昨日から「全国いか釣漁業協議会」傘下のイカ釣り船が、燃料費高騰を理由に二日間の休漁に入った。能登半島から新潟沖は、今がスルメイカ漁の最盛期だが、多くの漁船が出港を見合わせた。
輪島港で待機した函館漁協所属の漁師が、「能登半島まで遠征して来たが出港を見合わせた」とインタビューに答えているのをみて複雑な思いがした。先般、北海道の積丹半島へ出掛けた際、「今年は春先から近海でイカ漁が不漁なのに加え、函館から荷が回ってこない」と宿の主人がこぼしていたのだ。
イカ漁は、集魚灯が多ければ多いほど水揚げ量が増えるだけに、原油代高騰で採算割れするリスクも高い。出荷側で値段を決めることが出来ないだけに問題は深刻だ。いずれ、マグロ等ほかの漁業にも影響を与える筈なのに、農水省は「物価に与える影響は軽微だ」と楽観的なのが気になる。
ところが、昨秋、函館名物の朝市食堂で、活イカいっぱい1200円もするのに驚いた。産地表示は、水揚げされた港で決まるとなると、函館から能登沖まで出稼ぎに来ている船の荷が函館の市場に並ぶこともある。地元で1ぱい100円前後のイカが1000円以上の高値を付けるとなると、流通の複雑さに頭が混乱するばかりだ。