昨夜は、さらさらと音を立てて、みぞれのようなものが降っていたので、
また雪景色がみられるかと期待したれど、それほどは降らず、
朝、向こうの山がうっすら白くなった程度。
わたしが生まれた朝は雪だったそうだ。
九州といっても、福岡県の北端は、たまに雪が降る。
祖母が産院に駆けつけるのに、下駄の歯に雪がはさまって
難儀したと・・そんな話をよく聞いた。
2歳半から10歳まで神戸で暮らしていた。
アパートの北側の窓からは六甲の山なみが真正面に見え、
冬になるとそのてっぺんが粉砂糖をかけたように白くなっていく。
でも雪はめったに町までは下りてこない。
雪が降ると、子どもは大はしゃぎで、土だらけの雪だるまを作る。
かまくらが作れるくらい雪の降る町に住んでみたいと、
自分が作文に書いたのを覚えている。
本心でそう思っていたかどうかは覚えていない。
17年前の阪神大震災のとき、わたしが5年生まで通った小学校は、
避難所のひとつとしてTVの画面に映し出された。
運動場から校舎に上がるふつうより幅の広い階段が昔のままで、
懐かしいと思う気持ちが、ほんの一瞬だけ動いた。
父に連れられて行ったことのある絵描きさんの家は全壊し、
絵描きさんも奥様も亡くなったことを、だいぶあとで知った。
もともと父の転勤でしばらく住んだだけの土地だったけれど、
かぼそいつながりの糸が、ふっと切れてしまった気がした。
子どもだったから、アパートの庭と、通学路と、近所の遊び場と、
数人の友達の家くらいしか知らない。
記憶は子どもの目の高さで、ピントのはっきりしたものは少ない。
もう少し大きくなるまで暮らしていればと、残念に思う。
あの町を故郷と呼べるまで、住んでいられたらよかった。
本日の水玉。
右端の子は、これから溶けて水玉になるところか、
それとも水玉が凍ってこうなったのか・・どっちでしょうか。
そして、本日のにゃんこ。
「もー、いつまで写真撮ってるのかなぁ。
足が冷たいよー。おうち帰ろうよー」