なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

こんな天気なのに積丹ツアー②

2024-08-16 | カヌー・水遊び
浜婦美で一夜。
21時過ぎに寝ただろうか。
夜中に雨音と波音。

目覚めるほどではないが、ぼんやり聞こえる。
起きてみると、周囲はぐっしょり。
ザーザー降りというほどではないが、雨具は欲しい降り方だ。
「タープ張っておいてよかったね。」とのん気な会話。
「波高いなあ。」というのも、のん気な会話。
なぜなら回復傾向だとまだ信じているから…。

2人ともそこそこじじいなので、4時には起きていた。
コーヒーを飲んで、朝飯をゆっくり食べた。
流木集め以外は、ほぼタープの下で過ごす。
6時を過ぎても、7時を過ぎても雨は止まない。
波の高さは変わらない。
岸近くは白波を立てている。
「廃屋の探検でもするか…。」と動き出す。

近くで見ると、ほんとに迫力がある。
中はボロボロだったが、茶箪笥にコップや皿、お銚子などが並んでいて、飲み交わす漁師の声が聞こえるようだった。

8時を過ぎると雨は前日と同じ霧雨になった。
そして、海の奥に明るい場所が見える。
波は変わらないが、待つのも飽きたので「岸近くの波を抜けられれば大丈夫。」と判断し、9時前から出発準備。

9時半に出発。ゴールの茶津に向かう。
白波地帯を抜け出すと、波というよりうねりが高い。
岸近くからは、ザッパーンという分かりやすい波の音が聞こえ、白い飛沫が見える。
しかし、沖の波は、うねりなので白波は立たない。
これぐらいなら、よほど油断しなければ、カヤックは大きくゆ~らゆ~らと揺られるだけ。
ちなみに風はほぼ無風です。

迫力のある眺めを遠目で見ながら進む。
白波が激しいので、岸に寄る気にならない。
海蝕洞窟がたくさん見える。
のぞきたい気持ちを抑えて、地図に記録を残す。

岸に寄らないから、おやつも船の上。
パクパク食べて横を見ると、波間で時々Uが見えなくなる。
大きなうねりは、ゆったりと来る。
沖でのどんな状態が波を産んでいるのだろう?

宝島が見えてきた。
向かいは、ピヤノ岬。
ピヤノ岬周辺ものぞきたいところがたくさんあるが、次の晴天の機会を願おう。

休まず浮かび、波もどちらかというと進む方に味方したので、のんびり船でも
3時間かからず、茶津に到着。

車を回収するのに入舸に戻ると、入舸の海は凪。
普段のイメージと逆だ。
前日のことを考えると、マッカ岬辺りに波の変わり目があるのだろう。

帰宅後天気図を確認。
出発前は北向きに進むと思っていた日本海の熱低が南西に進んでいる。
周辺の低気圧も高気圧もそんなに強さが変わらないから、結果、ほぼ無風で、低く雲がたまる場所ができ、山や谷の地形に合わせて雨が降るのはわかる。
だけど、波は難しい。

それから、29年物の船。
さすがに安心して漕ぐのは、もう限界かな…。

こんな天気なのに積丹ツアー①

2024-08-16 | カヌー・水遊び
12日~16日くらいの間で海で1泊したいものだ、と相談していた。
13日段階では、15日の予報は曇りだが、波が最も穏やかに思えた。
風向きも西に近い向きだろうと考え、14日に入舸発で1泊積丹カヤックツアー決行。

途中の海沿いのミスト状態は折り込み済み。
入舸に着くと予定通り、海は凪。
喜び勇むが、ボケボケおじさん2人組、相棒Uが大きな忘れ物をしたり、かっぱが比較的どうでもいいものを忘れたかどうか分からず探したり、29年経っている船のあちこちから老朽化による支障が出てきたり、と、なかなか出発できない。
結局、12時ごろの出発となった。

出艇すると、すぐにルシ岬。
そして、回り込むと、積丹クラックエリアが見える。
ここは一度登りに連れてきてもらったことがある。
先に海から見たら、あんなところを登ろうとは思わない…。

いつもなら、岩の間などにいちいち入り込んだり、ちょっと上陸して泳いだりしながら漕いでいる。
だけど、曇り空だとあまり覗き込みたくならないので、どんどん進んでいく。
それでも眺めは迫力あって楽しい。

島武意海岸の前を通過する。
展望台には人が見える。
そこそこの観光地らしい。
日本の渚百選の一つだとか…。

島武意海岸沿いを進むと「出岬」がある。
ここは迫力ある岬だ。
まだ海は凪。
とても漕ぎやすい。
天気がよければ、黄色と黒の岩や地肌と夏の緑に加えて、輝く海のブルーが合わさるのだろうなあ、と少し寂しく思いながら漕いでいると、カンボジアっぽい仏像が現れて、ありがたい気持ちになった。


続いて女郎小岩。
この岩はどこから見ても、着物っぽい女性に見える。
シララ姫というお名前だそうで、義経さんを忍んでいるようですね。

幌武意漁港を遠めに通過。
ピリカ岬からまっすぐマッカ岬に向かった。
マッカ岬も迫力ある景観だ。
左の岩は、地形図では島のように書かれている。
隙間をのぞいたが、岩礁が浅くてカヤックでもぎりぎりそうだった。

天気が怪しくなってきた。
マッカ岬から急に船が進みにくいと感じた。
波はないが底からのうねりが逆流しているような感じ。
思えば、これが翌日の兆しだったか…。

地形図にある浜婦美への山道の最奥のところに廃屋があった。
背景は100mの垂直な壁。
すごいところに立てたものだ。

浜婦美をテン場にする。
水が取れるし、一応車道に出られる道があるようだ。
電波はなし。

眺めと酒と焚き火で幸せな夜。
この時は、まだ翌日の方が天候条件がよいと思っている。
しかし、そううまくは行かないのであった…。
つづく。