家の前に土地売り出しの看板が立った。今春、整地が始まり上下水道管の引き込み、都市ガスの枝管工事等を終え、分譲開始に漕ぎつけた。挨拶がてらにチラシを持参した不動産屋が帰った後、販売価格を見てびっくり。
バブル崩壊後、土地価格が長期低落傾向にあるが、30年前に我が家を建てた当時の土地単価を割り込んでいた。一時期、坪単価80万円以上したものが、今は30万円に下落した。
下2枚の写真の左は4月 6日、右は5月1日に撮ったもので、今はもう見る影もなくなった。当地に居を構えてちょうど30年目の節目を迎える。
この間、私が住んだのは22年間だが、休日以外はほとんど寝に帰る居所でしかなかった。しかし、7年前に退職して大阪から戻った時、ここを終の棲家と決めた。隣りも前も畑で圧迫感がなく、四季の草花と野菜の彩りに満ちた環境が決心させたのだが、時の移ろいはここへも及んだ。
子供たちが一緒だった頃、夕涼みをかねて家族でホタルを追った。キジが前の畑で遊ぶ姿も見かけたが、今は無い。時々、川向うからカッコウの声が聞こえてくる程度で、時の移ろいを実感させられる。後期高齢者問題と質は異なるが、徐々に世の隅へ追いやられ朽ちて行くおのが姿とだぶって重苦しい気分に陥った。