クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

『背高泡立草』古川真人・感想(芥川賞受賞理由を考える)

2020-10-29 | 本と雑誌

 公園に行ったら、「セイタカアワダチソウ

ワサワサしていました



セイタカアワダチソウ、、


 それは、秋の 花粉症げん(源)・ブタクサ

に よく似た、

うらぶれた ざっそう(雑草)・・



ふだんなら、

かえりみも されませんが、

今年・上半期は

あちこちで この名を 耳にしました



 今年・2020年「第162回芥川賞」

に かがやいたのが、

『背高泡立草』だったからです

 



 セイタカアワダチソウが

茂る、

ながさき(長崎)県の 小島・・


そこで語られる、

「地元民共有の、島の思い出話

 

それが本書の 内容です。

 主人公の目にたまたま

映った

島の風物を

とっかかりとして、


いくつかの昔話が 立ち上がる

という・・

 どこにでもある今と、誰かの昔が 行き来する

「章変小説」

で、

たぶん、

この中の「昔章」が

あくたがわしょう(芥川賞)を ゲットした部分だろう

 

と 

はんだん(判断)されています

 「昔章」には、

*戦前、満州へ渡ろうとした男の話や、

*戦後、朝鮮へ帰った男の話、

*蝦夷地から戻ってきた無口な男の話


さらに

*カヌーで平戸~福岡を移動した中学生の話

が 

入っています。



それらは、

 作者の古川(ふるかわまこと)さんが、「親戚の家で

きいてきた」

ような話であり、

タウン誌の 地元今昔らん(欄)にでも

のっているかのような、


ちょっと面白い、「地域のファミリーヒストリー」

です

 

とはいえ


地元民じゃないと

その面白さは、ちょっとビミョーで

 

いっぱん(長崎県外)の読者は

 文章における「文節」の 長ったらしさや、

ひっきりなしの方言に

つかれてしまう・・

 

「雰囲気は よく味わえるんだけど~・・」

という

内容以前に ハードルの高い小説

って

気がいたしました・・(小声)



 クリン、この作品が「芥川賞

を とれた理由を

考えてみたのですが・・

 

それは、

「平戸という、異国情緒があるけど

あまり知られていない

日本最西端の土地の、

うずもれがちな常民の歴史を、

若いのに 綴ってくれて、ありがとう


という、

作者への ごほうび(褒美)じゃないかな

と 思います。


 それと、なんといっても、

「セイタカアワダチソウ(背高泡立草)」

という、タイトル



お話しのさりげなさに リンクした

だれもが知る、

この秋草の

名前がもつ しんせん(新鮮)み


これに つきるでしょう。

 もし、タイトルが『ブタクサ』だったら、

こうほ(芥川賞候補)にも ならなかった

 

と 思います。

 

 

 

(勝手なことばかり言って申し訳ございませんでした・・🐻でも、不思議といつまでも「島の印象」がイメージとして残る、余韻のある作品でした。作家さんが上手いのか・・もしかしてそこが芥川賞をとった、ポイントだったのかな!?)

コメント (14)
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