元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

最近購入したCD(その5)。

2006-12-23 12:52:10 | 音楽ネタ
 またまた最近買ったディスクを紹介します。最近はよくジャズを聴くので、今回はジャズのみということで・・・・(^^;)。



 まずは、往年のトランペット奏者ケニー・ドーハムが1950年代末にトミー・フラナガンやポール・チェンバースらと吹き込んだ「Quiet Kenny(邦題:静かなるケニー)」。同じトランペッターでもマイルス・デイヴィスや今ならウィントン・マルサリスのようにテクニックに物を言わせた高踏的なプレイを披露するのではなく、実に落ち着いたケレン味のない演奏を展開。全体的にくすんだ、渋い音色だが、技巧的には申し分なく、他のプレーヤーとの息もぴったり。特に第一曲目「Lotus Blossom」で、ベースとトランペットによるイントロから“タタン!”とドラムスが入るあたりはスリル満点だ。録音も素晴らしい。



 次に、ギタリストのラルフ・タウナーとヴァイブ奏者のゲイリー・バートンとのデュオによるインプロビゼーション中心のアルバム「マッチブック」。74年にリリースされている。清涼な音作りで知られるECMレーベルのラインナップの中にあって、ひときわ“透明度”の高いディスクである。まるで北極圏の遙かな上空から雪と共にサーッと舞い降りてくるようなサウンドだ(事実「オーロラ」というタイトルの曲もある ^^;)。演奏はリラックスしているようで、あちこちに冷たい火花が散っているような、スリリングな展開を見せる。BGM的に聴き流すもよし、対峙して聴き込んでもよし、とにかく“買って良かった”と素直に思えるディスクだ。



 最後は、アン・バートンのバックで流麗なピアノを披露していたルイス・ヴァン・ダイクがトリオを組んでリリースした「バラード・イン・ブルー」。2004年のレコーディングだ。これも実に良かった。音がとにかく綺麗なのだ。ゴリゴリのジャズマニアからすれば“ふん、ムード音楽じゃないか!”と軽くあしらわれるようなタイプのサウンドだが、ジャズ初心者の私にとっては、そんなことはどうでもいいのである(笑)。映画「いそしぎ」や「おもいでの夏」のテーマをはじめ、雰囲気満点の名人芸に、ただただ聴き入るばかりのナンバーが続く。録音はやや人工的かもしれないが、響き自体は目覚ましい美しさだ。バッハのチェンバロ曲のアレンジが出てくるのも嬉しい限り。誰にでも奨められる逸品だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする