ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

減数分裂(成熟分裂) meiosis

2011年04月30日 | 周産期医学

● 染色体とは?

細胞の核内にあり、細胞分裂の際に棒状の構造体として観察される遺伝情報の担い手で、塩基性色素に濃く染まるところから染色体の名がある。

分裂期以外は、核内に一様に分散し染色質という構造をとる。ヒストンと呼ばれるたんぱく質のまわりにDNAの二重らせんが巻き付いたヌクレオソームを基本単位として、これにほかのたんぱく質も加わって何段階にも連結して染色体をつくる。

真核生物の体細胞は、同じ形をした2つ1対の常染色体を何組かと1組の性染色体をもつが、その形と数は生物の種類によって決まっている。

たとえばヒトでは、常染色体22組44本と性染色体2本( XXまたはXY )の計46本をもつ。

Male

Female

● 減数分裂の意義

精子や卵など生殖細胞には、染色体数が通常の体細胞(2n)の半数(n)しか含まれていない。これは生殖細胞が形成される過程で、染色体数の半減が起こるからである。この特別な細胞分裂のことを減数分裂(成熟分裂)という。

減数分裂の結果できた生殖細胞(n)は,受精により2個が合一して受精卵となると、染色体数は元の2nとなる。このような減数分裂のしくみによって、生物は種による一定の染色体数が保持され、親→子→孫へと代々受け継がれるのである。

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● 卵の成熟と排卵
①女性(XX)の原始生殖細胞は、胎生16週(妊娠18週)頃に卵祖細胞へと分化する。
②卵祖細胞は複数回の体細胞分裂を起こし、第一次卵母細胞となる。
③胎生期に第一次卵母細胞は減数第一分裂を開始し、前期でいったん休止する。
④思春期になると、排卵周期のLHサージによって減数第一分裂が再開する。
⑤排卵の直前に第一減数分裂が完了して第二次卵母細胞と第一極体になり、排卵される。
⑥第二次卵母細胞ではすぐに減数第二分裂が始まるが、中期で再び休止する。
⑦第二次卵母細胞では精子の進入(受精開始)によって減数第二分裂が再開する。
⑧第二次卵母細胞は、1個の卵子と1個の第二極体になり、第一極体は2個の第二極体になる(第二極体:計3個)。
⑨受精の完了とともに、第二次卵母細胞の減数第二分裂は終了し、受精卵となる。
⑩第二極体は退化する。

● 減数第一分裂
①第一分裂は胎児期に始まる。
②排卵する直前に終了する。
③減数分裂(46, XX → 23, X)

● 減数第二分裂
①受精は第二分裂の途中に起こる。
②受精の直後に第二分裂が終了する
③当数分裂(23, X → 23, X)

● 卵母細胞の分類
①第一次卵母細胞(46, XX) 排卵前
②第二次卵母細胞(23, X) 排卵後

● 極体の数
①排卵直前に第一極体が、受精直後に第二極体が放出される。
②排卵後~受精直前には極体が1個ある。
③受精後に認められる極体は3個である

● 卵胞発育

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①原始卵胞(primordial follicle)

第一次卵母細胞とそれを囲む一層の扁平上皮様細胞とからなる。

初期の卵胞発育は卵胞刺激ホルモン(FSH)ではなく卵巣内の細胞間の局所的な相互作用によって制御されている。

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②一次卵胞(primary follicle)

第一次卵母細胞が増大し、それを囲む一層の顆粒膜細胞層は扁平から立方~円柱状へと形態変化する。

顆粒膜細胞層の立方化に伴って核分裂が増加、FSHへの反応性が増強し卵胞発育が促進される。

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③二次卵胞(secondary follicle)

卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で顆粒膜細胞層は2~5層へと多層化する。

卵胞は直径50~400μmとなって血管の豊富な卵巣髄質へ移動する。

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④成熟卵胞 mature (Graafian) follicle

二次卵胞の顆粒膜細胞層に小さな隙間ができ次第に融合拡張して液体の貯留した卵胞腔を形成する。

卵胞が成熟するにつれて卵母細胞は片隅に偏在し顆粒細胞層に取り囲まれた卵丘の形で卵胞腔内に突出する。

排卵直前には卵胞径は2cmに達する。

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⑤黄体

排卵後、卵胞壁に残存した顆粒膜細胞と莢膜細胞が肥大・増殖したもの。排卵後1~4日で完成し、プロゲステロン、エストロゲンを分泌する。

卵子が受精していなければ、黄体はプロゲステロンの分泌を止め減衰する(黄体の寿命:約14日)。その時それは繊維の瘢痕組織である白体へと縮退する。

卵子が受精した場合、絨毛よりhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌される。hCGは黄体へプロゲステロン分泌を続けるよう信号を送り、それにより肥厚した子宮内膜が保持される。 妊娠黄体は妊娠10週頃まで黄体ホルモンを産生し、その後徐々に退縮、消失する。

