水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

仮想天国

2016年09月27日 13時32分14秒 | 詩編
 架空の卓袱台を引っくり返した暁に 
 凍りついてしまった天国の陰で
 興った帝国の狂気がぐるぐる回る
 
 繰り返し唱えられる念仏の
 果てしない悪戯に辟易しちまう
 僕の純情

 は
 
 宇宙を鮮やかに彩り
 リベラルな主張を
 掌に握り締めて
 汗水垂らして
 鬼の放屁を
 片言で蹴散らす

 澄んだ悲しみの亡骸というやつは
 いつまでも透明な憎悪を仕舞っているので
 僕は慎重にその棘を少しずつ取り除くことに没頭して
 ゆうげの支度の煙に不意に咽て
 遠く離れていった理想の軌道を目で追いかけた

 ああ あれは過去を乗せた流れ星だったんだ
 夢現の僕の枕に今日も遠慮なく落下してきては
 今宵も夕顔の花の盃を手にする聖霊と
 僕は密やかに互いの耳元で囁きあった

 開かれようとする眼(まなこ)の重みを
 僕は部屋の暗中で感じるがままに感じていた


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