多くのランナーに生涯の記憶に残る感動と思い出を深く刻み込んでくれた「東京マラソン」。途中棄権の憂き目に遭った私にもマラソンの奥深い魅力を再認識させてくれた。ついては、今後、さらなる充実を願って半人前のランナーの立場からの課題を述べたい。
一つ目は、ランナーのマナーについてである。当日は、生憎の雨風の悪条件ではあったが、世界陸上の選考会を兼ねた日本陸連公認大会であれば、最低限のマナーやルールを心得ておくべきだ。先ずは、スタートラインで待つ間、傘をさしているランナーが随分目についた。周りの人に雨しずくがかかっても平気顔では走る資格はない。大抵の人はポンチョをかぶっていたが、中にはランニング・ウエアだけのツワモノもいただけに、傘を持っていたのでは恥ずかしい。
また、雨でトイレが混雑したこともあるだろうが、スタート直後にある鉄道高架下で一斉に放尿する男性ランナーの姿が。女性陣からは「サイテー!」とか「信じられなーい!」と、大ブーイングを浴びせられていたが、見苦しかった。海外レースでは先ずお目にかからない光景だ。
二つ目は、大会スポンサーが配ったポンチョ。私は、透明なビニール製で上半身だけを覆う物を持参したが、会場で配られた大型ポンチョは膝まですっぽり隠れ、防水・防寒的には私の物より上等だった。ポンチョの上からゼッケンを着装することを心得ているランナーも見たが、殆んどの人は無頓着だった。ゼッケンのルールを知らないのは、フェアウエーでティアップするのと同じ違反行為だ。ちなみに、ラジオやCDのイヤホンをしていたランナーもいたが、厳密にはこれもルール違反のはず。
首都マラソンを定着させ、外国からのランナーを多く迎えたいなら、主催者側も参加者自身もマナーやルールを守らないと外国から笑われることになると懸念する。