はこがゆく

~ フランスからモーリシャスへ ~

Sacred Monsters

2008-04-19 23:52:36 | Weblog
シルヴィ・ギエムとアクラム・カーンの「Sacred Monsters」
という舞台をシャンゼリゼ劇場で観た。
バレエ色の色濃く残るモダンではなく、全くのコンテンポラリーの作品。

シルヴィ・ギエムは100年に1人とも言われる元パリオペラ座のエトワール。
アクラム・カーンはインド古典舞踊のダンサー・振付家
(ということを今回知った)。
昔、バリシニコフと玉三郎とかがコラボレーションしていたけれど
お互いに全く異なるジャンルで一流の人たち同士って
何かやりたくなるんだろうな。

自分もコンテンポラリーダンスを踊っていたこともある割には
観客として見るとコンテンポラリーの作品は
「どこかで見たことある(けど古典ほど普遍性もない)」か
「新しいことをやろうとしているけど、それだけで作品としては退屈」
ということが多い。

が、この作品は古典を極めたふたりがコンテンポラリーの
表現の自由さを取り入れて今の時代に創った作品
という感じがしてわくわくしながら見た。

個人的には作品冒頭のギエムのソロはギエムのオーラ以外
作品としては大して感じることのないものだったけれど
それ以降は全体的には見入ってしまい
休憩なしの80分足らずがあっという間。
舞台美術と衣装もいいなぁと思ったら両方日本人の作家だった。

彼らがそれぞれ子供のときや過去のダンサーとしての
エピソードを話す場面も掛け合いが楽しい
(ギエムはいかにもパリジェンヌな英語で話していた)。
同じ振りを踊っても質感が全く異なるふたりだけど、
その違いが舞台全体の表現を豊かにしていた。