「第1回東京マラソン大会」まで、あと1週間。東京の友人から「品川駅前で大会の垂れ幕を見た」とのメールが届き、金沢の走友からは「激励会をしようか」との電話が入った。周囲の好意に乗せられ、いつになくテンションが高まってきた。
そんな矢先、昨夕のテレビニュースで「東京マラソンのせいで浅草が”陸の孤島”化」とのテロップが流れた。コース上の浅草雷門付近で折り返す際、Uターンではなく、三角形を描くように道路を迂回するコース設計になっている。そのため、三角形に囲まれるエリアの人達は、交通規制で身動き出来ないというわけだ。2万5千人のランナーが全員通過するまで、街が封鎖され商売にならず、緊急事態発生時の措置を住民は不安がっているとのことだった。
首都圏での市民マラソンの開催には、交通渋滞や混雑等の諸問題が必然的につきまとう。半年以上前に申込みを締め切った時点で9万人を超える申込みがあったと噂されるほど、注目された大会だ。今頃になって、地元住民から不満が噴出するようでは、地方から高い遠征費をかけて参加するランナーは堪らない。
地方都市のマラソン大会では、県外からの参加者が数百人程度ですら経済効果を喜び歓迎される。久米島マラソンや隠岐の島マラソンに出場した際、予期せぬ「遠来賞」を頂戴し、感激したものだ。東京では計算の単位が一桁も二桁も異なるらしい。格差は、所得や雇用だけではなく、人の心や考え方にも芽ばえ始めた気がして寂しい。