水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

高村光太郎 レモン哀歌のメモ

2016年09月21日 20時29分53秒 | ぽつり一言


 そんなにも で、
 「待望」していたという事をじんわりと伝えている

 レモンはバイタルリティーの高さをうかがわせる。
 死に対し、果実の生きているという、新鮮な出来事を提示することでの対比。

 死と生の邂逅、コラボ

 きれいな歯!明眸皓歯 を思わせて、レモンほど詩になる果物は、他にあるのか?
 少なくとも、当時から現代に至ってもその役割を終えていない。
 
 中学の頃の詩で、ブドウを、シンクの脇に置いていよう。

 トパアズ という見事な形容!
 私の、誕生石でして!

 キリリ

 果実を天のものとするおところに「祈り」がある。天のものとすることで神聖さを増している。天啓であるとも読み取れる。

 天の恵みが、人を正常にさせる。

 正常に咲かぬものはいない、あの太陽の下で。

 そう、レモンはビタミンCたっぷりということで、乗船中に脚気にならぬように、レモンを積んでいったのらしい。
病床に居る人にとって、看病してもらう人と手を握り合うことは、いつまでも傍にいるよという「安心感」を感じられる最たるものではないか?

 「命の瀬戸ぎは」という、人間は限界状況のなかに置かれて、はじめて本物の「生きる刹那」を刻むことができる。

 そう、人生の輝きは一瞬!

 二人の思い出を想起させるかけがえのないシンボルとしてのレモン。
 サクラの季節だったんだ。
 すずしく光る というのは、簡単に出てきそうで実は出てこない秀逸な表現。


 (もちろん、この作品も「青空文庫」というサイトで閲覧することができます。)


 


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