夜が驚く
夜鴉の啼く声がする
日々の扉を開け放って
静かな夢遊を体験する
閉じた夜の空間の中で
たった今脳内に湧き出た
今宵の妄想が
僕の額の上を伝って
そのまま枕もとへと流れ落ちる
その温度は正に
絶対零度以下である
要らぬ緊張を
させてしまってはいけないね
夜風に震える女性を抱いては
何気ない囁きに耳を澄まし
細い己の感性を鋭く研ぐ
この部屋の扉を閉 . . . 本文を読む
独り
聴いていた
朝が夜に
成長する音色を
眠りに導かれて
やってきたこの王国は
寂しく輝く魔法のクニだった
僕の耳には
美しい女性の吐息が
優しく触れて
僕の肌を
湿らせるのだった . . . 本文を読む
墨汁が
密かに
改革を断行しようとしている
それは
未来の約束
茜色に染まる未確認飛行物体
外へ出れば
悪者が跳梁跋扈している
僕が願うのは
ありきたりな日々の改訂
何も手に入らないまま
地獄へ向かうのは
悔しいじゃないか . . . 本文を読む
私はいつやら青電車
遠く故国の村落を目指し
ひとり行く
そして忘れてしまうより早く
邪悪な思い出たちを
土に仕舞うのです
いつからだろうか
言葉憎んで
百年間
意外にも慎ましやかな鬼どもと
共に笑って過ごすのです
急に嵐になった
真夏の日曜日
当の僕の孤独は
光輝くシャワーの粒になって
あまねく
無慈悲なセカイに降り注ぐだけ . . . 本文を読む
過ぎ去った泥に塗れた出来事も
数え切れぬ恥ずべき過去のエピソードも
今の僕を成す構成要素
PCの熱と共に放射する
僕の悲しい情動の源は
大昔に神々が冒した数々の失態にまで
遡るのだと
気付いた
十九の宵闇
踊って
狂おしいほど踊って
満たされるような
他愛ない欲望も
僕達の
愛すべき
特徴の一つ . . . 本文を読む