水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

あの青

2017年03月03日 11時11分28秒 | 詩編
いま、あの青が、目覚める。
空前の灯火を糧にして!
雪の青か、朝の青か、それともあの空の青か?(おそらく、空だ、あの空の…)

あの青は極めてズルい
僕らに、この世界について
何の疑問も持たぬように
巧妙に誘導しているんだ

いま、あの青が、目覚める。
そう、空前の灯火を糧にして!

勝手にしてくれ!
青空の下のお遊戯は
ハタチを過ぎても
そんなyumeに
耽溺してる暇など
あるというのか?

いま、あの青が、目覚める。
空前の灯火を糧にして!

そうさ、そうやって僕はあの青の重量に、死ぬ程押しつぶされそうになってきたってのに
それでもいまだにあの青の広がりを愛しているんだ…

何故だろう?
僕を優しく包む風が
あの青の使者だからであろうか

いま、あの青が、目覚めるのだ。

僕は
今日も青い
またこの精神も
未だに青いはずだ

雨に降られた
この魂は
青の誘惑に揺れる
僕の青い心の分身だ

いま、あの青が、不意に目覚める。

あの青の策略に
騙されながら咲いているサクラの下で
皆は輪になって踊り
春を青で満たそうとしている

だがその作戦は
あの青に散る

あの青に騙されている僕らにとって
あの青を透過して真実を発見することは到底叶わない夢みたいなもんだと
悟ってしまって良いのだよ

僕らの物語は
つまりは、あの青
終わりかけの夕暮れに
溶けていこうとするあのアヲ
緻密な夢想の生まれたきっかけにして
最期を暗示させる空恐ろしい嘘のあを

目を瞑ったら、即刻青は立ち消え、暗黒が総てを占拠するように、僕らがこの目を見開いて現実を眺め続ける限りは、嘘の青が生み出した幻想以外に、何も見えることはないであろうから

心せよ!

青とは、嘘という名の、人間から切っても切り離せない友達みたいなもんなんだから
覚悟しな!

さあ、いま、あの青は、目覚めようとしている。

溶解する心の奥へ、浸食を繰り返すごとく

緩やかに、淑やかに蠢く欲望と共に…

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