今日8月6日、広島は61回目の原爆の日。9日には長崎が原爆の日を迎える。時の経過と共に、戦争の記憶も風化しつつあるなか、平和の有り難味を噛みしめたい。
中東では、殺戮の日々が続き、北朝鮮によるミサイル発射の危険も消えていない。インド、パキスタンも同様で、核拡散防止条約(NPT)が形骸化しつつあるのではないかとさえ思わせる。
核兵器保有を認められている5カ国が、実際に条約通りに核兵器を減らしているのかどうか、一度、検証して欲しいものだ。 とりわけ、今年3月にインドと原子力協力協定を結んだアメリカの矛盾に満ちた行動に対し、日本政府は、同盟国としてしっかり監視し、必要な忠告をしてもらいたい。
米ソの冷戦構造が崩壊したら、アメリカン=グローバル・スタンダードの世界が現出し、ついで、9・11テロを契機に、また違った形でのパワーバランスが生じた気がする。世界平和を希求する国際社会における国連の果たすべき役割が、今ほど求められる時はないのに、現実は極めて無力だ。
「世界の日米同盟」と豪語するなら、好戦的な大統領とプレスリー狂の首相だけの蜜月関係に終わらせずに、唯一の被爆国としてアメリカの無軌道ぶりに待ったをかける外交を展開して貰いたいと願う。