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「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師たち」(2024年 日本映画)

2025年01月22日 | 映画の感想・批評
生真面目な税務署員の熊沢(内野聖陽)は車の購入にあたって見事に騙されてしまう。友人の刑事(皆川猿時)の協力を得て、詐欺師の氷室マコト(岡田将生)が犯人と突き止めるが、氷室から逆に「一緒に仕事をしないか」と持ち掛けられる。
その仕事とは、巨額の脱税をしている不動産王橘(小澤征悦)をだますこと。橘を追求しようとする部下(川栄李奈)の突っ走りによって、熊沢は窮地に陥れられている。過去には大事な友人も橘によって失っている。
にっくき橘からどうやってお金を奪い取るのか。
氷室は腕利きのメンバーを集め、熊沢にビリヤードを仕込んで橘と対戦させたりと、手の込んだ作戦を立てていく。極めつけは地面師の場面。
ああ、万事休す!
からの、大逆転!
偽札の透かしも凝ってる。橘の顔が浮き出てる・・・・・
かくて、橘からばっちり回収した、そのお金はきちんと「納税」されて。
最後まで、熊沢は生真面目な税務署員でした。

「カメラを止めるな」で一躍有名になった上田慎一郎監督。実は「カメ止め」には今一つ入り込めなくて、一度見ただけに終わっている。
今作品もそれほど期待していたわけでもなく、内野聖陽の変貌ぶりが見たくて、車を走らせた。珍しく怒りを感じることもあったので、そんな日に見て大正解。ああ、すっとしたア。
「怒りは生きる力」になる!本来それはしんどい事なので、やめておいたほうがいいのだが。同時に、「底辺のものは怒りをもつとろくなことはない」のも事実かも。

爽快感のあるお話。おもいっきり騙されました。そして、背景にある家族愛、友情にほろり。ところで、7人の詐欺師って、数えてみるけど・・・・・・
内野聖陽、生真面目で、人の好い公務員役が実に似合っている。「きのう何食べた?」の可愛いケンジと同一人物が演じているとは思えない。
冒頭の税務署員の福利厚生費の説明を思わず真剣に聞いてしまった。「極上うな重を福利厚生費で落とすのなら、食べながら会社の方向性を語り合ったことにしましょう。職場で会議をしたことにしましょうよ」
川栄李奈、ちょっとうるさいくらいの正義漢。そのおかげで上司はえらい目に合う。国税局は「本社」なのね。
小澤征悦の悪役っぷり。はまっている。
岡田将生、美しい。氷室に幸あれと願う。岡田自身は私生活では今最高にお幸せでしょうが。
で、父親役の俳優さんはどなただったのかなあ。台詞もなかったような。
神野美鈴、親バカよねえ、息子をつかまえて「イケメンねえ」笑。彼女の煙草姿がカッコいい。「blank13」でも喪服で煙草をくゆらすシーンが絵になってた。バイク姿もカッコいい。何より、すばらしいお仕事ぶり。
いつも賑やかすぎる皆川猿時、今回は静かに熱い。ラストで出てくる友人3人の笑顔の写真に泣かされる。
吹越満、こ憎たらしい署長、こういう癖のある役がほんとによく似合う。褒めてます。

税務署職員の皆さん、仕事のお相手、ようく考えて行動してくださいね。大きなところ、見おとしている、いや目をつぶってる?避けてる?それはやめてくださいね
納税の義務をけなげに果たしている国民は見てますよ。裏金議員たちからしっかり徴収してくださいませ。内部留保をたんまり蓄えている大企業からちゃんと徴収してくださいませ。増税なんかしなくても十分賄えると思うんですけど。
確定申告の季節、庶民はきちっと申告しますとも!
(アロママ)

監督;上田慎一郎
脚本:上田慎一郎、岩下悠子
撮影:山本周平
原作:ハン・ジョンフン(邦題:「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」
出演:内野聖陽、岡田将生、川栄李奈、神野美鈴、小澤征悦



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