ビル食ぶ空想

　ビル咲う光景が
　まるで夢の砦のようで
　人々が行き交う交差点は君の涙で溢れてしまって
　そこに鎮座する真っ暗闇は君と僕の心の中で交差をし始め
　恐ろしく抜け目のない完全なる神様の計らいで僕らひとつになる
　
　おどろおどろしく
　林のように並び立つビルの
　その陰でむせび泣いている君が
　醜く太った豚の体型に似せられ
　並みの人知を超えた仏様の企てによって
　僕ら一夜のダンスを共に踊らされる羽目になる

　凍える都会の嗚咽に
　僕らの魂は同期して
　困惑を抑えきれずに
　あのお空の太陽まで
　手を伸べては恐怖し
　世界を丸ごと手に入れるための
　秘密のナンバーを僕ら知ろうと乞い願う

　足らない思考の埋め合わせのためには
　お空に君臨するイエス様の許諾が必要で
　僕らの頭蓋がひとつ分もぶっ飛んでしまうような
　宇宙の始まりのBIG BANGみたいな衝動が
　我らの平成の世でさえも揺るがし
　強烈な衝撃を路頭を彷徨う不思議なカップルにも喰らわす
　
　そのまま一気に吸い込む街中の喧騒を
　堪らず嘔吐してしまうビル群の暗愚を告発せよ
　ロクでもないRockを奏でるあどけない信号機共には
　荒ぶる鬼の唾液をぶっかけてやれ！
　
　そうしたら、渋谷の真ん中に居る座敷わらしに声かけな、アイツ、マジでill!
　どうでもいいよな過激な冗句に塗れたコンクリートで覆われた世界で
　理性の赤旗掲げる割に、現実を一切語れないお堅い頭の肩持つ怪物に
　終末の警鐘を鳴り響かして、雄弁の神々しさを思い知らせてやれ！