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・ 先体反応と透明帯反応

先体反応: 精子が卵丘に接した時、表面の原形質膜と先体外膜が融合し、これが破れて先体内酵素(ヒアルロニダーゼ、アクロシンなど)が放出あるいは露出される。

透明帯反応: 先体反応により、透明帯の性質変化を起こし、他精子の進入を妨げる。

卵の透明帯は糖蛋白から構成されており、その働きは多精子受精の防止、卵の保護にあると考えられている。

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・ 受精(fertilization)

排卵はLHサージの16~24時間後に起こる。

受精は卵管膨大部で起こる。

精子の二次卵母細胞内への進入により、第二減数分裂は再開される。第二極体が放出され、二次卵母細胞は卵子となる。

卵子の核は雌性前核となり、精子の核は雄性前核となる。雌性前核と雄性前核が融合して全核となり、受精が終了する。

受精が終了すると、卵割が始まる。

卵の輸送は卵管の蠕動運動と卵管上皮の線毛運動による。

受精後4~5日(桑実胚期)で子宮内膜に達し、6日目(胞胚期)にハッチングを起こし着床を開始する。

胞胚(胚盤胞)となった受精卵は、内細胞塊側が子宮内膜に接着し侵入する。

ハッチング:受精卵が、内圧の上昇と酵素的融解により、透明帯から脱出する現象。

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減数分裂(成熟分裂)、問題と正解

2011年04月30日 | 周産期医学

問題1
正しいのはどれか。
a 卵子は排卵までに第1極体を放出している。
b 卵子は受精前に第2減数分裂を終了している。
c 精子の先体反応は卵透明帯通過後に起こる。
d 受精は卵管峡部で成立する。
e 桑実胚で子宮内膜に着床する。

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正解: a 

a 排卵周期のLHサージで減数第一分裂を再開し、排卵直前に第一分裂が終了する。排卵までに第一極体を放出している。

b 卵子は精子の進入(受精開始)によって減数第二分裂が再開し第二極体を放出する。

c 先体反応により透明帯反応が起こり、精子が透明帯を通過できるようになる。

d 受精は卵管膨大部で起こる。

e 着床は排卵から1週間後の胞胚期である。

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問題2
正しいのはどれか。
a 卵胞数は思春期に最大となる。
b 原始卵胞は卵とそれを取り囲む多層の顆粒膜細胞とからなる。
c 原始卵胞から一次卵胞への発育にFSHが必須である。
d 成熟卵胞には卵胞腔が存在する。
e 排卵直前には卵胞の直径は約5mmになる。

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正解: d

a 卵胞数は胎児期に約700万個と極大に達し、その後は時間経過とともに減少する。

b 原始卵胞は卵とそれを取り囲む一層の扁平な顆粒膜細胞とからなる。

c 初期の卵胞発育はFSHではなく卵巣内の細胞間の局所的な相互作用によって制御されている。

d 二次卵胞の顆粒膜細胞層に小さな隙間ができ次第に融合拡張して液体の貯留した卵胞腔を形成する。

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e 排卵直前には卵胞の直径は約20mmになる。

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問題3
正しいのはどれか。
a 受精直前の卵子には極体が3個ある。
b 精子の染色体により性が決まる。
c 多精子受精は多胎の原因となる。
d 受精は子宮腔内で起こる。
e 受精卵の9割が着床する。

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正解: b

a 受精直前の卵子は減数第一分裂を終了しており、極体は1個である。

b 精子は22+Xまたは22+Y染色体を有しており、精子によって性が決定される。

c 多精子受精とは1個の卵子に2個以上の精子が進入する現象で、これが起こると胚発生は早期に停止するか、3倍体となって部分胞状奇胎を発生することがある。

d 受精は卵管膨大部で起こる。

e 体外受精・胚移植における着床率は受精卵あたり10%程度である。

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問題4
受精から着床までの期間はどれか。 
a  1日
b  3日
c  6日
d  12日
e  18日

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正解: c

排卵はLHサージの16~24時間後に起こる。
受精場所: 卵管膨大部。
卵の輸送は卵管の蠕動運動と卵管上皮の線毛運動による。
受精後4~5日で子宮内膜に達し、6日目にハッチングを起こし着床を開始する。
ハッチング: 受精卵が、内圧の上昇と酵素的融解により、透明帯から脱出する現象。

