突然の子猫の出現に、先住猫4匹(7歳~17歳)はどうしたか。
まず全員が「フーッ! シャーッ!」と背中の毛を逆立てて、
うなって、逃げました。
片手に乗るようなちっちゃい子猫を見て、
10倍もあるでかい猫がうろたえて逃げる。
まあこれは当然の反応といえます。猫ですからね。
猫の世界には「子猫優先」のオキテがあって、基本的に、
母猫は自分ちの子猫を徹底して守るし、母猫以外の猫は、
よそんちの子猫を徹底して避けるシステムになっている。
だってね、大きくて強い猫がわれ先に餌をとってしまったら、
離乳したばかりのかよわい子猫は生き残れませんでしょう。
「子猫を大切にしましょう」という倫理道徳的なものがあるわけではなく、
身体反応として本能に組み込まれているんだろうと思います。
「フーッ」といって逃げることで、食べ物と居場所を子猫にゆずっているわけ。
偉いね、猫は。
さて、その一方で、飼い猫であるうちの猫たちは、
身体年齢的にはじゅうぶんオトナだけれど、精神面は子猫といってもいい。
なぜなら、飼い主が常に「母猫」の位置にいるからです。
ヒトかあさんがごはんをくれる限り、猫はかあさんの子猫でありつづける。
その結果、飼い猫同士は「疑似きょうだい」という関係ができあがります。
そこへほんものの子猫が参入したことで、混乱が生じました。
「え、なんで? アタシは子猫じゃなかったの!?」
でも、これまでの例からみて、この混乱は一時的なものです。
「きょうだいが1匹ふえただけで、自分のステータスは変わらない」
ということがわかってしまえば、もうだいじょうぶ。
少し時間は必要かもしれませんが、徐々に慣れていくでしょう。
じつは、すももと、さんちゃんには、また別の懸念もありました。
すももについては、17歳という年齢だけでなく、3歳のときに、
新入りの子猫を本気でガブッと噛んでしまったという「前科」があること。
さんちゃんは、現在もよそ猫と闘争を繰り返しており、
侵入者に対して過敏になっているところがあるため、
ちっこいながらも男の子のクレに対して、どう出るか、ということ。
で、気をつけて様子をみていたところ…
お? さんちゃん、意外とフレンドリーな対応じゃないか。
(前足をぐいーんと伸ばすのは、リラックスして寛容な気分のときです)
お? クレも真似する!
黒猫おじちゃん、おっきいけど、怖くないみたい。
ほらあ、おじちゃん、おこらないよ。
(さんちゃん、偉い! 偉いねー)
ということで、8日目には「同じ缶のメシを食う」間柄に(笑)。
さんちゃんも、じつはおなかがちょっとだけ白い「隠れ黒白猫」なので、
並んだところは父と子っていうか、親方と小僧っていうか。
(この見習い小僧、生意気にも、親方のメシを横から狙うのだ。
しかも自分のは残して!)
さんちゃんが外から帰ってくると、クレがトトトッと駆け寄って
「おかえりなさい」をするなど、なかなかほほえましいコンビです。
おひざの上で。
こっちのでっかい黒い山が、さんちゃん。
あとから来たクレの場所が、ちょっと、ないなー。
(このあと、ずでっと落ちました)
よし、さんちゃんは、ひとまずクリア。
次回につづきます。
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辞書にはゼッタイ載らない秀逸な対義語14連発
鬼のパンツで爆笑していたり。