「忙しい」という言葉を、ふだんはあまり使いません。
なにしろ閑猫堂を名乗ってるくらいですしね。
たまにいくつかの用が重なってばたばたすることがあっても、
「この程度で忙しいと言ってはいけないんじゃないか?」
と心の声が聞こえる。
「忙しいから」って言い訳はまず相手に失礼だと思うし。
でも、いまはちょっと威張って言っちゃう。
忙しいのです。ベリィを摘むのに。
あさつきとポピーに埋もれていた苺畑でしたが、
いつのまにかちゃんと実がなっていました。
摘んだらあっというまに片手いっぱいになり、
そーっと持って帰って、ボウルを持って出直し。
かっちりした色の濃い苺です。味も濃くて、種がぷちぷち。
大きくて形の良いのを選んで朝ごはん用にとっておき、
あとはジャム用にすぐ冷凍庫へ。
草むらの草苺も、山のもみじ苺も、桑の実も。
ベリィは人を待ってはくれません。
朝夕こまめに見てまわって、雨が降る前に、蟻が来る前に。
うつりかわる季節の一瞬を摘みとるように。
冷凍庫に800グラムほどたまったので、
久しぶりにジャムを煮ました。
ふつうの苺に草苺が1割くらい混ざったミックスです。
熱いうちにジャムびん2つに詰め、あとは味見用として小鉢に。
粒の残ったプレザーブスタイル。
これはおいしい。ほんとにおいしい。
ハウス栽培の苺では絶対こういうふうにできません。
仕事よりも苺が大事。
幸せな忙しい日々。
本日のタイトルは『プー横丁にたった家』から、
おなじみクリストファー・ロビンの張り紙。
GON OUT BACKSON BISY BACKSON
(がいしつ すぎかえる いすがし すぎかえる)
…読むたびに感嘆する石井桃子さんの名訳。