1926年、デンマークで幸せな結婚生活を送っていた画家の夫婦が、夫が妻に頼まれて、女性モデルの代役をしたことを機に、夫が自分の内面に潜む「女性」に目覚めていく物語である。
現在は、「LGBT」という言葉を毎日見聞きする時代なので、性別を超えた夫婦・パートナーは珍しく無いが、この時代にはかなりの誹謗中傷があったのは容易に想像出来る。その時代を生き抜いた夫婦の愛が描かれる。観る前は、男性から女性になった「主人」に注目していたが、この映画は、その「主人」を支え、愛し続けた「夫人」の愛を強烈に描いていると思う。夫が女性になっていく過程を見守ることは、通常は考えられない。「アイナー(女性になる前の男性の名前)はもういない」という「主人」のセリフに悲しそうに耐えうる姿は痛々しくて物悲しい。でも、そこをこの「夫人」は、「主人」を愛し続け、史上初の性別適合手術という難手術を、勇気を持って受け入れ、懸命に看護するのである。性別に関係なく、「一人の人間」として愛を貫いていた証拠であろう。印象的なのはラストシーンで、それを象徴的に表現されていると思う。
主人公2人は、第88回アカデミー賞の主演男優賞と助演女優賞の候補になり、妻役のアリシア・ヴィキャンデルは初ノミネートで初受賞となった。複雑な内面を演じなければならず、とても難解な役なので、受賞は当然と言えるだろう。夫役のエディ・レッドメイン(昨年は「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演男優賞を獲得。2年連続でノミネート。凄い!)も受賞してもおかしくない演技だったように思う。手の指の仕草や首を傾げ目線を反らす仕草は本当の女性のようで、とても艶めかしい。手術を受ける為に訪れた病院の受付で名前を言うシーンも、「女性になれる」という嬉しさに満ちた表情がとても良かった。ともかく、2人共、素晴らしかった。演技合戦も観る価値はある。
(kenya)
原題:「The Danish Girl」
監督:トム・フーパー
脚色:ルシンダ・コクソン
撮影:ダニー・コーエン
衣装デザイン:パコ・デルガド
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツ
現在は、「LGBT」という言葉を毎日見聞きする時代なので、性別を超えた夫婦・パートナーは珍しく無いが、この時代にはかなりの誹謗中傷があったのは容易に想像出来る。その時代を生き抜いた夫婦の愛が描かれる。観る前は、男性から女性になった「主人」に注目していたが、この映画は、その「主人」を支え、愛し続けた「夫人」の愛を強烈に描いていると思う。夫が女性になっていく過程を見守ることは、通常は考えられない。「アイナー(女性になる前の男性の名前)はもういない」という「主人」のセリフに悲しそうに耐えうる姿は痛々しくて物悲しい。でも、そこをこの「夫人」は、「主人」を愛し続け、史上初の性別適合手術という難手術を、勇気を持って受け入れ、懸命に看護するのである。性別に関係なく、「一人の人間」として愛を貫いていた証拠であろう。印象的なのはラストシーンで、それを象徴的に表現されていると思う。
主人公2人は、第88回アカデミー賞の主演男優賞と助演女優賞の候補になり、妻役のアリシア・ヴィキャンデルは初ノミネートで初受賞となった。複雑な内面を演じなければならず、とても難解な役なので、受賞は当然と言えるだろう。夫役のエディ・レッドメイン(昨年は「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演男優賞を獲得。2年連続でノミネート。凄い!)も受賞してもおかしくない演技だったように思う。手の指の仕草や首を傾げ目線を反らす仕草は本当の女性のようで、とても艶めかしい。手術を受ける為に訪れた病院の受付で名前を言うシーンも、「女性になれる」という嬉しさに満ちた表情がとても良かった。ともかく、2人共、素晴らしかった。演技合戦も観る価値はある。
(kenya)
原題:「The Danish Girl」
監督:トム・フーパー
脚色:ルシンダ・コクソン
撮影:ダニー・コーエン
衣装デザイン:パコ・デルガド
出演:エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、アンバー・ハード、マティアス・スーナールツ
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