週間天気予報をにらみ、
「よし!」と言って、梅を干しにかかる。
宗教色の薄い転勤族の家庭で育ったので、
お盆の行事は知識としてしか知らない。
かわりに、梅を漬けてから、干すまでの手順は、
儀式のごとくオゴソカにとりおこなうことにする。
といっても、今年はわずか47粒だから、たいしたことはない。
ざるそば用の盆ざる2枚に並べ、ベランダの日なたに出してやると、
いっせいにちゅわちゅわと太陽光充電を始めた。
ときどき下に敷いた新聞紙ごと日陰にひきこみ、
あたたまった梅を1粒ずつ裏返しては、また日なたに押し戻す。
つまり自分は炎天下に出たくなくて横着をしているので、
そのへんがいまいちオゴソカさに欠けると思う。
よその家の前を通りかかったら、そこでも梅を干していた。
うちの5倍くらいの量の梅が、きげんよく日をあびていた。
長梅雨やら台風やらのあと、ようやく連続した晴れが見込めるとあって、
それッとばかりに出したのだろう。
「どこの家でも考えることは同じだね」とMが言う。
考えることは同じだが、赤じその色から、柔らかさ、塩加減などなど、
同じ梅干は1軒もない。
何軒かの梅干を見て歩き、帰ってくると、うちのが一番可愛く思える。
ほら、色も控えめで、ふっくらと上品で…ね?
「よし!」と言って、梅を干しにかかる。
宗教色の薄い転勤族の家庭で育ったので、
お盆の行事は知識としてしか知らない。
かわりに、梅を漬けてから、干すまでの手順は、
儀式のごとくオゴソカにとりおこなうことにする。
といっても、今年はわずか47粒だから、たいしたことはない。
ざるそば用の盆ざる2枚に並べ、ベランダの日なたに出してやると、
いっせいにちゅわちゅわと太陽光充電を始めた。
ときどき下に敷いた新聞紙ごと日陰にひきこみ、
あたたまった梅を1粒ずつ裏返しては、また日なたに押し戻す。
つまり自分は炎天下に出たくなくて横着をしているので、
そのへんがいまいちオゴソカさに欠けると思う。
よその家の前を通りかかったら、そこでも梅を干していた。
うちの5倍くらいの量の梅が、きげんよく日をあびていた。
長梅雨やら台風やらのあと、ようやく連続した晴れが見込めるとあって、
それッとばかりに出したのだろう。
「どこの家でも考えることは同じだね」とMが言う。
考えることは同じだが、赤じその色から、柔らかさ、塩加減などなど、
同じ梅干は1軒もない。
何軒かの梅干を見て歩き、帰ってくると、うちのが一番可愛く思える。
ほら、色も控えめで、ふっくらと上品で…ね?