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問題5
ヒト受精卵で正しいのはどれか。
a 受精卵は受精後2日で子宮内膜に着床する。
b 受精卵は増殖期子宮内膜に着床する。
c 受精卵は桑実胚期で子宮内膜に着床する。
d 胞胚は着床のため透明帯から脱出する。
e 内細胞塊と反対側の栄養膜が子宮内膜に着床する。

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正解: d

a 受精後4~5日で子宮内膜に達し、6日目にハッチングを起こし着床を開始する。

b 受精卵は分泌期内膜に着床する。

c 受精卵は胞胚(胚盤胞)となって着床する。

d 胞胚は透明帯から脱出(ハッチング)し、着床する。

e 胞胚(胚盤胞)となった受精卵は、内細胞塊側が子宮内膜に接着し侵入する。

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問題6
正しいのはどれか。
a 卵の減数分裂は乳児期に始まる。
b 卵の減数分裂はLHサージによって終わる。
c 受精は卵管間質部で起こる。
d 受精後、卵は第二極体を放出する。
e 受精卵は桑実胚で着床する。

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正解: d

a 胎児期に、当数分裂で卵祖細胞より卵母細胞が形成され、その後は性成熟期まで減数分裂は休止する。

b LHサージが起こると、卵子の減数分裂は再開される。

c 受精は卵管膨大部で起こる。

d 卵子は排卵直前に第一極体を放出し、受精直後に第二極体を放出する。

e 受精卵は胞胚期に着床する。

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問題7
正しいのはどれか。
a 受精は第一減数分裂中期に起こる。
b 卵細胞質内には複数の精子が進入する。
c 受精後に認められる極体は1個である。
d 着床は受精後3日目に成立する。
e 初期胚は胚盤胞まで発育し着床する。

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正解: e

a 受精は第二減数分裂の途中に起こる。

b 精子は、卵子の透明帯に接触すると先体が変化し(先体反応)、透明帯、細胞膜を貫通して卵細胞内に入る。透明帯は多精子受精防止の役割がある。

c 受精直後の極体は3個である。

d 着床は受精後6~7日目に起こる。

e 受精卵は受精後3日目(桑実胚)に子宮腔内に達し、4~5日目に胞胚(胚盤胞)となり、6~7日目(透明帯脱出後)に着床する。

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問題8
正しいのはどれか。
a 受精から着床までは2週である。
b 着床は胞胚期に起こる。
c 胚は増殖期の子宮内膜へ着床する。
d 着床後1か月で胎盤が完成する。
e 受精後280日目が分娩予定日である。

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正解: b

a 受精卵は、受精後6~7日目に着床する。

b 着床は胞胚(胚盤胞)期に起こる。

c 胚は分泌期の内膜へ着床する。

d 胎盤が完成するのは妊娠4か月末である。

e 分娩予定日は、最終月経開始日から280日目(受精後266日)である。

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問題9
妊娠について正しいのはどれか。
a 着床は受精後2日目に起こる。
b 子宮外妊娠では卵巣妊娠が最も多い。
c 自然妊娠における流産率は10~15%である。
d 妊娠36週6日の分娩は正期産である。
e 妊娠41週6日の分娩は過期産である。

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正解: c

a 着床は受精後6~7日目に起こる。

b 子宮外妊娠は全妊娠の約2%に起こり、卵管膨大部が最も多い。

c 流産のほとんどが妊娠12週未満の早期流産であり、その90%以上は胎児側の要因(染色体異常など)である。

d 正期産:妊娠37週0日~妊娠41週6日

e 過期産:妊娠42週0日以降

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問題10
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 受精後3~4日目に桑実胚が着床する。
b 生殖器系は内胚葉から誘導される。
c 妊娠黄体は妊娠8週から退化し白体となる。
d 酸素濃度は臍帯静脈血の方が臍帯動脈血より高い。
e 無脳児妊娠では母体の尿中エストリオール値は低い。

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正解: d、e

a 受精後6~7日目に胞胚(胚盤胞)が着床する。

b 生殖器は中胚葉由来である。

c 妊娠黄体は妊娠10週頃まで黄体ホルモンを産生し、その後徐々に退縮、消失する。

d 臍帯静脈:動脈血(母体→胎児) 臍帯動脈:静脈血(胎児→母体)

e 無脳児はACTHが低下しているため副腎皮質発育が不良であり、胎児副腎からデヒドロエピアンドロステロンが減少するため、母体の尿中エストリオールは低値を示す。


胎児循環

2011年04月30日 | 周産期医学

胎盤におけるガス交換
・ 胎児のガス交換は、胎盤の絨毛間腔で母体血と胎児血とのガス分圧の差による拡散によって行われる。
・ 絨毛間腔は母体血で満たされ、母体血と胎児血は混合しない。
・ 胎児の血液は、赤血球数が増加(多血)し、酸素親和性の強い胎児ヘモグロビン(HbF)が主体となっている。

