昨日のつづき。
貰った野菜の中で、デトロイトという名前が初耳。
そういえば外食のサラダに混じっているのを最近よく見かける。
調べたら、若採りするレッドビートの品種名とわかった。
ビートといえば、ロシアのボルシチにつきものの、赤紫色の。
赤かぶみたいに見えるけれど、かぶではないそうだ。
(あ、そうなの? 知らなかった)
白いビートもあって、和名はテンサイ(甜菜)、別名サトウダイコン。
名前のとおり、根をしぼった汁から砂糖を作る。
ところが、これが、じつは大根でもなく、アカザ科の植物、
つまり、ほうれん草の親戚というのだから、ややこしい。
なるほど、だから、アブラナ科特有の辛味がないわけだ。
種が手に入るんだったら、うちでも来年つくってみよう。
などと考えているうちに、ふと…
ロシアの昔話の「大きなかぶ」を思い出す。
小学校の教科書にも載っていたりして有名だけれど、
あれは、本当に「かぶ」だろうか?
巨大な「ビート」だった、なんていうことは、ないですよね?
古い絵本をひっぱり出してきて眺める。
日本の白いかぶとよく似たものが描かれている。
英訳タイトルにも turnip とあるくらいだから、
きっとそれでいいんだと思うのだが、
ロシア語はわからないのでそれ以上確かめようがない。
「甘い」「大きい」と描写されているだけで、
「白い」とはひとことも書かれていないのに気づく。
これが赤いかぶだったら、ずいぶん印象の違うものになっただろう。
ロシアのおじいさんは、大きなかぶをどうやって食べたのか。
わたしも子どもの頃、この絵本が好きだったけれど、
収穫後の用途についてはあまり思い至らなかった。
子どもは、かぶが抜ければ、そこでもう満足なのである。
しかし、大人になった今は、満足せず、いろいろと考える。
千枚漬、かぶらずし、ってことはないだろう。
漬けるなら、スパイスのきいたピクルスだろう。
この大きさだからサラダにはちょっとかたいかもしれない。
食べ盛りの孫娘も、犬も猫もねずみもいることだし、
できれば食べごたえのある主菜に使ってもらいたい。
しかし、煮込んでボルシチにして食べました…なんて話では、
これほど日本で長く愛される絵本にはならなかったはず。
もちろん、にんじんでも、かぼちゃでも駄目。
ロシア色のうーんと濃い人物に、淡白な白いかぶだからこそ、
この絵本はよかったのだと思う。
写真は、みかこさんにいただいたロシアのおみやげ。
マトリョーシカのキーホルダが可愛いです。
このマトリョーシカの前面に描かれている赤い模様が、
りんごなのか、赤かぶなのか、気になるところ。