
わかっていても、なんとも納得がいきません。
名農のOBには、園芸科学科を卒業して
庭師さんになった方がたくさんいらっしゃいます。
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