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胎児循環の血液の流れ
・ 右心房に上大静脈と下大静脈が還流する。
・ 下大静脈には胎盤で酸素化された血液が静脈管を通って流れ込んでいる。右心房に流入した下大静脈由来の酸素分圧の高い血液の多くは卵円孔を通って左心房に入る。
・ 上大静脈由来の酸素分圧の低い血液の多くは右心房から右心室へ入って肺動脈へ流れる。肺動脈血流は動脈管を通って下行大動脈に合流する。
・ 下行動脈の血液の一部は内腸骨動脈から分枝する臍帯動脈を経て胎盤に至り、再び酸素化を受ける。

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胎児循環の特徴
①胎盤でのガス交換を含む体外循環を有し、肺循環は乏しい。
②卵円孔という心内シャントにより左右の心房が交通する。
③左右の心室の厚さは同等である。
④動脈管により肺動脈は大動脈に連絡され、右心室の拍出する血液の大部分が大動脈に流れる。
⑤臍帯動静脈、静脈管が存在する。

胎児循環から新生児循環への変化
①肺動脈が開く。
②卵円孔が閉鎖する。
③動脈管が収縮する。
④動脈管が閉じる。
⑤臍帯動脈が閉じる。
⑥胎児循環がなくなる。

****** 問題

問題1
胎児循環で酸素分圧が最も高いのどれか。
a 右心室
b Botallo動脈管
c 上行大動脈
d 下行大動脈
e Arantius静脈管

問題2
胎児循環で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 臍静脈は2本である。
b Arantius静脈管は下大静脈に流入する。
c 左右心室は卵円孔で交通している。
d 右室の拍出量の大部分はBotallo動脈管を通過する。
e 最も高い酸素濃度の血液が流れる血管は中大脳動脈である。

問題3
胎児循環で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 卵円孔では主に上大静脈の血液が左心房に流れる。
b 動脈管では肺動脈から下行大動脈に血液が流れる。
c 静脈管には酸素化血が流れる。
d 臍帯動脈では胎盤から胎児側に血液が流れる。
e 絨毛間腔では胎児血と母体血が混じっている。

問題4
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 絨毛間腔は母体血が循環する。
b 脱落膜は胎児由来の組織である。
c 羊水量は胎児腎機能と関連する。
d 胎盤の構造は妊娠24週で完成する。
e 胎盤重量は妊娠末期で平均800gである。

****** 正解

問題1
a. 右心室には上半身に酸素供給をし終えた血液が主に流入するため、酸素分圧は低い。
b. 動脈管内の血液は、右心室から肺動脈を経ており、酸素分圧は低い。
c. 上行大動脈には、比較的酸素飽和度の高い下大静脈由来の動静脈混合血が流れる。
d. 下行大動脈には動脈管からの血液が流入し、上行大動脈よりも酸素分圧は低下する。
e. 静脈管内には、臍帯静脈由来の純粋な動脈血が流れている。
正解:e

問題2
a. 臍動脈は2本、臍静脈は1本である。
b. Arantius静脈管は、臍静脈の血液(動脈血)を下大静脈へ流入させる。
c. 卵円孔があるのは左房と右房の間である。
d. 胎児循環では、肺循環へ血液を送る必要がないので、右室の拍出量の大部分は動脈管を通る。
e. 酸素濃度が最も高いのは、臍静脈、Arantius静脈管および肝分枝の血液である。
正解:b、d

問題3
a. 上大静脈から右心房に流入した血液の多くは卵円孔を通過せず右心室へ入る。下大静脈から右心房に流入した血液の多くは卵円孔を通過して左心房に流れる。
d. 臍帯動脈は胎児の内腸骨動脈の分枝であり、胎児より胎盤に向かって血液が流れる。
e. 絨毛間腔には母体血が流れており、母体血と胎児血が混合することはない。
正解:b、c

問題4
a. 絨毛間腔は母体血で満たされている。
b. 脱落膜は母体の子宮内膜由来である。
c. 胎児腎からの尿産生と胎児の嚥下で羊水量は調節されている。
d. 胎盤の構造は妊娠14~16週で完成する。
e. 胎盤重量は妊娠末期で約500gである。
正解:a、c