さてさて、3冊そろいましたので…
学校図書館用セット(ケース入り)ができました。
ISBN978-4-251-90633-5
(画像はまだ見本です。発売は3月上旬になるそうです)
タイトル文字の書体、3冊それぞれ違うところが面白いでしょう。
ブックデザインは白畠かおりさんです。
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ぜんぶで200篇以上あるグリム童話集から、あまり知られていない話を、ということで、まず15篇ほどに絞り、そこからこの3篇を選んだのでした。
なるべく偏りなく「いろんなの」を選んだつもりでしたが、あらためて見てみると、共通点があります。
まず、3篇とも「お姫さま」が出てくる。3人それぞれタイプの違うお姫さま。
グリムでお姫さまが出てくる話って、多いように思えるけれど、全体ではたぶん1割くらいのはずですから、この「お姫さま率」の高さは、謎です(笑)。
それと、3篇とも主人公が「旅に出る」ところから始まる。
旅の理由もいろいろで、みずからすすんで出かけるのもあれば、こっそり逃げ出すのもあり。きっかけは何であれ、家を出て、いろいろな経験をして、最後に幸福をつかむというパターンは同じ。
子どもや若い人たちに、外の世界へのあこがれや希望を抱かせ、弱虫でもみそっかすでも大丈夫!と励まし、さりげなく「巣立ち」の後押しをする…。それが昔話の役目といえるのかもしれません。
昔話ですから、ちょいちょい出てくる封建時代的な価値観(貴族と庶民の身分差が大きかったり、結婚こそが最大の幸福みたいになっていたり…)にひっかかってしまう人もいるでしょう。
でも、そこで「古いからダメ」と決めつけないで、「昔はこうだったんだね」「でも、いまは違うよね」という読み方をしてもいいんじゃないかと思います。
もしかしたら「あれ? こういうことって、現代でもあるじゃない?」というところにたどりつくかもしれない。
ほんとうに面白くなるのは、そこからです。
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