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時悠人chosan流処世術

★”隣人祭り”と”金沢方式”

2008-06-21 09:43:27 | 日記・エッセイ・コラム

 地域コミュニティの復活を基本コンセプトとし、「隣人と語らいましょう」をテーマに年1回開催される”隣人祭り”。日本でも、今年、「隣人祭り日本支部」が設立され、5月に東京で初めて開催され話題を集めたとか。

 ”隣人祭り”は、18年前、パリの青年が同じマンションに住むお年寄りの孤独死に直面し、「住民同士の触れ合いがあれば、悲劇は起こらなかった」と、地域住民が集うパーティを思いついたもの。今では、世界29カ国にまで広がりをみせているという。

 イベントの趣旨に異を唱える気はないが、何も”隣人祭り”と銘打ってイベントを企画しなくても、日本には沢山の小さなコミュニティが活動している。その典型的なものが「町内会」組織だ。なかでも、当地の校下・町内会の活動は全国的にも有名で、俗に「金沢方式」と呼ばれる独特の性格を有している。とりわけ、「校下」という概念は、転入者には理解出来ない強固な構成単位だ。

 行政機能を補完し、地域住民の日常生活をサポートする校下や町内会の施策はその殆どがボランティア活動で支えられている。核家族化と少子高齢化の進展で、役員のなり手がいないなどの深刻な問題を抱えているが、社会構造の底辺をなす重要な組織体だ。将来の明確なビジョンが示されず閉塞感が漂うだけに、地道な日常活動を維持していく地域コミュニティの果たす役割の重要性を感じる。